RC造のデメリットと対策方法を解説│メリットを活かした快適な家づくり
建物の構造にはいくつかの種類がありますが、今回はRC造について詳しくご紹介していきます。
RC造を利用すると、強く丈夫で快適な家になる一方で、避けることのできないデメリットもあります。
デメリットもしっかりと理解して、可能な限り対策を立てていきましょう。
そうすることでRC造の魅力を最大限に活かした家づくりが叶うはずです。
RC造のデメリットと対策方法、後半では豊富なメリットもお伝えしていくので、ぜひ新築計画にお役立てください。
- point -
- RC造とはどのような工程でつくられるのか、その他の構造と比較しながらご覧ください。
- RC造のデメリットと対策方法、メリットをご紹介するので、RC造の特徴として確認していきましょう。
− contents −
◼ RC造とは
◼ RC造のデメリット│対策方法を解説
◼ RC造のメリット
◼ まとめ
RC造とは
RC構造とは 鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)のことです。
鉄筋でつくられた骨組みのまわりに型枠をつくり、その中にコンクリートを流し込んでつくられます。
強度が高いことから、高層ビルや大型商業施設などにも用いられる構造です。
住宅の建築構造は、このRC構造の他にもS構造とW構造が利用されます。
S造 鉄骨造
S造とは鉄骨造のことで、骨組みに使われている鉄骨(鉄=Steel)からS造と呼ばれます。
鉄骨の太さによって重量鉄骨と軽量鉄骨にわけられ、鉄筋コンクリートよりもコストが低く、木造よりも強度が高いことが特徴です。
W造 木造
W造とは木造のことで、Woodの頭文字をとってW造と言われます。
木材には調湿性・断熱性があることから、四季のある日本と相性がよく、一般住宅に最も利用されている構造です。
白アリ被害への対策が必要なことや、建築コストが低い特徴があります。
RC造のデメリット│対策方法を解説
RC造のデメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
デメリットを事前に理解することで、後悔につながりにくくなりますし、可能な限り対策をとることもできます。
建築コストが高い
RC構造の建築コストが高い理由を2つお伝えします。
【工期が長いので現場費用がかかる】
RC造は工期が長いので、その分現場の費用がかさみます。
木造や軽量鉄骨造は、工場で材料をカットし現場で組み立てながら造られます。
それに対してRC造は現場で骨組みをつくり、そのまわりを囲った型にコンクリートを流し込む作業が階ごとに行われるため、作業工程はかなり複雑です。
さらに流し込んだコンクリートが乾く時間も必要になることが、工期が長くなる理由です。
またこれだけの複雑な工程が必要になると、それだけの専門業者が入り多くの職人さんが作業を行うことになります。
現場の人件費はコストの大きな比重を占めるので、全体のコストアップに直結すると言えるでしょう。
【地盤強化に費用がかかる】
鉄筋コンクリート造は使われる材料が重いので建物の重量大きくなり、地盤にかなりの負担がかかります。
そのため他の構造では必要ない場合であっても、地盤調査や地盤改良、杭工事などが必要になります。
建築コストを抑える方法
RC造の建築コストを抑えるのは簡単ではありません。
先程お伝えした工期を短くするのはコンクリートを乾かす観点から、梅雨時期の工事を避けることくらいでしょう。
また地盤改良や杭工事をおろそかにすると建物が傾いたり沈んだりと危険な状態になるので、補強工事の費用が大きくかかることになります。
そのためRC造の建築工事のコストを抑えるのではなく、他の構造と組み合わせることを検討してみてはいかがでしょうか。
RC造にする目的が間口の広いビルトインガレージをつくることや、1階でダンス教室をするのに広いフロアをつくりたいといった理由であれば、1階のみをRC造にして2階以上を木造にすることもできます。
そうすることで工期も短く、建物の重量を軽くすることが可能です。
