寝室は窓選びが大切|位置・大きさなどの失敗談から対策を考える​

寝室は窓選びが大切

1日の疲れを取り払ってくれる「癒し」の空間である寝室。

ぐっすり眠れる快適な部屋に仕上げたいですよね。

寝室は広さやデザインにこだわる方が多いですが、実は窓選びが非常に大切です。

採用する窓によっては、居心地の悪い寝室になることも少なくありません。

 

今回は寝室の窓の失敗例と対策をお伝えします。

LDKと同様に、寝室も窓選びにこだわってマイホームを設計しましょう。

 


- point -

  • ゆっくり休める寝室にするためには窓選びが大切です。
  • 寝室の窓の失敗例を元に対策を考えてみましょう。

 

− contents −

◼ 寝室の窓選びはなぜ大切なのか​
◼ 寝室の窓選びの失敗談と対策​
◼ 寝室の窓の選び方のコツ【実例あり】​
◼ まとめ​

 

 

寝室の窓選びはなぜ大切なのか​

大きな窓がある寝室

▶施工事例:ルーフバルコニー付き住宅

寝室は、身体を休める空間です。

活発的に活動する部屋ではないため、寝室の窓はLDKなどと異なる要素が求められます。

 

まず、明るさはあまり求められません。

昼間に寝室で作業をする場合は明るい方が良いですが、夜に寝るだけの空間なら明るくなくても良いですよね。

寝室に大きな窓やたくさんの窓をつけてしまうと、眩しかったり明るすぎると感じることがあります。

 

また、窓の位置や大きさによっては、寒い・暑いと感じかもしれません。

目線や音が気になるという方もいるでしょう。

 

さまざま要素を踏まえると、寝室の窓選びは以下のことを意識する必要があります。

 

・光を取り込む量を考えて窓の大きさを選ぶ
・外気の影響を受けにくい窓の位置を考える
・目線や音に配慮して窓の性能を選ぶ

 

寝室の配置や大きさ、ベッドに合った窓を選びましょう。

 

寝室の窓選びの失敗談と対策​

ホテルのベッドルーム

▶施工事例:5階建て全7室のレジデンシャルホテル

寝室の窓選びに関する失敗談を元に対策を考えます。

 

失敗談① 道路沿いに大きな窓をつけたら騒音が気になった​

道路沿いに寝室を配置し、大きな窓をつけたら騒音が気になったという失敗談です。

敷地に接する道路の交通量が多い場合、車の走音が気になることがあります。

夜間まで営業しているお店が近くにあると、人の話し声が不快に感じることもあるでしょう。

音の問題は住んでみないとわかりにくい部分なので、注意が必要です。

 

【対策】

対策は以下の4つです。

・設計前に夜の敷地を見に行き交通量や音を確認する
・道路側に寝室を配置しない
・すべり出し窓やFIX窓などの気密性の高い窓を選ぶ
・防音性の高い窓を施工する

 

昼間に土地を見に行く方は多くても、夜間の状態を確認できている方は少ないですよね。

事前に敷地を見て状況を確認し、道路環境に合わせて寝室の位置を決めましょう。

また、窓の大きさ以外にも種類や性能を検討することも大切です。

 

失敗談② 東側に大きな窓をつけたら朝眩しい​

東側に大きな窓をつけたら朝眩しく、起床時間より早く目が覚めてしまうという失敗談です。

夏場は日の出の時間が特に早いため、5時前に朝日が差し込むこともあるでしょう。

早起きの場合は気持ちよく目覚めますが、ゆっくり寝たいときは日差しが不快に感じてしまいます。

 

【対策】

対策は以下の4つです。

・生活スタイルによって窓の方位を変える
・窓の位置をベッドからずらす
・遮光性の高いカーテンを選ぶ
・タイマー付きの電動シャッターを採用する

 

北や西面に窓を配置すれば、朝に強い光が差し込むことはありません。

窓が付ける方位を考えながら、寝室の間取りを考えてみてください。

東側に大きな窓をつけたい場合は、カーテンやシャッターの質を高めましょう。

タイマー付きの電動シャッターなら、起床時間に合わせて光を取り込むことができます。

 

失敗談③ ベッドのすぐ上に窓をつけたら寒かった​

寝室のデザイン性を考えて、ベッドのヘッドボードの上に窓を配置したら寒かったという失敗談です。

確かにベッドの幅に合わせて窓を配置すると、デザイン性の高い空間に仕上がります。

しかし、身体の近くに窓があると冬場に冷気が入り込み中々暖まりません。

寝室は居心地の良さを優先させて窓を選ぶことが大切です。

 

