【新築】防音室を自宅につくる方法│地下室の利用をおすすめる2つの理由とは
「自宅に静かな環境をつくりたい」「室内の音を外に漏らさないようにしたい」新築計画にこのような希望があるのであれば、防音室を設けることをおすすめします。
自宅に防音室をつくるにはさまざまな方法があるので、用途に合わせた防音性能などをしっかりと検討する必要があります。
- 通常の部屋に防音設備を整える
- ユニットタイプのコンパクトな防音室を部屋に設置する
- 専用のボードやフェルト、マットなどを利用してdiyする
さらに自宅に防音室を設ける方法として、地下室をつくるのも有効です。
地下室は土の圧力に耐えられるようにコンクリートでつくられることと、その周りを土で囲っていることから、防音性が高いという特徴があります。
コンクリートでできた壁や床にはすき間がないので、外部の音を内部に、また内部の音を外部につたわりにくくなります。
さらに地下室の周りは土で覆われているので、振動が伝わりにくく防音性を高めることが可能です。
こちらの記事では地下室を防音室として利用する魅力や、防音性能を高めるポイントなどをお伝えするので、ぜひ新築計画にお役立てください。
防音性能のある空間をプラスした、理想の家づくりをしていきましょう。
- point -
- 自宅に防音室をつくる方法はさまざまあります。その中から地下室を防音室として利用する魅力をお伝えします。
- 地下室は防音性があるという特徴が十分にありますが、さらに防音性を高めるポイントをご紹介するので用途に合わせた設計を整えていきましょう。
- 地下室の事例も一緒にまとめていくので、地下室のある暮らしをイメージしていきましょう。
− contents −
◼ 【新築】自宅に防音室が欲しいなら地下室の利用がおすすめ
◼ 地下室の防音性を高めるポイント
◼ まとめ
自宅に防音室が欲しいなら地下室の利用がおすすめ
施工事例:工夫いっぱいの地下室とビルトインガレージ付き住宅 敷地16.09坪|延床31.1坪
新築の自宅に地下室をつくれば、防音室として利用することができます。
地上の一部屋を防音室にしたり、ユニットタイプの防音室を設置することとの違いをご覧ください。
地下室なら広い防音室を設けることができる
地下室は最大で、建物の面積分の広さをつくることができます。
広い防音室を設けることができるのでダンスフロアやシアタールルーム、仲間で楽しむカラオケなどの利用に最適です。
ユニットタイプの防音室は基本的にコンパクトなつくりになっているので、数人で楽しむためのスペースには向いていません。
また地上に防音室を設ける場合は、部屋の中にもう一つの部屋を設けるようにつくられるのでスペースが狭くなる上、かなりの重量になります。
この重量は防音性を高めるためでもあるので、性能が高いほど重くなります。
どこまでの防音性を求めるかは用途によって異なりますが、重さのある機材や楽器、集まる人の重さを考慮するとかなりの重量になるでしょう。
一般的な設計でつくられる住宅は、床の面積1㎡あたり約180㎏の積載荷重に耐えられるつくりにすることが建築基準法で定めてあるので、防音室の内容によっては設置可能です。
しかし性能を高めたり広さを求めたりすると、防音室の重さが建物の負担になるかもしれません。
地下室であれば重さを気にすることや部屋の中に部屋をつくる必要がないので、広々と開放的な防音室を設けることが可能となります。
地下室を防音室として利用すれば生活スペースが確保できる
施工事例:【地下室と半地下でビルトインガレージ】敷地16.15坪|延床37.25坪
地上に防音室をつくったりユニットタイプの防音室を設置したりすると生活スペースが削られますが、地下室を防音室として利用すると生活スペースに負担をかけません。
地下なら建築基準法で定められた制限の範囲で、生活スペースを広げることができるからです。
生活スペースをしっかりと確保しながら地上に防音室を設けようとすると、床面積が広く必要になるので3階建てや4階建てにしがちです。
しかし地域によっては建物の高さに制限があり、さらに床面積の広さも敷地面積との割合(容積率)に制限があります。
防音室をつくる用途の優先順位が低いのであれば、生活スペースに押されて狭いスペースになるか、あるいは諦めざるを得ないかもしれません。
地下室は延べ床面積の1/3までであれば容積率の制限対象になりませんし、もちろん高さ制限には関与しないので、地上の延べ床面積が上限に達していても地下室をつくることが可能です。
地上の生活スペースを確保したまま、広い地下室を設けることができるので、理想の間取りを整えやすくなるでしょう。
関連記事:【注文住宅】費用は?注意点は?地下室を造る前に知りたい4つのポイント
地下室の防音性を高めるポイント
地下室はコンクリートと土で覆われたスペースなので防音性があることを先述しましたが、さらに防音性を高めるポイントをお伝えします。
用途にあわせた防音室に整えていきましょう。
全地下にする
地下室は地面に全て埋まった状態の「全地下」や、半分埋まった「半地下」などがあります。
土に埋まっている部分が多い方が、音が響きにくく音の吸収性もあるので、半地下よりも全地下の方が防音性が高いと言えます。
ドライエリアや窓は設けない
地下室の周りを空堀すること(ドライエリア)で、採光や換気、外との出入りができるようになりますが、一部コンクリートではなく掃き出し窓になることから防音性が低くなってしまいます。
地下室は建築基準法で、換気できる設備を整えることが定めてあるので、防音性を高めるには窓やドライエリアではなく換気設備で対応していきましょう。
もちろん遮音性の高い窓ガラスもあるので、地下の用途にあわせて取り入れることも可能です。
吹き抜けはつくらない
施工事例:【木造5層住宅を実現】敷地24.22坪|延床57.48坪 木造吹抜け付きの地下室、1〜3階、屋上の5層住宅
地下室の採光や空間のデザインのために、吹き抜けを作ることもできますが、防音設備が整っていない上階に音が漏れてしまうので防音性は低くなります。
防音性を高めるには吹き抜けはつくらず、気密性の高い空間を目指していきましょう。
防音ドアを取り付ける
地下室の入り口には防音ドアを取り付けて、防音性を高めていきましょう。
通常のドアにはすき間があるので、音を漏らしてしまうからです。
関連記事:家に地下室が欲しい│デメリット対策をして快適な空間に仕上げる方法
まとめ
施工事例:【半地下活用賃貸住宅】敷地21.27坪|延床58.69坪
自宅に防音室をつくる方法はいくつかありますが、今回は地下室を利用する方法について深堀しました。
地下室は建物の面積分つくれるので、広い防音室にすることができます。
また防音室を地下につくることで、地上の生活スペースに負担をかけません。
地下室はコンクリートと土で覆われているので十分な防音性があります。
防音室の利用目的によって防音性を高めたい場合は、次のポイントを設計に取り入れることをおすすめします。
- 部屋全体を土で覆うために、全地下にする
- 防音性が弱いガラス窓ををつくらずにコンクリートのみで囲む
- 上階に音が漏れやすくなるので、吹き抜けはつくらない
- ドアのすき間から音が通らないように、防音性のあるドアを取り付ける
防音室の用途にあわせて快適な空間に仕上げていきましょう。