「間口」の意味とは?幅が狭い土地に暮らしやすい間取りを作る方法
土地探しをしていると「狭小地や変形地、間口が狭い土地」などの用語を聞くと思います。
狭小地は狭い土地、変形地は四角形以外の形状の土地のことです。
では、間口が狭い土地とはどのような意味でしょうか。
意味やメリット・デメリットを知らずに間口が狭い土地を購入すると後悔するかもしれません。
今回は間口の意味を解説し、間口が狭い土地に暮らしやすい家を建てる方法を解説します。
- point -
- 間口とは道路に面する土地や建物の幅のことです。
- 間口が狭い土地には様々なデメリットがあるため、建築時に注意が必要です。
- 間取りを工夫して、間口が狭い土地に居心地の良いマイホームを建てましょう。
− contents −
◼ 土地における「間口」の意味とは?
◼ 間口が狭い土地に家を建てるメリット
◼ 間口が狭い土地に家を建てるデメリット
◼ 【実例】間口が狭い土地に建てた暮らしやすい間取り
◼ 間口が狭い土地は駐車場や外構の計画も念入りに
◼ まとめ
土地における「間口」の意味とは?
不動産・建築業界で使われる「間口」という言葉は、次のような意味を持ちます。
間口:道路に面する土地や建物の幅のこと
つまり、前面道路に土地が7m接していたら「間口が7mの土地」です。
道路に面する建物の幅が5mなら「間口が5mの建物」です。
長手方向の長さではなく、道路に面している部分の長さと覚えておくと良いでしょう。
間口が狭い土地は、次の2つに分類できます。
・間口が狭い長方形の土地
・入り口だけ間口が狭い旗竿地
それぞれの違いを確認しましょう。
間口が狭い長方形の土地
間口が狭い長方形は、奥行きがあれば建物を建築できるため、住宅用の土地として販売されていることも多いです。
きれいな長方形なら、間口が狭い土地の中でも比較的設計がしやすいです。
逆に間口が10mあっても、奥へ進むにつれてだんだん細くなっている土地は、設計が難しいケースが多いでしょう。
間口が狭い土地に建った細長い建物のことを「うなぎの寝床」と呼びます。
うなぎのような細長い形をした部屋であることや、ウナギは細い隙間を好んで寝ることなどが語源と言われています。
入り口だけ間口が狭い旗竿地
土地の一部だけ間口が狭い土地は、旗竿地(はたざおち)と呼ばれます。
その名の通り、土地が旗のような形状をしている点が特徴的です。
道路に面した敷地が細く、細い敷地を抜けると家が建築できるくらいの広さの土地が広がっています。
旗竿地は面積が広ければ、比較的住宅を建築しやすいです。
ただし、4方を住宅に囲まれている場合は、圧迫感や日当たりの悪さが気になる可能性があります。
敷地への入り口が狭いため、駐車がしにくい点もデメリットです。
間口が狭い土地に家を建てるメリット
間口が狭い土地に家を建てるメリットは次の3つです。
メリット① 土地を低価格で購入できる可能性が高い
間口が狭い土地は建物が建てにくいため人気がありません。
そのため、相場よりも坪単価が低く設定されているケースも多いです。
エリアなどの譲れない条件があるなら、間口が狭い土地を選択肢に入れても良いでしょう。
メリット② 道路に接している面が少ないためプライバシーが守られやすい
間口が狭い土地は道路に接している面が少ないため、外からの目線が気になりにくいです。
敷地の奥の方の空間は通行人からは見えません。
ただし、隣家との距離は近くなるケースがほとんどなので対策は必要です。
メリット③ 交通量が多くても音が気になりにくい
間口が狭い土地は、車の走行音なども軽減できます。
道路に面している窓は限られるため、音が室内に伝わりにくいからです。
交通量が多くて利便性の高いエリアを希望しているなら、間口が狭い土地が穴場かもしれません。
間口が狭い土地に家を建てるデメリット
間口が狭い土地に家を建てるデメリットを紹介します。
デメリット① 間取り作りが難しい
間口が狭い土地の最大のデメリットは、間取り作りが難しいことです。
細長い建物を建てなければならないため、窮屈で暮らしにくい家になってしまうことも少なくありません。
間口が狭い土地の施工実績が豊富な住宅会社に、設計をお願いすることをおすすめします。
デメリット② 隣家との距離が近い
隣家との距離が近いため、圧迫感や目線が気になることもあります。
間取りを考えるときに周辺の状況を確認して、窓の位置をずらすなどの工夫が必要です。
デメリット③ 採光や採風が確保しにくい
隣家がすぐ近くに建っていると、日当たりや風通しが悪くなる点もデメリットです。
吹き抜けや天窓などを付けて光を取り込み、換気計画を行って家の空気が循環するようにしましょう。
デメリット④ 並列駐車ができない土地もある
2台以上の車を保有している場合、並列駐車が不可能な土地もあります。
