鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造の家づくり│防音性の違いを解説
家の中でゆっくりと読書をしていると窓の外を電車が通る、また大きなボリュームで音楽を聴きたいけど近所迷惑にならないか不安。
生活をしているとこのような音問題に触れることが多くあります。
家の中での生活に制限をかけなくてはいけなかったり、外からの音に気持ちが安らがないのであれば、毎日の暮らしの中でストレスをため込むことになるでしょう。
そうならないためには防音性の高い家づくりをして、音問題を解決していく必要があります。
まずは家の構造ごとの特徴や防音性を確認して、理想の家づくりができるのか検討していきましょう。
こちらの記事では鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造を比較しながらお伝えするので、ぜひ新築計画にお役だてください。
- point -
- 建物の構造(鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造)ごとの特徴から、どのような家づくりができるのかまとめてご紹介します。
- 鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造、それぞれの防音性をお伝えします。
− contents −
◼ 鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造の特徴をご紹介
◼ 鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造│防音性の違いを解説
◼ 建物の防音性を上げる方法
◼ まとめ
鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造の特徴をご紹介
まずは鉄筋コンクリート造と鉄骨造、木造の特徴を確認していきましょう。
1つの建物に対し1つの構造に絞るのではなく、組み合わせることも可能です。
それぞれの特徴や魅力を活かすことで、目的にあった建物に仕上げることができるでしょう。
鉄筋コンクリート造の特徴
鉄筋コンクリート造とは「RC造」とも呼ばれ、コンクリートでできた壁の中に鉄の棒をはめた構造のことです。
鉄の棒のまわりに壁を作り、その中に流し込んだコンクリートを固めてつくるので、手間がかかり工期は長くなります。
特徴としては押しつぶされる力に強いコンクリートと、横揺れやひっぱりに強い鉄の芯が組み合わさっているので強度の高さがあげられます。
さらにデザインの自由度が高いのも魅力と言えるでしょう。
- 曲線などもデザインしやすい
- 外壁や内装にコンクリートの打ちっぱなしをそのまま利用する
- 広い空間をつくることができる
鉄骨造の特徴
鉄骨造とは「S造」とも呼ばれ、骨組みが鉄骨でつくられている建物のことです。
鉄骨造は木造よりも強度が高いので、間口の広いビルトインガレージや倉庫、ダンスフロアなどをつくるのに利用されます。
さらに鉄骨造は骨組みに利用される銅の厚みによって、軽量鉄骨造(銅の厚みが6㎜未満)と重量鉄骨造(銅の厚みが6㎜以上)にわけられます。
銅の厚いほど強度が増すので、さらに広い空間や多層階住宅の建築に最適です。
建築に利用される鉄骨は工場でつくられ現場で組み立てられるので、品質が安定しやすく工期が短い特徴があります。
強度の強い家づくりを低コストで叶えるには、鉄骨造を利用するのがおすすめです。
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木造の特徴
木造とは木材でつくられた建物のことで、一般住宅の建築様式として一番馴染みの深い構造です。
木でつくられた自然味のある暖かい雰囲気や、時間の経過とともに変化を続ける木の表情に味わい深さを感じます。
湿度や気温によって木材が順応するので、四季のある日本の風土に適していると言えるでしょう。
また木造の特徴として、鉄筋や鉄骨と比較すると建築費用が安いことがあげられます。
材料が軽いので建物を支える基礎工事や地盤強化などに費用がかからず、材料の加工に手間がかからないからです。
建物の強度は高くありませんが、一般住宅の範囲であれば十分に対応することができます。
密度の高い木材は耐火性があり、しなることができるので耐震性もあります。
シロアリの被害にあう可能性があるので、定期的に検査と対策を立てておきましょう。
関連記事:木造の3階建て住宅を建てる前に知っておきたいこと【事例あり】
鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造│防音性の違いを解説
建物の構造の違いからさまざまな特徴があることをお伝えしました。
さらに防音性に対しても深堀していきましょう。
鉄筋コンクリート造の防音性
鉄筋コンクリート造は、先述したようにコンクリートを流し込んだ壁でつくられているので、建物にすき間ができにくく気密性を高めることができます。
気密性の高い建物は遮音性も高くなるので、防音性に優れているといえるでしょう。
防音性の高い家づくりを希望する場合は、鉄筋コンクリート造がおすすめです。
鉄骨造の防音性
鉄骨造の防音性は、あまり高いとはいえません。
鉄筋コンクリート造と比較すると音が伝わりやすく、木造と比較すると多少の遮音性がある程度です。
防音性の高さは壁の厚みも関係してくるので、鉄骨の太い重量鉄骨の方が軽量鉄骨と比較すると防音性が高い、又は高めやすいといえるでしょう。
外壁に防音性を高める方法については、後ほどお伝えするので是非お役立てください。
木造の防音性
木造の防音性は、鉄骨造と同様にあまり高くありません。
構造上すき間が空きがちなので、気密性を高めることが難しいからです。
建物の防音性を上げる方法
防音性に期待がもてない構造でも、防音性を高める方法はあります。
新築計画に取り入れて、音問題のストレスがない家づくりをしていきましょう。
遮音性のあるサッシを取り付ける
窓は壁よりも音の振動を伝えやすいので、二重サッシや遮音機能のあるサッシを取り付けて、防音性を高めていきましょう。
窓を小さくしたり、数を減らしたりするのも防音性を高めるコツではありますが、暗く閉鎖的な空間になってしまうのでおすすめはできません。
機能性のある窓を利用して、明るく開放的な家づくりをしていきましょう。
外壁の気密性と断熱性を高める
本来外壁の気密性を高めることは換気システムを効率的に稼働させるため、断熱性を高めることは室内の空調が外気の影響をうけにくくするためですが、同時に防音性が高まる効果が期待できます。
壁の気密性を高めると音がはじかれて通り抜けできなくなり、断熱材をしっかり入れると音の吸収がよくなるからです。
家の中からの音がもれにくく、また外からの音がはいってきにくくなるでしょう。
関連記事:高気密高断熱の家│メリット・デメリットから分かる快適な家への必要性
防音扉を取り付ける
防音扉を取り付けることで、建物の防音性を高めることができます。
通常の扉よりもゴムパッキンが多く使われているので、扉と枠の間にすき間が空きにくくなるからです。
また通常の扉を利用する場合は、引き戸よりも開き戸を利用することをおすすめします。
開き戸は引き戸よりも気密性が上がるので、多少の防音効果を得ることができるでしょう。
まとめ
生活を快適に送るには、音へのストレスを溜めない家づくりが大切です。
小さなお子さんに静かにしてもらうのは難しいですし、毎日声かけするのも疲れてしまいます。
またお隣の窓から漏れてくる楽器の練習音が気になって、仕事がはかどらないこともあるでしょう。
今回は鉄筋コンクリート造・鉄骨造・木造の特徴や防音性の違いなどをご紹介しました。
防音性の高さでは、気密性の高い鉄筋コンクリートが優秀と言えます。
しかし防音性の低い構造であっても、壁や窓、扉などを対策することで音問題を軽減することが可能です。
防音性を高めた家づくりで、快適な生活環境を整えていきましょう。