4階建て住宅でエレベーターなしの生活はきついのか│メリット・デメリットをご紹介

4階建て住宅でエレベーターなしの生活はきついのか

4階建て住宅を計画する際、一度はホームエレベーターの設置を検討するのではないでしょうか。

ホームエレベーターを設置することで、平屋のように快適な生活を送ることができるからです。

 

しかし設置するための費用やスペースなどを理由に、ホームエレベーターをなしにする場合もあります。

体が動く内は階段を使えばいいと、ホームエレベーターの必要性を強く感じていないのかもしれません。

 

ではホームエレベーターなしの4階建て住宅は、生活がきついと感じてしまうのでしょうか。

今回はそんな4階建て住宅にホームエレベーターをなしにした場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかお伝えしていきます。

4階建ての新築計画にぜひお役立てください。

 


- point -

  • 4階建て住宅は階をまたいだ移動が増えるので、ホームエレベーターがあると生活が楽になります。では逆になしにすることでどのような生活になるのか、メリット・デメリットを用いてお伝えします。
  • ホームエレベーターの将来的な増設を踏まえた家づくりのポイントもご覧ください。

 

− contents −
◼ 4階建てエレベーターなしの住宅│メリットをご紹介
◼ 4階建てエレベーターなしの住宅│デメリットをご紹介
◼ エレベーターは後付けも可能
◼ まとめ

 

4階建てエレベーターなしの住宅│メリットをご紹介

4階建て住宅に、エレベーターをつくらないことで起きるメリットをご紹介します。

  • 階段の利用が運動になる
  • 新築コストに負担がかからない
  • スペースを有効活用できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

階段の利用が運動になる

階段

ホームエレベーターをなしにすることで、生活の中に運動を取り入れることができます。

階違いへの移動は、階段を利用する必要があるからです。

 

階段を利用する際の運動量はジョギングと同等、また平地を歩く3倍と言われているので、毎日積み重ねると相当なカロリー消費に繋がります。

また階段の上りと下りでは使う筋肉が違うので、下半身の強化や筋肉の増強にも役立ちます。

体の中で下半身の筋肉は一番大きいので、基礎代謝を上げることも期待できるでしょう。

 

最近ではリモートワークが増えたことで外を歩く機会が減り、運動量を大きく落としている人は少なくありません。

また「老いは足から」と言われるように、50歳くらいから足元の筋力が落ちて、つまづきやすくなったり、足を動かしにくくなったりと不調を感じやすくなります。

家の中では階段を利用するしかない環境をつくると、体作りに役立てることができるでしょう。

 

新築コストに負担がかからない

住宅ローン 計算

ホームエレベーターの設置をなしにすると、次の様な初期費用を抑えることができます。

  • エレベーター本体費用 約200~400万
  • 工事費用 約50万円
  • 申請費用 約10万円

費用の詳細はエレベーターの大きさや機種、停止するカ所や建物の構造などによって異なります。

 

このように大きな費用を新築予算に組み込むのは、簡単ではありません。

無理をすると毎月の住宅ローン返済や、ランニングコスト(電気代・定期点検代)が生活の負担になるでしょう。

ホームエレベーターの設置をなしにすることで、新築資金の負担にならずに済みます。

 

スペースを有効活用できる

広い脱衣室

ホームエレベーターをなしにすることで、希望の間取りを整えやすくなります。

ホームエレベーターを設置するには2人乗りで1畳程度、3人乗りや車いすを乗せるためには1.5~2畳程度の広さが各フロアに必要なので、4階建てとなれば全フロアで4~8畳とかなりの広さを確保しなくてはいけません。

このスペースをホームエレベーターではなく他の間取りに利用することで、ランドリールームや書斎をつくったり、個室やリビングを広くしたりと理想の家づくりが叶います。

 

家を新築する年齢が若い内はホームエレベーターの設置よりも、家事楽できる設備が整っていることや、生活空間が広々としていること、また個室の数や収納スペースの確保を優先しがちです。

一緒に生活する人数が多い間は仕方がないと言えるでしょう。

 

しかしお子さんが独り立ちして夫婦だけになる頃には、部屋や収納スペースにも空きが出てくるはずです。

その頃になると階段の移動が体の負担になったり、車いすでの生活になったりとエレベーターの必要性を強く感じるかもしれません。

ホームエレベーターの後付けについては後ほど詳しくお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

 

