二世帯住宅に住むお嫁さんも「ストレスを感じない」家づくり計画

二世帯住宅

二世帯住宅に住むお嫁さんがストレスを感じないためには、どのような家にすればいいのか詳しくお伝えしていきます。

二世帯住宅に住むお嫁さんは、家に居る時間も長く、家事や子育てを回していかなくてはいけません。

小さな不安や悩みがあると、いつかはストレスとなって、毎日の生活がつらいものに感じられるでしょう。

 

そうならないためには、事前の計画が重要です。

これから親との同居を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

お嫁さんだけではなく、家族全員がストレスを感じない、二世帯住宅にしていきましょう。

 


- point -

  • 二世帯住宅のどのようなことにストレスを感じがちなのかまとめていきます。
  • 快適な二世帯同居が送れるように、対策方法を確認しておきましょう。

 

− contents −
◼ 二世帯住宅のお嫁さんが感じがちなストレスとは​
 ◼ 生活音が響かないか気になる​​​
 ◼ 水回りを自由に使えないのがツライ​
 ◼ 費用の負担を多く感じて不満​
 ◼ 自分の家なのにくつろぐことができない​
◼ まとめ

 

二世帯住宅のお嫁さんが感じがちなストレスとは​

完全分離型2世帯住宅の外観

では二世帯住宅に住むお嫁さんが感じがちな、ストレスについてみていきましょう。

それぞれの対策も一緒にお伝えしていきます。

 

生活音が響かないか気になる​

リビング

家の中の生活音が気になるのは、生活の時間にズレがあることと、お子さんが元気に走ったりすることが主な原因です。

  • トイレの流す音が響いていないか気になる
  • 夜遅くにお風呂に入っても、起こしてしまわないか気になる
  • 扉を閉める音や、物を落した時にヒヤッとする
  • 子どもの足音が迷惑になっていないか気になる
  • 夜に子どもがお菓子をこぼしても、掃除機を使いにくい
  • 仕事から帰ってきて洗濯機を回したいけど、大丈夫か気になる
  • テレビの音量はOKか気になる

気になる生活音をピックアップしだしたらキリがありません。

せっかく自分達の家をもてたのに、音をたてないように気を遣ったり、お子さんに「静かにしなさい」と伝えるのはかなりのストレスになるでしょう。

 

対策①:上階を親世帯にする​

生活音が気になる場合は、二世帯住宅の型を「縦割り」にするのがベストです。

家を縦に割って、子世帯・親世帯が横並びになるスタイルですが、広い土地が必要なので、都心部などに人気エリアでは難しいでしょう。

 

そのため狭小地での二世帯住宅は、階によって世帯をわける「横割り」の型が主流です。

通常は階段の負担がないように1階部分を親世帯にしますが、上階を親世帯にすることを検討してみてはいかがでしょうか。

音は上から下に響きやすいので、親世帯に生活音が届きにくくなります。

階段への負担は、ホームエレベーターを設置してクリアにしましょう。

 

対策②:家の中の遮音性を高める

生活音への気遣いは、家の遮音性を高めることでも解消できます。

外壁や部屋の仕切り、床や排水管など、遮音性の高い材料を利用することで音の響きを軽減することが可能です。

 

先述したように生活が穏やかな親世帯を上階にすることで、親世帯への配慮は高まりました。

生活音をたてないように気を遣うことが減れば、お嫁さんのストレスにもならないでしょう。

 

しかし親世帯からの生活音が全く気にならないかといったら、そうでもありません。

年齢を重ねて、自然と話し声やテレビの音量が上がることも考えられますし、就寝中のトイレの回数は増えていきます。

 

家全体の遮音性を高めれば、世帯間の生活のズレから起こる音問題だけでなく、各部屋ごとの静かさを保つことにも繋がります。

 

水回りを自由に使えないのがツライ​

キッチンやお風呂などの水回りを自由に使えないのは、かなりのストレスになるでしょう。

  • 好きな料理を好きな時に作れない
  • キッチンをおしゃれにしても直される
  • 洗面台をきれいに使ってくれない
  • お風呂の温度設定が合わない
  • お風呂のタイミングがわからない
  • 気を遣ってお風呂にゆっくりはいれない

キッチンはメインの家事スペースですし、お風呂は1日の疲れを癒す大切な時間です。

また水回りは汚れやすいので、使い方や掃除方法なども気になるでしょう。

 