【対策】

対策は以下の3つです。

・ベッドから離れた位置に窓をつける
・高い位置に窓を配置する
・ベッドの両サイドに窓を配置する

 

可能であれば、ベッドのヘッドボード付近に窓は配置しないようにしましょう。

そこしか窓が施工できないなら、高さや位置を工夫して窓と身体の距離を離すことが大切です。

 

失敗談④ 西側に大きな窓をつけたら夏場の日差しで部屋が高温に​

西側に大きな窓をつけたら、寝室が暑くなりすぎて寝られなかったという失敗談です。

夏場の夕方の西日によって、夜になっても寝室が高温になっている経験をした方も多いでしょう。

毎晩フルパワーでエアコンを稼働させて部屋を冷やすのは、冷暖房効率が悪く高い電気代がかかります。

 

【対策】

対策は以下の3つです。

・西側にはできるだけ小さな窓をつける
・窓の断熱性能、カーテンの遮熱性能を高める

・早い時間にカーテンやシャッターを閉める

 

西側しか窓を配置できない場合は、縦長や横長の小さな窓を取り入れることをおすすめします。

また、窓やカーテンの性能を高め、熱を室内に取り込まない工夫をすることが大切です。

 

寝室の窓の選び方のコツ​【実例あり】

実例を元にして、寝室の窓選びのコツをまとめます。

 

コツ① 安眠を求めるなら小さな窓を高めに配置する​

小窓がある寝室

▶施工事例:スキップフロア+ロフトがある家

ゆっくり快適に寝たいなら、寝室の窓は小さくして高めの位置に付けましょう。

温度環境・日差し・音などの問題が気になりづらくなります。

 

ただし、寝室で作業をする場合は暗く感じる可能性があるため、エリアごとの照明計画が大切です。

上の画像は、ベッド付近には照明をつけずにカウンター周りの照明を増やした事例です。

寝るときも作業するときも快適に過ごせるように工夫しました。

 

コツ② ベッドの高さを考慮して窓の位置を決める​

窓が高い寝室

▶施工事例:総重量タイル貼りで高級かつスタイリッシュな家

ベッドのヘッドボード側の壁に窓を配置するなら、ベッドの高さに合わせて窓の位置を決めましょう。

上の画像は、高めのベッドを採用する予定の寝室の事例です。

天井付近の壁に窓を配置することで、日差しや冷気を取り込まない工夫をしています。

 

低めのベッドなら一般的な高さの窓でも問題ありません。

ローベッドの寝室

▶施工事例:10坪でガレージ付き、3階建、屋上ありの家 

こちらの寝室は書斎も兼用しているため、腰高の大きめな窓を3つ配置しました。

厚地と薄地のシェードを組み合わせ、寝室を使う時間によって光を取り込む量を調整できるようにしています。

 

コツ③ 位置や大きさだけでなく窓の性能やカーテンにもこだわる​

長いカーテン

▶施工事例:動物病院併用3階建て住宅

​寝室の窓選びは大きさや配置に目が行きがちです。

しかし、窓自体の断熱性やカーテンの種類を検討することも大切です。

 

上の画像は、大きな窓にカーテンを採用した寝室の事例です。

カーテンボックスや長めのカーテンを取り付けたため、窓とカーテンの隙間から光や熱が漏れにくくなっています。

遮熱性能の高いドレープカーテンを選べば、より効果が高まります。

 

下の画像は縦すべり窓にシェードを採用した事例です。

低い位置の窓

▶施工事例:屋上付き二世帯住宅

縦すべり窓は引違い窓と比べて気密性が高く、外の空気や音を室内に伝えにくいです。

さらに断熱性能を高めたいなら、トリプルガラスや樹脂サッシを検討しましょう。

 

また、シェードを採用するなら窓枠の外に施工する方法がおすすめです。

窓枠の内側にシェードを取り付けることもできますが、窓とシェードの間から光や熱が漏れてしまいます。

窓全体を覆えるように、シェードは枠上に施工しましょう。

 

窓の性能やカーテンにこだわり、快適な寝室を設計してくださいね。

 

まとめ​

快適な寝室を作るためには、窓選びがとても大切です。

位置や大きさを少し工夫するだけでも、格段に居心地の良さは変わります。

さらにこだわりたい方は、窓自体やカーテンの性能などの細部までこだわって選んでくださいね。

デザイン性だけでなく快適性まで考えて、居心地の良い寝室を作りましょう。

 

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クレバリーホーム城東店の新宿モデルハウスでは、上質さと居心地の良さにこだわって寝室を設計しました。

ベッドと窓の距離に関しても工夫があります。

外観は大きな窓を採用し、スタイリッシュなモダンなデザインです。

新宿展示場 Housing Stage

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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