回遊導線にすると便利な間取りをご紹介│メリット・デメリットまとめ
家の中でスムーズに動けないと、無駄な動きが増えて効率的に作業を進めることができないので、日々ストレスを感じてしまうでしょう。
床面積のコンパクトな狭小住宅であっても、頻繁に利用するスペースに回り道して行くしかないとなると、遠く感じてしまうかもしれません。
そのような家の動線を整えるのに便利なのが「回遊導線」です。
回遊導線を取り入れることで、生活がしやすく快適な間取りに整えることができます。
今回は回遊導線のメリット・デメリットをお伝えした上で、回遊導線を取り入れると便利な間取りをご紹介していきます。
家族みんなが動きやすい間取り計画のために、ぜひお役立てください。
- point -
- 回遊導線とはどのようなものなのか、メリット・デメリットにわけてご紹介します。
- 回遊導線を取り入れると便利になる間取りをまとめてお伝えするので、家族の生活に合うのか検討してみましょう。
− contents −
◼ 回遊導線とは
◼ 回遊導線にすると便利な間取りをご紹介
◼ まとめ
回遊導線とは
回遊導線とは、家の中で行き止まりがなく、グルグル動くことのできる動線をいいます。
回遊導線にするとアクセスするポイントを増やすことができるので、家の中でのムダな動きが減り、生活動線や家事動線が整いやすくなります。
- 生活動線・・・朝の身支度や帰ってきたときのルーティンなど、生活の動きを繋げた線のこと
- 家事動線・・・家事をするスペースを点として、その動きを繋げた線のこと
回遊導線の特徴をさらに理解するために、メリット・デメリットを確認していきましょう。
回遊導線のメリット
回遊導線のメリットは、各スペースにアクセスする動線がいくつかあるので、行きたいスペースまでスムーズにたどり着けることです。
- 朝の身支度などであわただしい時間帯も、家族の渋滞が起きない
- 家事の効率が上がるので、時短に繋がる
- お客様がリビングにいらっしゃるときには、別ルートでキッチンまで行ける
- 雨の日にはビルトインガレージから直接家に入れる
そのメリットを活かすためには、生活の動きに合わせて間取りを繋げることが必要です。
便利な間取りについては後ほど詳しくおつたえしていきます。
また回遊導線を取り入れることで、空間が繋がり開放的な印象になります。
回遊導線にして動きをよくするには、忙しい時間帯に扉を開けたままにしておける、引き戸を利用されることがほとんどです。
扉を開ける手間を省くことができますし、急に開けて扉の向こうの人にケガをさせることもありません。
引き戸を開いた状態にして、開放的な雰囲気も楽しんでいきましょう。
回遊導線のデメリット
回遊導線のデメリットは、1つのスペースに出入り口が2つできるので、壁が少なくなり収納棚などを設置しにくくなることです。
収納棚だけでなく、鏡や家電品、観葉植物など、人の行き来の妨げになるものをレイアウトするのが困難になるでしょう。
間取りを決める際には、家具や家電品などのレイアウトも同時に整えることが大切です。
また壁が少ないということは、建物の強度を弱める原因になり兼ねません。
専門科に相談して、耐震性・耐久性を確保できるのか、しっかりと確認しておきましょう。
脱衣室(洗面室)を回遊導線にする間取りも人気ですが、脱衣室を利用する際は2カ所に鍵をかける必要があります。
お子さんが女の子の場合は、落ち着かないと感じられるかもしれません。
鍵をかけることも大切ですが「お風呂に入るときは声をかける」などのルールを決めておくのもいいですね。
次に回遊導線はスペースの中を通って回遊するタイプと、廊下をつくって回遊するタイプがあります。
廊下をつくる場合は、その分の床面積が必要なので、他の間取りの負担になり兼ねません。
対策として収納スペースを兼用することをおすすめします。
例えば衣類を収納するウォークインクローゼットや食材やキッチンツールを収納するパントリーなどを、ウォークスルータイプにすれば、通路としても利用できます。
床面積の節約にもなりますし、壁いっぱいに稼働棚を設ければ大きな収納量を確保することが可能です。
回遊導線にすると便利な間取りをご紹介
回遊導線の特徴を理解した所で、具体的にどのような間取りに回遊導線が適しているのかご紹介します。
家族の生活と照らし合わせながらご覧ください。
土間収納とビルトインガレージを繋げる
玄関→土間収納→ガレージ→玄関と回遊できる間取りをご紹介します。
狭小住宅に駐車場をつくる場合、ビルトインガレージにすることがほとんどです。
そのビルトインガレージと玄関ホールを繋げて回遊できるようにすると、生活が便利に整います。
ガレージに車を駐車してシャッターを閉めた状態でも、土間収納を通じて玄関ホールに入ることができます。
シャッターを付けていなかったとしても、玄関に回り込む必要がないので動線が短く済みますし、雨が降っていても濡れません。
逆に車で出かける際にも土間収納を通って、そのままガレージに行くことができるので便利です。
ガレージが広く作れない場合は、ガレージで使う工具などを土間収納に収めることもできます。
関連記事:東京でビルトインガレージをつくるメリット|3階建てビルトインガレージの間取り実例
玄関と洗面スペースを繋げる
玄関→洗面室→リビングの動線を繋げる間取りをご紹介します。
玄関から洗面室までの動線を短くすることで、帰宅時の手洗いうがいを済ませやすくなり、衛生的な環境を整えることができます。
洗面室から家の中心であるリビングに繋げれば、そこからはキッチンや子ども部屋などまで動きやすくなるでしょう。
また洗面台を脱衣室に設置する間取りも一般的なので、お子さんが泥んこ遊びから帰ってきたり、部活から汗だくで帰ってきても、お風呂に直行することができます。
お風呂に入ってさっぱりした状態でリビングに入ることができるので、部屋の中に汚れをもちこまずにすみます。
もちろんリビングから玄関までの動線は重要なので、確保しておきましょう。
家事動線を回遊させる
家事動線を回遊させるには、水回りの間取りを隣接させることと、家事の流れに合わせることが大切です。
キッチン→ランドリールーム(脱衣室)→ファミリークローゼット→キッチンと回遊させると、家事を楽に済ませることができます。
家事を効率的にするには、いくつかの家事を同時に行う必要があります。
とくにキッチン作業と洗濯は長い時間がかかるので、同時進行させて家事を時短していきましょう。
そのためにキッチンとランドリールーム(脱衣室)の間取りを繋げて行き来しやすいようにします。
ランドリールームで洗濯された衣類を次の動線にあるファミリークローゼットに収納すれば、家事の流れに合った動線に仕上がります。
またファミリークローゼットとキッチンの動線を繋ぐことで、自然とリビングダイニングとの動線も整いやすくなります。
朝の身支度や、帰ってきたときの上着の片付けなどがしやすくなるので、生活動線も同時に整えることが叶います。
関連記事:家事動線のいい間取りを考えよう│毎日の家事が楽しくなる家づくり
まとめ
今回は回遊導線のメリット・デメリットと、回遊導線を取り入れると便利な間取りについてご紹介してきました。
回遊導線を取り入れると、生活の動きがスムーズになり、作業の効率化・時短に繋がります。
あわただしい時間帯であっても、家族が渋滞することなく快適に身支度などを整えることができるでしょう。
- 玄関ホールとビルトインガレージを繋げて、外との行き来をしやすくする
- 玄関と洗面室(脱衣室)を繋げて、衛生的な環境を整える
- キッチンなどの水回りを回遊させて、家事動線とよくるす
生活の動きに合った動線を繋げて、快適な間取りに整えていきましょう。