【耐火構造】木造の耐火住宅にする5つのメリット│準耐火構造と防火構造の違いも解説
建築する地域や家の規模、利用目的によっては家の耐火性を高める必要があります。
これは建築基準で定められたことでもあり、大切な家族を守るためでもあります。
耐火性と聞くと、不燃性である鉄筋やコンクリートを思い浮かべますが、木造で耐火基準をクリアすることも可能です。
では鉄筋コンクリート造や鉄骨ではなく、木造にするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
こちらの記事では、そんな木造耐火住宅のメリットを詳しくお伝えしていきます。
耐火構造の特徴も深掘りしていくので、ぜひ新築計画にお役立てください。
- point -
- 耐火構造の特徴を知るために、その他の構造との違いをまとめてお伝えします。
- 木造で耐火住宅をつくるメリット確認して、新築計画の選択を広げていきましょう。
− contents −
◼ 耐火構造とは?準耐火構造と防火構造の違いも解説
◼ 耐火構造の住宅を木造で建てるメリット
◼ 耐火構造の木造住宅│事例をご紹介
◼ まとめ
▶都内都内トップクラスの施工実績|クレバリーホームの木造耐火住宅
耐火構造とは?準耐火構造と防火構造の違いも解説
耐火構造・準耐火構造・防火構造の全ては、火災にどれだけ耐えられるかを示した構造の種類です。
3つの構造の中で最も火災に対する性能の高いのが「耐火構造」次いで「準耐火構造」「防火構造」と並びます。
この性能の高さは建築基準法において、各部位(間仕切りや外壁、屋根や階段など)のそれぞれが、火災に耐えることができる時間の長さなどが定めてあります。
- 耐火構造の性能・・・火災に対する性能が1時間~3時間ある(火災後も倒壊などの損傷が起こらない構造)
- 準耐火構造の性能・・・火災に対する性能が45分~1時間ある(火災後の損傷などは許容内)
- 防火構造の性能・・・火災に対する性能が30分間ある(周辺の火災からの炎症を防ぐための構造)
構造方法に関しては国土交通省に定めているものか、認定を受けたものである必要があります。
またこのような火災に対する性能の必要性は、建物の規模や建てる地域によって決められています。
- 建物の階層や延べ床面積
- 病院や映画館などの用途
- 建物の密集地(都市計画法で指定)
建物の火災に関する対策を整えることで、そこに住む人や利用する人達の安全を守ることができます。
耐火構造の住宅を木造で建てるメリット
2000年に改正された建築基準法によって、耐火住宅が木造で建てられるようになりました。
耐火建築物としてはこれまで鉄筋コンクリート造や鉄骨造がメインでしたが、同じ基準をクリアした木造住宅ならではの魅力が豊富にあります。
- 工期が短い
- 建築費用を抑えられる
- 狭小地に建てやすい
- 火災保険が安い
- 気密性と防音性が高まる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工期が短い
木造住宅は鉄筋コンクリート造と比較すると、工期が短く済みます。
木造住宅は材料となる木材を、工場でカットしたものが現場に運ばれ、組み立てる流れが主流なので以前にもまして後期の短縮が進んでいます。
一方で鉄筋コンクリート造は工期が長くなりがちです。
鉄筋コンクリート造は芯となる鉄筋のまわりに壁をつくり、その中にコンクリートを流し入れて壁などがつくられます。
現場での手数が複雑な上にコンクリートが固まる時間が必要であったり、天候に左右されやすいので他の構造と比較すると工期が長くかかります。
建築費用を抑えられる
木造住宅は鉄筋コンクリート造や鉄骨造よりも、建築費用を大幅に抑えることができます。
- 木造は材料費が安く済む
- 材料が軽いことから、基礎や地盤の強化に費用が掛からない
- 工期が短縮できるので、人件費を抑えることができる