完全分離型で解消​

二世帯住宅には3つのスタイルがあります。

  • 完全分離型・・・玄関から水回りまですべて別につくられている、家の中から行き来もできない
  • 部分共有型・・・玄関やキッチン、お風呂やトイレなど、どこか共有部分があるので、建築費用が抑えられる
  • 完全同居型・・・一軒家に2世帯が同居している状態で、基本的に個室だけが用意されている

どのスタイルにも、メリット・デメリットがありますが、やはり共有部分が多いほど、トラブルが起きやすくなります。

 

そこでおすすめなのは「完全分離型」です。

マンションの隣に住んでいるようなイメージなので、助け合いやすい環境にはありますし、程よい距離感を保つこともできるでしょう。

関連記事:完全分離型二世帯住宅の間取り│広い土地は必要ない?

 

費用の負担を多く感じて不満​

住宅ローン 計算

家をもつための費用は、家を建てるときだけでなく、維持するためにもかかります。

お金の負担が大きいとなると、不満がつのってストレスが膨れ上がるでしょう。

  • 水道光熱費を折半しているけど、家に居る時間の長さがそもそも違う
  • 定年を迎えているからと、税金などを負担してくれない
  • 同額出し合って、食材などを購入するようにしているけど、親の行くスーパーが高い
  • 消耗品の減りが早い気がする

親世帯は仕事を定年していることから費用の負担が子世帯に多くのしかかったり、家に居る時間が長いので折半は平等ではないということから出る不満が多いようです。

逆に新築費用を親が多く出してくれたので、間取りなどの希望が言えなかったというケースもあります。

 

対策:家づくりの前にしっかりと話し合う​

お金の問題は、二世帯住宅を建てる際に、とことん話し合うことが大切です。

まずは新築にかかる費用や、家を維持するための費用、生活をするための費用を上げて、どちらが負担するのか、折半にするのか、割合にするのか話し合いで決めていきましょう。

必要なお金に関して、二世帯が納得いく落としどころを見つけていくしかありません。

 

ここではやはり、親世帯の実子である夫を中心に話を進めていく方が、スムーズにまとまるでしょう。

お嫁さんの立場でははっきりと希望が言いにくいので、親世帯に有利な結論に至るかもしれません。

またここでしっかりとした話し合いができなかったり、夫が両親の肩をもちすぎたり、また親世帯が理解を示そうとしないとなれば、一緒に住むことはそもそも厳しいでしょう。

お互いの意見や希望を尊重して、とことん話し合ってみましょう。

 

自分の家なのにくつろぐことができない​

家に居ても気が休まることなく、ゆっくりとくつろぐことさえできないと、精神的に疲れてしまいます。

リビングでくつろごうと思っても、親がいる前でソファに横になるわけにもいきませんし、好きなテレビ番組を見ることも難しいかもしれません。

タイミングよく一人の時間を過ごしていても、いつ親が入ってくるかわからないので気を抜くことができない。

そんな毎日では、当然ストレスがたまるでしょう。

 

対策:自分だけのスペースを確保する​

家の間取りを決める時に、自分だけのプライベートスペースを確保しておきましょう。

家事をするためのスペースでも、趣味のためのスペースでもいいので、親世帯が入ってこない場所であることが重要です。

 

そこでおすすめなのが夫婦の寝室です。

親であっても夫婦の寝室に入ってくることはまずないでしょう。

間取りを決める時に、寝室を少し大きめに作ってソファとテレビなどを入れてもいいですね。

さらに寝室にウォーキングクローゼットをつくるのであれば、その中に書斎としてスペースを整えることもできます。

家計簿をつけたり、ネットサーフィンをしたり、趣味の手芸をしたりと多目的に利用しましょう。

 

自分のプライベートなスペースがあると、気持ちが安定しやすくなります。

自分好みのテイストにして、ゆっくりとくつろげるスペースに仕上げていきましょう。

 

まとめ

alt=“二世帯住宅の間取り”

二世帯住宅に住むお嫁さんが感じがちなストレスやその原因、さらに対策方法をまとめてお伝えしました。

  • 生活音を気にしないで済むように、親世帯を上階にするか、家の遮音性を高める
  • 完全分離型にして、水回りも自由に使えるようにする
  • 二世帯住宅の計画が上がったら、費用面についてとことん話し合う
  • 自分だけのスペースをつくって、気兼ねなくくつろげる場所を確保する

 

もちろんお嫁さんだけでなく、家族全員がストレスを感じない家にすることが大切です。

お互いの生活を尊重しながら、二世帯住宅の魅力を活かしていきましょう。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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