全てを同じ構造でつくるのではなく、構造の組合せができるかは、経験豊富な業者に相談してみることをおすすめします。
コンクリートの汚れが目立つ
RC造は表面がコンクリートになり、その上を塗装して仕上げる方法が多くみられます。
多階層になっても、サンディングのように継ぎ目もなくスッキリとした印象です。
しかしコンクリートは水分を吸収しやすい特徴があるのでカビや苔が生えたり、雨だれなどが目立ったりと外壁が汚れやすい特徴があります。
湿気の影響を受けやすいのは日あたりも関係しますが、逆に日当たりのいい場所は紫外線による経年劣化を避けることができません。
専門の業者に外壁の塗り替えをしてもらうことになるので、足場代も含めてかなりのランニングコストになるでしょう。
外壁をきれいに保つ方法
外壁をきれいな状態で保つには、外壁タイルがおすすめです。
外壁タイルには、紫外線の影響をうけにくい・傷がつきにくい・汚れがつきにくく取れやすいといった特徴があります。
初期費用がかさんだとしても、ランニングコストが抑えられることや、いつもキレイな状態を保てることを考えると、コスパがいいと言えるでしょう。
さらにタイル張りの建物は、重厚感がありおしゃれで高級な印象です。
おしゃれでコスパのいい外壁タイルは、家の顔である外観の印象を高めてくれることでしょう。
RC造のメリット
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次にRC造のメリットをお伝えしていきます。
- 気密性が高い
- 遮音性・防音性が高い
- 耐震性が高い
- 耐火性が高い
- 耐用年数が長い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
気密性が高い
コンクリートは熱を伝えやすい特徴がありますが、気密性を高めるメリットもあるので、結果外気の影響を受けにくくなります。
RC造の構造上、建物にすき間ができにくいからです。
そのため外気の出入りがなく、室内環境が整いやすくなります。
気密性を活かして室内環境を整えるためには、しっかりと断熱材を利用することをおすすめします。
また気密性が高まると湿度が上がりやすくなるので、換気システムをしっかりと稼働させていきましょう。
遮音性が高い
RC造の建物はコンクリートを流し込んでつくられるので、気密性が高いことを先述いたしました。
また壁の厚さも他の構造と比較すると厚い特徴があります。
建物にすき間がないことと、壁が厚いことから遮音性が高いと言えます。
耐震性が高い
コンクリートは圧縮される力に対して強く、鉄筋は引っ張られる力に強い特徴があります。
この全く違う2種類の力が合わさることで、横に曲がる力にも強くなります。
そのためさまざまな方向から負担がかかる地震に対しても、耐えれる力が高いと言えるでしょう。
耐火性が高い
コンクリートは不燃材なので、建物の耐火性が高いと言えます。
また耐火性の高い建物は、火災保険の掛け金が低いというメリットにも繋がります。
耐用年数が長い
RC造住宅の耐用年数は47年です。
因みに重量鉄骨が34年、軽量鉄骨が27年、木造が22年と定められています。
耐用年数とは建物の減価償却に使われる税制上の数字で、実際に快適な生活が送れる年数は長いと言われています。
まとめ
今回はRC造のデメリットを深堀して、対策方法をご紹介しました。
RC造は工期が長いので現場費用がかさみ、重量があるので地盤強化費用がかかる理由から、建築費用は高くなります。
RC造を取り入れる理由によりますが、工期が短く軽量で建築コストが低い木造と混合にすることでデメリットを軽減することが可能です。
またコンクリートは水分を吸収しやすいので苔やカビが生えやすく表面が汚れやすい特徴があるので、定期的な塗り替えが必要になりメンテナンス費用がかかります。
多階層であれば足場も建物の高さまで組む必要があるので、費用も大幅に膨らむでしょう。
対策方法としては、外壁タイルを利用することをおすすめします。
メンテナンス費用がほとんどかかりませんし、いつもキレイな状態を保つことが可能です。
RC造のデメリットを可能な限り対策して、魅力を活かした家づくりをしていきましょう。