耐火住宅にする必要がある、都心部の駅周辺や商業地域は地価が高いので、建物の建築費用を抑えられるのはおおきなメリットと言えるでしょう。
狭小地に建てやすい
木造耐火住宅は鉄骨などと比較すると軽量なので、クレーンなどの大掛かりな工事を最小限にすることが可能です。
そのため通りが狭い旗振り地や狭小地でも、建築がしやすくなります。
また狭小地に建てられる家は、コンパクトな敷地を有効利用して3階建てや4階建てにする家づくりが人気です。
耐火性を上げると家の強度も増すことができるので、丈夫で安定した家になるでしょう。
火災保険が安い
木造耐火住宅は、火災保険料が安くなる傾向にあります。
火災の発生や燃え広がりを防ぐ構造に仕上がっている耐火住宅は、保険の保証内容に直結するからです。
火災保険料はさまざまな項目から支払う保険料が算出されますが、耐火性能のある住宅は、火災保険料の掛け金が安く済む評価に十分値するでしょう。
気密性と防音性が高まる
耐火性を高めるための施工をすると、同時に気密性を上げることができます。
壁に貼られる石膏ボードや、防火サッシがすき間を埋めるからです。
気密性の高い家は換気システムが効率的に稼働するので、室内環境が快適に整い暮らしやすくなるでしょう。
さらに気密性が高くなると、同時に防音性も高まります。
すき間のない家は音の出入りがしにくいので、家の中からの音や外からの音に悩まされることがありません。
また耐火住宅は室内の仕切り壁や床にも防火対策をするので、フロアや部屋ごとの生活音も響きにくくなります。
生活時間がずれがちな二世帯住宅の、音問題の解消にも繋げることができるでしょう。
▶都内都内トップクラスの施工実績|クレバリーホームの木造耐火住宅
耐火構造の木造住宅│事例をご紹介
防火地域内に建てられた、木造耐火住宅の事例を見ていきましょう。
【もくよん】防火地域内の木造4階建て
台東区C様邸
敷地面積 約33㎡
延床面積 約79㎡
防火地域内に建てられた4階建ての住宅は、総タイル張りの上品な外観が印象的です。
狭小地などで外観のメンテナンスを行うのは、建築工事同様に簡単ではありませんが、メンテナンスフリーのタイルを利用すれば、手間なくいつでもキレイな状態が保てます。
また生活スペースを4階まで広げたうえに、お子さんの遊び場としてロフトがつくられています。
お子さんの遊び場を仕切ると、道具やおもちゃの片付けが途中であっても生活の負担になりません。
さらにお子さんの成長と共に、ロフトを学習スペース・書斎・収納など利用目的を変えることも可能です。
床スペースに限りがあっても、空間を有効利用することでさらに生活に豊かさが広がっています。
【木造耐火の家】間口が狭くて奥行きがある縦長敷地に狭小3階建て
文京区 T様邸
敷地面積:57.30㎡(17.33坪)
延床面積:113.57㎡(34.35坪)
縦に2台分のビルトインガレージをつくれる程、細く奥行きのある木造耐火住宅です。
敷地面積17坪とは思えない開放感たっぷりのリビングには、大きなフィックスが設けられています。
リビングの天井は梁を見せた吹き抜けがあり、対面キッチンに作られた腰壁にはアクセントウォールがデザインされています。
キッチンの正面につくられた階段は、壁を格子にすることで圧迫感を軽減しています。
さらに階段側の壁から自然光を採り入れることもできているので、窓のないキッチン側も明るい空間に仕上がっています。
まとめ
木造でも耐火基準をクリアすることができるので、防火地域にも木造の家を建てることができます。
今回は木造耐火住宅のメリットを5つご紹介して、その魅力をお伝えしました。
- 工期が短い
- 建築費用を抑えられる
- 狭小地に建てやすい
- 火災保険が安い
- 気密性と防音性が高まる
さらに木造の家には暖かみがあり、気持ちが落ち着く雰囲気があります。
木造耐火住宅で、理想の家づくりをしていきましょう。