車の使用頻度が少ないなら、駐車スペースは作らずに駐車場を借りることを検討しても良いかもしれません。
デメリット⑤ 建築費用が割高になることもある
間口が狭い土地を選んだ結果、2階建てが3階建てになってしまうというケースもあります。
同じ面積だとしても、3階建てにすることで建築費用が上がることは多いです。
また、敷地が狭くて重機が入らないと、特殊な工事が必要になることもありますので予算取りには注意しましょう。
【実例】間口が狭い土地に建てた暮らしやすい間取り
間口が狭い土地に建てた家の実例を元に、間取りの工夫を解説します。
実例① 間口3m65cmの土地に建てた狭小住宅
間口3m65cmの土地に、間口2m62cmの建物を建てた事例です。
幅が狭い建物ですが、窓の配置などを工夫して外観デザインにもこだわりました。
玄関ドアは引き戸、ポストは外壁に施工し、建物を敷地ギリギリまで広げました。
玄関を抜けると広々としたウォークインクローゼットがあります。
扉で仕切っていないため、省スペースですが開放的な空間です。
間口が狭い建物でも、二の字型のキッチンを選ぶことで奥様の希望である対面キッチンが採用できました。
コンロ・シンクにそれぞれ広々とした調理台がついていて、使い勝手も抜群です。
外からの目線が気になりにくい3階の和室は、2面に大きな窓を施工。
明るく落ち着ける空間に仕上げました。
間口の狭さを感じさせない、ゆったりと暮らせる3階建て住宅です。
実例② 駐車場と大きなキッチンを取り入れた間口が狭い家
間口の狭さを感じさせない、おしゃれな外観のモダン住宅です。
玄関ドアを奥まった位置に配置し、手前に1台分の駐車スペースを作りました。
オープンタイプのガレージなので圧迫感もなく、雨の日の乗り降りも楽々です。
LDKは間口に合わせて細長い形状に。
大きな窓や折り上げ天井を組み合わせたリビングは、畳数以上に広く感じます。
間口が狭い建物では採用しにくい幅広のキッチン。
一直線LDKに対して、キッチンを横向きに配置することで間取りに取り入れることができました。
キッチンの両側から出入りができるアイランド型を採用し、細長い建物に合った動線を確保しています。
キッチン前は、木製の格子とスケルトン階段で開放的な空間に。
間口が狭い建物のデメリットになる圧迫感を無くすための工夫です。
洋室には大きなロフトや天窓を取り入れました。
建物のスペースを無駄なく使い、開放感を出すための工夫を盛り込んだこだわりの3階建て住宅です。
実例③ 店舗併用の二世帯住宅を間口が狭い土地で実現
1階は店舗、2階は施主様ご家族、3階はお母様が住むために建てた店舗併用二世帯住宅です。
1階の店舗は外観にもこだわりました。
塗り壁や木製の外壁が印象的な、温かな雰囲気のお店です。
入り口にはスロープを採用し、幅広い年代の人でも利用しやすいよう工夫しました。
店内は4人掛けのテーブル席や、2人掛けのカウンターなどバリエーション豊かな席が用意されています。
他のお客様と程よい距離が保てるため、落ち着いて食事が楽しめる空間です。
カウンター席は厨房よりも床の高さを上げています。
「お客様と近い目線で接したい」という考えを持つ施主様のこだわりポイントです。
席の後ろは十分なスペースが確保できているため、店の出入りもゆったりと行えます。
間口が狭い建物を最大限に活かし、お客様のことを考え抜いた店舗に仕上がりました。
間口が狭い土地は駐車場や外構の計画も念入りに
間口が狭い土地は、建物だけでなく駐車場や外構の計画も念入りに行いましょう。
駐車スペースが必要な場合、敷地を最大限に活かしたオープンガレージがおすすめです。
ガレージの上に居住空間を配置できるため、床面積を増やすことができます。
車を買い替えることを想定して、ガレージの広さを考えましょう。
敷地ギリギリに建物を建てるなら、外構もシンプルにしなければなりません。
こちらの事例では、建物の形状をくぼませて玄関ポーチを施工し、自転車やバイクを置ける空間をつくりました。
また、門柱を無くしてインターホンやポストは外壁に取り付け、敷地を無駄なく使っています。
建物の面積を確保するために、駐車スペースや外構も細部までこだわりましょう。
まとめ
間口が狭い土地は、否定的なイメージを持たれることが多いです。
しかし、建物の形状や間取りを工夫すれば、間口が狭くても暮らしやすい家を建てることはできます。
施工実績が多い住宅会社に設計を依頼し、デメリットを感じさせないような家を建てましょう。
クレバリーホーム城東店でも、間口が狭い建物の設計・建築を数多く行っています。
ぜひお気軽にご相談くださいね。
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