壁付けキッチンの間取り│メリット・デメリットをご紹介【事例あり】
キッチンでの作業は家事の中でも比重の大きい場所です。
快適に整えることで、作業効率も上がり、時間にも気持ちにもゆとりをもつことができるでしょう。
- 家の間取りにはどのようなキッチンの型が最適なのか
- 壁付けキッチンと対面キッチンでは、生活への影響がどのように違うのか
- 家族全員が利用しやすいキッチンにしたい
キッチンの間取りは、大きく「壁付けキッチン」と「対面キッチン」にわけられます。
今回は「壁付けキッチン」に焦点をあてて、その魅力を深堀していきます。
メリット・デメリットに分けた解説と、壁付けキッチンの事例をご紹介するので、ぜひお役立てください。
- point -
- 壁付けキッチンにできるキッチンの型をご紹介します。
- 壁付けキッチンのメリット・デメリットから、キッチンの使い勝手をお伝えします。
- 壁付けキッチンの事例を基に、家族の生活スタイルにマッチするか想像していきましょう。
− contents −
◼ 壁付けキッチンとは
◼ 壁付けキッチンのメリット
◼ 壁付けキッチンのデメリット
◼ 壁付けキッチンの間取り【事例紹介】
◼ まとめ
壁付けキッチンとは
壁付けキッチンとは、コンロ・作業スペース・シンクが壁に向かって設置されたキッチンのことです。
日本は昔から壁付けタイプのキッチンが主流でしたが、時代と共に共働き家庭も増え、小さなお子さんを見守りながら家事ができる、対面キッチンへの人気が高まってきました。
そのため壁付けキッチンは古いと思われがちですが、決してそうではありません。
おしゃれなデザインが豊富に揃っていますし、対面キッチンにはない魅力も十分にあります。
壁付けにできるキッチンの型
壁付けにできるキッチンの型は、主に2つです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
【I型キッチン】
I型キッチンは、コンロ・作業スペース・シンクが横一列に並んでいます。
基本的には壁付け用に作られているので、キッチンの背面を施工する必要がないことや、構造がシンプルなことから、価格が比較的安い印象です。
壁付け用につくられたI型キッチンですが、腰壁を付ければ対面キッチンにすることもできます。
【L型キッチン】
L型キッチンとは、コンロ・作業スペース・シンクがアルファベットの「L」の形でつくられています。
直角に曲がった一辺にシンク、もう一辺にコンロを配置して、そのコーナー部分やそれぞれの延長線上を作業スペースとして利用することになります。
キッチンのコーナーを利用して設置すれば壁付けキッチンですが、パネルを利用して対面キッチンにすることも可能です。
壁付けキッチンのメリット
まずは壁付けキッチンのメリットについて、6つお伝えしていきます。
家族の生活スタイルや、キッチンの利用方法に合っているのか確認していきましょう。
コンパクトなキッチンにも最適
壁付けキッチンは、キッチンのスペースを広く確保する必要がないので、コンパクトなキッチンにも最適です。
キッチンを壁につけて配置するので、通路をつくる必要もありません。
キッチンの背面にダイニングテーブルを置くことができるので、ダイニングとキッチンの仕切りがない印象です。
作業動線が整っている
壁付けキッチンにすると、振り向くだけでダイニングに行きつくので、作業動線が最短で済みます。
料理の配膳や、食後の片付けなども楽にすることができるでしょう。
ダイニングテーブルに腰をかけて、料理の仕込みや盛り付けなどもしやすいです。
このようにキッチンの作業動線が整っていると、作業効率を大きく上げることができます。
時間を有効に使って、家族との時間や一人の時間を増やすことができるので、気持ちのゆとりにも繋がるでしょう。
さらに食事中に冷蔵庫の物が必要になったり、お皿が必要になってもすぐに取り出すことが可能です。
煙やニオイが広がりにくい
壁付けキッチンにすることで、煙やニオイが他の部屋に広がりにくくなります。
調理スペースの前は壁になるので、レンジフードが効率的に煙やニオイを吸い上げられるからです。