4階建てエレベーターなしの住宅│デメリットをご紹介

次に4階建て住宅に、エレベーターを作らないことで起こるデメリットをご紹介します。

  • 階段の利用がめんどう
  • 建物や設備のメンテナンスに費用が高くなりがち

可能な対策方法と一緒に、詳しく見ていきましょう。

 

階段の利用がめんどう

階段

4階までの階段移動は、若い内であってもめんどうに感じられるかもしれません。

しかも生活をするために1日に何度も階段を上り下りするとなれば、疲れるだけでなく移動に時間がかかることも負担に感じられるでしょう。

 

【対策方法】

階段の利用が負担にならないよう、生活動線や家事動線を考慮した間取りを整えることが大切です。

動線とは家の中の目的地を点として、その点と点を繋ぐ線をいいます。

生活するための動線と家事をするための動線を短く繋げることで、家の中での動きに無駄がなく快適に生活を送ることができます。

 

  • 2階に生活の中心となるリビングを設けて、それぞれの目的地までの動線を整える
  • 家事動線を整えるために、水回りの間取りをまとめる
  • 洗濯物を干すバルコニーと洗濯機を設置するスペースは、同じ階に設ける
  • 洗濯に関する作業を全て完結できるよう、ランドリールームを設ける
  • 各部屋に洋服の収納をしないで済むように、ファミリークローゼットを設ける
  • 家に帰ってきてから洗面室までを繋げて、手洗いうがいの動線をつくる
  • 玄関とキッチン(パントリー)までの動線を整えて、食料品や生活雑貨の収納をしやすくする

 

このように生活の動きに合わせた間取りにすると、階段を利用する回数を減らすことができます。

4階建ての住宅にエレベーターがなくても、快適に暮らすことができるでしょう。

関連記事:4階建ての家│快適な間取りに整える方法を5つご紹介

 

家具などを配送をしてもらえないこともある

造作家具

4階建てでエレベーターがないと、大きな家具などを配送してもらえないことや、配送してもらえても費用が割増しになることがあります。

エアコンの清掃や引越しの費用など、建物の高さやエレベーターのアリナシで費用が変わるケースは少なくありません。

 

【対策方法】

大きな家具を運ぶのは大変なので、組み立て式の家具を選びましょう。

家具を組み立てる前の状態なら、比較的楽に運びこむことができます。

 

また大きな家具は新築時に造作するのもおすすめです。

造作家具は家のインテリアとの馴染みがよく、大きくても圧迫感がありません。

収納家具であれば収納量を大きく作れるので、スペースの有効活用にもつながります。

 

エレベーターは後付けも可能

ホームエレベーター

ホームエレベーターは新築時に設置しなくても、後から増設することが可能です。

大掛かりな工事になりますが、新築時の負担を減らすことで理想の家づくりが叶いやすくなります。

  • 新築資金にホームエレベーター設置の費用を組み込まなくて済む
  • ホームエレベーター設置に必要なスペースを他の間取りに利用できる

また生活を始めてからホームエレベーターの必要性を強く感じることもあるでしょう。

 

ホームエレベーターの増設は、押し入れなどの収納や吹き抜けなどを利用して行われます。

将来的にホームエレベーターの増設を予定している場合は、ある程度の場所をイメージしながら間取りを整えていきましょう。

 

まとめ

ホームエレベーター

4階建て住宅にホームエレベーターをなしにした場合の、メリット・デメリットをお伝えしてきました。

都心の新築計画には大きな資金が必要なので、初期費用を抑えることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。

しかし階段の上り下りは体の負担になるだけでなく、時間のロスにも繋がるので、生活がきついと感じられるかもしれません。

 

メリットが魅力に感じられるのか、またデメリットを対策できるのか家族でしっかりと話しあってみましょう。

また新築計画にホームエレベーターの計画を取り入れることができなくても、後付けができるので将来を見据えた計画も可能です。

何を優先すべきか慎重に検討して、理想の生活が送れる家づくりをしていきましょう。

 

LINEでお問い合わせ

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

詳しいプロフィールはこちら