地下室の失敗しない作り方│利用目的に合ったスペースにしよう
地下室をつくって失敗した!とならないように、地下室の特徴や種類などを、しっかりと理解していきましょう。
地下室の知識を深めることで、目的に合った環境を整えることができます。
また都市部などは敷地の広さを確保しにくいので、容積率の限界まで広げても、生活スペースが足りない場合もあるでしょう。
地下室は条件を満たせば、この容積率の緩和を受けることができるので、生活スペースを大きく広げることができます。
地下室の特徴を活かした利用目的や、生活スペースを広げる目的など、それぞれの用途に合った地下室に整えていきましょう。
地下室のある家を検討中の方は、ぜひお役立てください。
- point -
- 地下室の特徴や種類などをまとめるので、地下室についての知識を深めていきましょう。
- 利用目的に合った地下室にするにはどうしたらいいのか、主な目的に分けてご紹介します。
- 地下室の事例をご紹介するので、どのような部屋に整うのかご覧ください。
− contents −
◼ 地下室とは
◼ 地下室の失敗しない作り方│利用目的別に解説
◼ 地下室の事例をご紹介
◼ まとめ
地下室とは
地下室とは、言葉通り地下にある部屋のことです。
建築基準法では、床面から天井までの高さ1/3以上が、地面より下にある部屋とされています。
また住居として利用する地下室の条件は、土圧・水圧・地震などに対する安全性や防水対策、換気や温度調整設備などが整っていることがあげられます。
地下室の特徴
地下室の特徴は、外気と遮断されていることから起こります。
- 年間を通して室温が一定に保たれやすい
- 断熱性に優れている
- 遮音性に優れている
- 夏に結露が起こりやすい
地下室は、このような特徴を活かした使い方がされます。
また冒頭でもお伝えしたように、地下室はある一定の条件を満たせば、容積率の緩和を受けることができます。
容積率の緩和については別記事で詳しくお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。
>>>東京で地下室のある家を建てるならおさえておきたいキホン|クレバリーホーム東京
地下室の種類
地下室の種類としての定義は特にないのですが、どのような地下室があるのか、いくつかのタイプに分けてご紹介します。
【全地下タイプ】
地下室全体が地下に入っている状態なので、窓を設けることができません。
そのため結露などを起こしやすいので、温度・湿度調整ができる設備は手厚く整える必要があります。
また深く掘り下げなくてはいけないので、施工費用は高くなります。
【半地下タイプ】
地下室の上部(天井高の半分程度)地上に出ている状態なので、高い位置に窓を設けることが可能です。
地下室の特徴は薄まりますが、外の自然な光を採り入れやすいので、通常の部屋に近い感覚で利用できます。
【ドライエリアがある地下室】
ドライエリアとは空堀(からぼり)とも言われる施工で、地下室に面した土地の一部を掘り下げて空間をつくることを言います。
ドライエリアとしてつくられた空間を利用して、窓や出入り口をつくったり、中庭のように飾ることもできます。
では地下室の利用目的別に、どのタイプが最適なのか見ていきましょう。
地下室の失敗しない作り方│利用目的別に解説
ここまででお伝えしてきた「地下室の特徴」「地下室の種類」を含めて、地下室の失敗しない作り方をまとめていきます。
地下室の利用目的を絞って見ていきましょう。
地下室をリビングとして利用する
地下室をリビングとして利用する場合は、ドライエリアのあるタイプがおすすめです。
半地下にもできるので、地下室の種類の中でも開放感のある部屋に仕上がります。
リビングに掃き出し窓を付ければ、ドライエリアに出ることもできます。
コンパクトな庭として、家庭菜園やガーデニングを家族で楽しむのもいいですね。
ドライエリアの上部にフェンスを取り付ければ、防犯性を高めることができます。
フェンスの一部に施錠付きの開閉口を付ければ、いざという時の脱出経路にもなります。
逆に、ドライエリアから地上に上がれる階段を付けて、いつでも外と行き来できるようにすることも可能です。
地下室のデメリットである採光を、ドライエリアによって解消した地下室は、明るく開放的な空間でありながらプライベート性の高さがあります。
家族で集まるスペースとして最適な環境と言えるでしょう。
地下室をオーディオルームとして利用する
オーディオルームとして利用する場合は、全地下タイプがおすすめです。
全地下タイプは、地下室の特徴である「遮音性」が高いので、部屋の中の音を外に漏らしません。
遮音壁や防音扉などを設ければ、上階への影響もないので、時間にとらわれることなく、音楽や映像を楽しむことができるでしょう。
もし住宅の周りに、線路や工場、学校などがあっても、全地下タイプなら外からの音をシャットアウトしてくれるので、静かな環境が整います。
また地下室の遮音性を活かした利用方法に、ダンススタジオやカラオケルーム、楽器のレッスン部屋などもあります。
地下室の特徴を活かして、趣味やお仕事などに利用していきましょう。
地下室を寝室として利用する
地下室を寝室として利用する場合は、半地下タイプがおすすめです。
睡眠時は窓などを必要としませんが、目覚めた時に外の光が自然に入っている環境は、体の目覚めもよくなります。
半地下であれば窓を高い位置にしか付けられないので、ベッドの配置を考慮すれば朝日で目が覚めるようなことはありません。
また睡眠時には350~500mlの汗をかくと言われています。
その汗はパジャマだけでなく寝具にも染み込むので、湿気がこもりやすくなります。
窓のある半地下で換気をよくして、快適な環境を整えていきましょう。
また寝室を、書斎や作業部屋などと併用する場合も、窓があった方が快適に過ごせます。
地下室の事例をご紹介
地下室がある家の実例をご紹介します。
地下にオーディオルームのある家
品川区S様邸
敷地面積:53.49㎡(16.15坪)
延床面積:123.15㎡(37.25坪)
地下にオーディオルームを設けた、敷地約16坪の3階建て住宅です。
大画面モニターの前に、どっしりとしたソファが設置されていて、地下室の利用目的がしっかりと定まっています。
高さ制限などが厳しい地域ですが、地下を設けることで生活スペースを大きく広げることができています。
ドライエリアから光が届く地下室│応接室として利用
品川区K様邸
敷地面積:96.59㎡(29.22坪)
延床面積:192.28㎡(58.16坪)
こちらの、地下室の利用目的は「応接室」と「納戸」です。
応接室は明るいスペースにするために、ドライエリアが設けられています。
ドライエリアから差し込む光を、大きな掃き出し窓が部屋へと届けてくれています。
まとめ
地下室の失敗しない作り方について、詳しくご紹介してきました。
目的にあわせた地下室にすることで、利用しやすく快適な環境が整います。
- リビングなど日常的に利用する場合は、ドライエリアをつくって採光のできる開放的な地下室にする
- オーディオルームなど、遮音性を目的とする場合は、全地下タイプにして、地下室の魅力を高める
- 寝室として利用する場合は、窓を設けて換気ができる半地下タイプにする
どのような地下室にしたいのか明確にして、理想に合った地下室に仕上げていきましょう。