小さい家に吹き抜けをつける理由とは?│狭小住宅の事例をご紹介
小さい家に、吹き抜けのある間取をよく見かけます。
吹き抜けをつくるとフロアの面積が少なくなるので、部屋数が足りなくなったり、共有スペースが狭くなったりと、小さい家にとってはデメリットが多い印象です。
それでも吹き抜けをつくるには、それ以上にメリットと思える理由があるからでしょう。
こちらの記事では、そんな小さな家に吹き抜けをつくる理由を、深堀していきます。
小さい家と吹き抜けの特徴を合わせながらまとめていくので、これから小さい家を計画中の方は、ぜひ参考にしてください。
- point -
- 小さい家に吹き抜けをつくる理由を詳しくお伝えします。
- どのような吹き抜けがあるのか、事例をもとにイメージしてみましょう。
− contents −
◼ 小さい家に吹き抜けをつくる理由を解説
◼ 小さい家の吹き抜け│事例をご紹介
◼ まとめ
小さい家に吹き抜けをつくる理由を解説
小さい家とは、建物面積が小さい家のことです。
つまり家を真上から見た大きさのことで、敷地面積が限られた都心部に多くみられます。
狭小地(狭い土地)に家を建てるため、小さい家は生活スペースを縦にのばす必要があります。
そのため2階建てや3階建て、必要によっては4階建ても珍しくありません。
そんな縦にのびた小さい家に、吹き抜けがどうして人気なのか、その理由を見ていきましょう。
小さい家の特徴を元にご覧ください。
家の中が暗くなりがちだから
小さい家は、外の光が入りにくいので、下の階は特に暗くなりがちです。
小さい家は狭小地に多くみられると先述しましたが、狭小地は同じ条件の家が立ち並ぶので、家と家との間が狭くなります。
つまり家のすぐ横に壁がくる状態なので、家の中に外からの光が入りにくくなります。
そんな小さい家の特徴を、吹き抜けがどのようにカバーしてくれるのか見ていきましょう。
吹き抜けが自然光を採り入れます
吹き抜けは、上階の床面をつくらず、2階層を繋げる施工をいいます。
吹き抜け部分は縦に空間が繋がるので、採光しやすい上階の光を、暗くなりがちな下の階まで届けることができます。
高い位置に窓を設けて、自然光をたっぷりを採り入れていきましょう。
さらに壁のクロスを白などの明るい色にすれば、光を反射して更に明るさを広げることができます。
家の中が暗いと、日中でも電気をつけることになります。
吹き抜けを付ければ、電気をつける機会が減るので、節約にもなるでしょう。
小さい家は狭く感じてしまうから
小さい家はワンフロアの面積がコンパクトなので、全体的に狭く感じてしまいます。
広く見せるためのインテリアや間取りを意識しても、ある程度の限界はあるでしょう。
吹き抜けは開放感を得られます
吹き抜けは、狭いスペースに開放感をあたえることができます。
吹き抜け部分の天井が上階と繋がるので、縦に空間を大きく広げることができるからです。
さらに、光を採り込むために付けられた窓から外の景色を眺めると、開放的な気分になるでしょう。
コミニュケーションがとりにくいから
小さい家は間取りを慎重に検討しないと、家族とのコミニュケーションが取りにくくなります。
ワンフロアがコンパクトなので、各部屋への移動に階段を利用しなくてはいけないからです。
お子さんが自分の部屋に入ってしまえば、わざわざ階段を使ってリビングに行こうとはならないかもしれません。
「おもしろい話をシェアしたい」「大した話ではないけど伝えておきたい」このような日常会話が自然とできる家だと、家族のちょっとした変化にも気づきやすくなるでしょう。
吹き抜けがあるとコミニュケーションがとりやすくなります
吹き抜けがあると、家族のコミニュケーションが自然ととれる環境が整います。
別の階と繋がりがとれている分、家族の気配を感じやすく、階違いまで声が届きやすいからです。
リビングに吹き抜けを付ければ、上階から顔をのぞかせることもできるでしょう。
またリビングでくつろごうと思っても、狭く窮屈に感じ、昼間でも電気をつけなくてはいけないほど暗いとなれば、足が向かないかもしれません。
吹き抜けを付けることで、解放感があり明るい空間に整えば、家族が集まって自然とコミニュケーションが深まるでしょう。
小さい家の吹き抜け│事例をご紹介
小さな家に吹き抜けが多い理由が分かった所で、改めて吹き抜けの事例を見ていきましょう。
どの吹き抜けからもこだわりが感じられ、アイデアと思いが詰まっています。
また家の中の大きなアクセントになっていて、おしゃれな印象です。
リビングに吹き抜けのある間取り
大田区 U様邸
敷地面積:269.77㎡(約81.61坪)
延べ床面積:277.71㎡(約84.01坪)
リビング全体が大きな吹き抜けになっているので、かなりの開放感があります。
高い位置に付けられたカーテンや、壁のアクセントウォールが、さらに縦の広がりを演出します。
部屋の空間を広く感じさせるには明るい色を利用することが通常です。
しかし、この事例のように床などの低い位置の色を濃く、上に行くほど明るい色を利用することで、空間に広がりを感じることができます。
玄関に吹き抜けのある間取り
中野区K様邸
敷地面積:22.1坪(73.05㎡)
延べ床面積:29.9坪(98.84㎡)
北側につくられた玄関とは思えないほど明るい印象です。
玄関の天井がそのまま吹き抜けになっているので、幅の狭い玄関でも開放感のあるスペースに仕上がっています。
将来を考えてつくられた階段はとても緩やかで、優しい雰囲気が漂います。
玄関は直接リビングに繋がるので、玄関の吹き抜けはリビングと共有しているような間取りです。
玄関とリビングの間に、あえて扉をつくらないことで、部屋の広がりを演出しています。
玄関との繋がりがシンプルで、吹き抜けのある開放的なスペースに仕上がっているので、ご近所の方をお招きするリビングとして最適と言えるでしょう。
またリビングからビルトインガレージが見えるのも、愛車をいつでも愛でるためのアイデアです。
結果的にリビングの明るさや開放感を手伝って、素敵な空間に仕上がっています。
リビングの一部を吹き抜けにした間取り
中央区 S 様邸 /
敷地面積:86.86㎡(26.27坪)
延床面積:167.04㎡(50.52坪)
敷地面積26.27坪とは思えない程、広々とした印象のリビングです。
リビングの横につくられたインナーバルコニーは、通りに面しているので、全体に大きな目隠しがされています。
外からの視界を遮りながら、光を採り入れることのできるスリットを使用しているので、リビングの明るさに影響はありません。
部屋全体の色選びからも、明るい空間づくりへのこだわりが感じられます。
吹き抜けをビングの一角にすることで、上階のスペースを大きく削る必要がありません。
リビングの大きな窓からもしっかりと採光できるスペースですが、吹き抜けによって空間が縦に伸び、さらなる開放感を得られています。
まとめ
小さい家に吹き抜けをつくる理由をまとめてお伝えしてきました。
- 高い位置から採光して、部屋に明るさを届ける
- 縦に空間を広げて、解放感をあたえる
- 別階との繋がりができるので、家族とのコミニュケーションがとりやすくなる
吹き抜けは小さい家に最適な間取りと言えるでしょう。
小さい家を建てる計画がある方は、吹き抜けをとり入れてみてはいかがでしょうか。