小上がりをリビングにつくるメリットとは?快適な小上がりの整え方
リビングの横に和室をつくると生活が便利になりますが、狭小住宅の場合は十分なスペースを確保することができません。
無理に畳の部屋をつくってしまうと、リビングが狭く感じられ快適さが奪われてしまうでしょう。
そんなコンパクトな狭小住宅でも、小上がりならリビング横に設けやすくなります。
畳の小上がりであれば、直に座ることができるので、洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりと、家事をするにも便利です。
また畳の香りを感じながら、お昼寝をするのもいいですね。
こちらの記事では、そんな小上がりの特徴を深堀するために、メリット・デメリットに分けてお伝えしていきます。
快適な小上がりのつくり方もまとめていくので、リビングの間取り計画にぜひお役立て下さい。
- point -
- 小上がりには、どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しくお伝えします。
- 利用目的にあった小上がりにするためのポイントを、確認していきましょう。
− contents −
◼ 小上がりとは
◼ 小上がりをリビング横につくるメリット
◼ 小上がりをリビング横につくるデメリット
◼ 快適な小上がりに整える方法
◼ まとめ
小上がりとは
小上がりとは、部屋の一部に高さを出して仕切られたスペースのことで、リビングなどにつくられることがほとんどです。
他には寝室にコンパクトな小上がりをつくってそのままベッドとして利用したり、リビングとダイニングの間に段差をつくってメリハリをもたせたりすることもできます。
畳に限らず、フローリングのまま段差をつくることもできるので、利用目的に応じたデザインにすることが可能です。
冒頭でもお伝えしたように、畳の部屋をつくるとリビングとの仕切りができるので、フロアの広さによっては狭く窮屈な印象になりがちです。
小上がりであれば、壁を極力作らずに、床の段差だけで空間を仕切るので、視界を妨げず解放感は変わりません。
さらに空間に奥行きやメリハリがうまれるので、広々としたおしゃれな雰囲気になります。
関連記事:リビングとダイニングはどう仕切る?メリハリのある空間の作り方
小上がりをリビング横につくるメリット
小上がりをつくることで、どのような利便性が増えるのか確認していきましょう。
家族の生活スタイルなどを想像しながら、ご覧ください。
収納スペースを増やせる
小上がりは段差を利用して、収納スペースをつくることができます。
小上がりのスペースすべてを収納にできるので、シーズンオフの家電品や、小上がりで利用するお布団、リビングで使う子どものおもちゃなど、容量の大きな物もスッポリ収納することができます。
【段差の前面に引き出しを付けて出し入れをする】
段差の前面に引き出しを付けると、収納品の出し入れが簡単にできます。
しかし小上がりの奥行きすべてを収納にすると、引き出しがかなり大きく、又は長くなるので、リビングのソファなどと干渉するかもしれません。
引き出しの大きさを調整することもできますが、それだけ収納量は少なくなるでしょう。
【小上がりの床面を扉にして出し入れをする】
小上がりの床面を扉にすれば、小上がりスペースすべてを収納にすることができます。
上から下に収納するときは楽ですが、下から上に取り出すときは少し負担を感じるかもしれません。
また小上がりに物を置いている場合は、移動させてからしか扉の開け閉めができないので、使用頻度の低い物の収納に適しているといえるでしょう。
ソファ代わりにできる
リビングに小上がりをつくると、ソファのように腰かけとして利用することができます。
一般的なソファベンチは、座面の高さが40~45㎝でつくられます。
小上がりの高さを出し過ぎると圧迫感がでるので、35~40㎝で作って、座布団などを利用するのがおすすめです。
小上がりとの移動に負担を感じるお年寄りや小さなお子さんは、いったん小上がりに、腰や膝を付けてから上り下りをしましょう。
布団を利用して寝ることができる
畳の小上がりは、布団を敷くことで寝室や、ベッドのように利用できます。
- 親が泊りに来たときの寝室として利用する
- 2階への移動が難しい年齢になったときに、寝室として利用する
寝室として利用する場合は、布団の収納スペースを整えましょう。
小上がりの段差を利用して収納することもできますが、将来性を考えると吊り押し入れがおすすめです。
吊り押し入れにすると、下の空間にお布団をしまうことができるので、毎日の布団の上げ下ろしが不要になります。
お客様がみえる日は、お布団を押し入れにしまってスッキリとお迎えしましょう。
掘りごたつにできる
小上がりの段差を利用して、掘りごたつにすることができます。
掘りごたつは足を降ろして座れるので、ひざや腰に負担をかけることがありません。
シーズンオフもテーブルとして利用できますし、テーブルを外して蓋をすればフラットな状態にすることも可能です。
小上がりの段差を利用して、くつろぎのスペースに仕上げていきましょう。
小上がりをリビング横につくるデメリット
小上がりをつくることで生活が快適になることをお伝えしてきました。
魅力的な小上がりですが、やはりデメリットもあるので、しっかりと確認していきましょう。
段差が危険なことも
小上がりの特徴でもある段差をつくることで、ケガをする恐れがあります。
- 段差に足をぶつける
- 部屋で転んで、小上がりの角に体をぶつけた
- 小上がりから足を踏み外して転倒
小上がりに限ったことではないかもしれませんが、お子さんやお年寄りは特に気を付けましょう。
掃除がしにくい
小上がりがあるとバリアフリーではなくなるので、お掃除ロボットの利用ができません。
また通常の掃除機をかける際も、掃除機を小上がりに上げて利用することになるので、ひと手間増えてしまいます。
快適な小上がりに整える方法
快適な小上がりに整えるには、利用目的を明確にする必要があります。
利用目的にあった、小上がりとはどのような造りなのか見ていきましょう。
小上がりの高さ
小上がりの高さは30~40㎝が主流です。
20㎝程の高さでつくるケースもありますが、段差の収納スペースはコンパクトになります。
また小上がりを高くし過ぎると、天井までの距離が短くなるので、圧迫感が出るかもしれません。
家の天井高や、家族の身長、利用目的などを含めて検討してみましょう。
小上がりの広さ
小上がりの広さは、3~4.5畳が主流です。
6畳になるとリビングとのバランスが悪くなるので、部屋として仕切る方が適しています。
利用目的に沿って、小上がりの広さを決めていきましょう。
- 家事や書斎、子どもを遊ばせるスペースとするなら3畳程度がおすすめ
- テーブルを置いて、お客様をもてなすなら4畳程度がおすすめ
- 小上がりを寝室として利用するなら、4.5畳程度がおすすめ
コンパクトにつくれるのも、小上がりの魅力といえるでしょう。
扉をつけるか
小上がりに扉を付けると、次のようなメリットがあります。
- キッチンのニオイや煙を、小上がりに入れない
- 寝室として利用するときに、目隠しができる
- 勉強や仕事をするときに集中できる
扉が必要かは、利用目的に大きく左右されます。
戸袋や壁に扉を収納して、できるだけ開口部分を広げると、解放感を保つことができます。
目隠し程度でいい場合は、ロールスクリーンの設置も検討してみましょう。
まとめ
リビングの一角に小上がりをつくることで、生活が便利になります。
- 大容量の収納スペースをつくれる
- ソファ代わりになるので、ちょっと腰かけるのに便利
- 扉を付ければ、来客の寝室にできる
- 掘りごたつにして、暖かく過ごせる
デメリットとしては、段差があることでケガの危険性や、掃除のしにくさがあげられます。
小上がりの利用目的を明確にして、快適なスペースに仕上げていきましょう。