リビングのソファやカーテンへのニオイ移りを気にする必要がないので、料理の幅も広がるでしょう。
キッチン作業に集中できる
壁付けキッチンにすると、リビングの様子やテレビなどが目に入りにくいので、キッチン作業に集中することができます。
キッチンでの作業は危険なことも多いので、集中できる環境は大切なポイントなのかもしれません。
また集中することで作業効率も上がるので、時間を有効に使うことができるでしょう。
油跳ねの掃除が楽
壁付けキッチンは、油跳ねや水跳ねなどの掃除が手間なく済みます。
調理や片付けをしていると、油や水が跳ねることがよくありますが、壁付けキッチンの場合、壁が受け止めってくれるので、広範囲に広がることはありません。
1日の終わりに軽くふき取ることを日課にすれば、いつもキレイな状態を保てるでしょう。
収納スペースを確保しやすい
壁付けキッチンは、作業台の上に吊戸棚を付けることができるので、収納スペースの確保がしやすくなります。
さらに壁を利用して、キッチンツールを吊り下げたり、造作棚を設置してお鍋などを収納することもできます。
見せる収納も採り入れて、おしゃれな空間に仕上げいきましょう。
壁付けキッチンのデメリット
次に壁付けキッチンのデメリットをお伝えしていきます。
壁付けキッチンのデメリットを解消するにはどうしたらいいのかも、一緒に見ていきましょう。
リビングに背を向けることになる
壁付けキッチンは、リビングに背を向けて作業をすることになります。
そのためリビング側にあるテレビを観ながらゆったりと調理をしたり、家族とのコミュニケーションをとることができません。
またリビング側で遊んでいるお子さんを見守りながら、キッチン作業を進めることも難しいでしょう。
状況によっては、何度も振り向きながらキッチン作業をしなくてはいけないかもしれません。
家族構成や生活パターンを考慮して、壁付けのスタイルが最適か検討してみましょう。
家電品などを置くスペースが必要
壁付けキッチンは作業台が少ないので、キッチンの家電品を置くスペースがありません。
- ダイニング側にカウンターをつくる
- キッチンと直角にある壁に、カップボードなどを設置する
- パントリーに入れる
利用頻度が高い、炊飯器・レンジ・トースターなどは、利用しやすいように対策しましょう。
関連記事:【対面キッチン】ペニンシュラキッチンのデメリット?回避法をご紹介
壁付けキッチンの間取り【事例紹介】
壁付けキッチンの間取りをご紹介します。
L型キッチンとI型キッチンの両方をピックアップしたので、どのようなキッチンに整うのか見ていきましょう。
L型キッチンを壁付けにした間取り
江東区M様邸
敷地面積:52.54㎡ (15.89坪)
延べ床面積:111.10㎡ (33.60坪)
L字部分の全てが壁付けにされていて、スッキリとした印象です。
パントリーや吊戸棚も設置されていて、収納スペースがたっぷりと整えられています。
デメリットでご紹介した家電品は、キャビネットに収納されています。
ダイニングとの動線が最短なので、利用しやすい印象です。
ダイニングテーブルとキッチンの間にはゴミ箱が設置されています。
モザイクタイルのデザインが、おしゃれな印象ですね。
I型キッチンを壁付けにした間取り
文京区S様邸
敷地面積:11.34坪(36.81㎡)
延べ床面積:23.54坪(77.83㎡)
I型キッチンが壁付けに設置されていて、開放的な印象です。
冷蔵庫はダイニング側にあるので、調理以外のときでも、家族みんなが利用しやすいでしょう。
対面にカップボードが設置してあるので、家電品の収納も整っています。
まとめ
キッチンを壁付けにすると、作業しやすい環境が整います。
- コンパクトな間取りにも設置しやすい
- ダイニングとの動線が短いので、作業効率が上がる
- 壁に向かって調理をするので、ニオイや煙が広がりにくい
- キッチンの作業に集中できるので、時短に繋がる
- 油跳ねを壁が受け止めるので、掃除が楽
- 吊り戸棚を設置できるので、収納スペースをつくりやすい
事例にもあるように、キッチン家電の配置場所をしっかりと整える必要があります。
家族の生活スタイルやキッチンの利用方法に壁付けキッチンが最適か、しっかりと検討していきましょう。