4階建ての家│快適な間取りに整える方法を5つご紹介

4階建ての家

限られた土地に家を建てる場合は、床面積を増やすために3階建て、4階建てとフロアを増やす必要があります。

このような階層の多い住宅は、「人気のエリアに住める」「土地代を抑えられる」などのメリットがある反面、「狭くて窮屈そう」「階段の移動が大変」「広い庭を持てないのは残念」など、間取りへのデメリットが目立つ印象です。

実際にこのような家であれば、決して快適とはいえませんし、動きにくいので時間効率の悪い生活を送ることになるでしょう。

さらに年齢を重ねた頃には、ほとんどのスペースを使わなくなるかもしれません。

そうならないためには、4階建て住宅に適した間取りに整える必要があります。

 

こちらの記事では、4階建て住宅で快適に過ごすために、どのような間取りに整えればいいのか詳しくご紹介します。

これから狭小地に新築を検討中の方はぜひ参考にしてください。

 


- point -

  • 4階建ての家の間取りの整え方をご紹介します。
  • 階段の不安を解消して、将来的にも快適な間取りにしていきましょう。
  • 4階建て住宅は狭く、暗くなりがちですが間取りの作り方で開放的な印象をえられます。

 

− contents −
◼ 4階建ての家│快適な間取りに整える5つの方法
 ◼ ① 水回りをまとめて家事動線を整える​​​
 ◼ ② ファミリークローゼットで収納スペースを確保​​​​
 ◼ ③ エレベーターの設置で将来への不安を解消​
 ◼ ④ リビングが暗くなる場合は吹き抜けをつくる​
 ◼ ⑤ 外の空間を楽しめるスペースをつくる​​​​
◼ まとめ

 

4階建ての家│快適な間取りに整える5つの方法

【もくよん】防火地域内の木造4階建て

4階建て住宅で快適に過ごすための間取りをお伝えしていきます。

家の間取りは、生活のしやすさや時間の効率、体への負担などさまざまなことに大きく影響します。

慎重に検討して、住みやすい家にしていきましょう。

 

① 水回りをまとめて家事動線を整える​

家事を効率的にするために、水回りの間取りをまとめましょう。

水回りの間取りをまとめると、いくつもの作業を同時にすすめることができるからです。

移動距離が短くなるので、時間を有効に使うことができます。

 

毎日行う家事は細かい物を入れると何百種類といわれますが、主に負担の多い作業として「洗濯」と「キッチン作業」があげられます。

洗濯の作業は、洗濯物の分類から始まり、洗濯の回数分ブザーで呼ばれることになります。

もちろん手洗いで仕上る衣類もありますし、洗濯機に入れる前に手洗いが必要な物もあるでしょう。

 

またキッチン作業はお料理の下ごしらえから調理、後片付け、次の日の準備など作業の分割はできますが、長い時間をキッチンで過ごすことも少なくありません。

 

さらにお風呂場も近ければ、お風呂の掃除なども家事の流れに入れ込むことができますし、お子さんがお風呂に入る時のお手伝いもしやすくなるでしょう。

洗濯機は脱衣所に置くことが多いので、キッチンとお風呂(脱衣所)を近くに作れば、家事の効率を大きく上げることができます。

 

4階建て住宅はキッチンとお風呂場が階違いでつくられることがあります。

フロアの広さによっては仕方がないので、階段を挟んだ距離が最短になるよう、間取りを整えることが大切です。

家事効率を上げて、家族とくつろぐ時間を増やしていきましょう。

 

② ファミリークローゼットで収納スペースを確保​

4階建て住宅には、ファミリークローゼットがおすすめです。

生活動線や家事動線を短くすることができるので、家の中の動きに無駄がなくなります。

  • 家族全員の洗濯物が一気に片付く
  • 朝の身支度をするのに寝室に戻らなくてすむ
  • 戻ってきたクリーニングを主寝室まで運ぶ必要がない
  • お風に入る前の用意が楽

 

4階建ての場合は主寝室や子ども部屋を最上階につくることがほとんどです。

出かける前に肌寒いと思って上着が欲しくても、部屋まで取りに戻るのを手間に感じるかもしれません。

ファミリークローゼットがあれば、導線を短くすることができます。

 

さらに床面積がコンパクトな4階建て住宅の場合、各部屋に収納をつくるより、ファミリークローゼットのようにまとめた方が壁や建具が少なくて済みます。

壁で仕切っていない分、収納量を保ったままスペースの節約ができますし、コストの削減にもつながります。

 

③ エレベーターの設置で将来への不安を解消​

4階建て住宅で一番気になるのが、階段での移動ではないでしょうか。

階段への不安や大変さを解消してくれるのは、やはりホームエレベーターの設置です。

ホームエレベーターは各階に1畳ほどのスペースがあれば取り付けることができます。

 

階段での移動は「年齢を重ねてから大変そう」と思われがちですが、小さなお子さんの居るご家庭であっても同様です。

赤ちゃんを抱っこしたまま荷物を運ぶなど、大変なだけでなく危険を伴うかもしれません。

また足をケガしたり、ぎっくり腰になったりと一時的に階段の利用が困難になるケースもあるでしょう。

 

新築時にホームエレベーターの設置をするのがベストですが、初期費用などを考慮して後付けを視野に入れておくのもいいですね。

押し入れや納戸、吹き抜けなどを利用したり、建物の外側に作ることもできます。

 

④ リビングが暗くなる場合は吹き抜けをつくる​

都心部などはお隣との距離が近いので、外の光が入りにくくなりがちです。

リビングに吹き抜けを付けて、上階からの光を採り入れていきましょう。

 

吹き抜けをつくることで、フロア全体に開放感が加わります。

明るく開放的なリビングには、自然と家族が集まってくるでしょう。

 

⑤ 外の空間を楽しめるスペースをつくる​

狭小住宅は庭の敷地を確保することが難しいので、屋上やルーフバルコニーをつくって、外のスペースを楽しんでいきましょう。

ルーフバルコニーとは下の階の天井部分を利用してつくられるスペースで、基本的に屋根はありません。

しっかりと丈夫なフェンスが付けられているので、大人の見守りがあればお子さんを安全に遊ばせることができます。

またプライベート性の高いスペースなので、家族でバーベキューをしたり、家庭菜園などを楽しむのもおすすめです。

 

4階建ての家│間取りの実例をご紹介​

​墨田区T様邸
敷地面積:33.48㎡ (10.12坪)
延べ床面積:97.74㎡ (29.56坪)

約10坪の敷地に建てられた住宅は4層のフロアに、屋上と地下室が加わった6層住宅です。

階段下を利用した収納や土間収納、大きなウォーキングクローゼットなど、十分な収納が整えられているので、生活スペースに物があふれることはありません。

屋上には手洗い場も設置されているので、家庭用プールを出して遊ばせたり、家族でバーベキューをしたりと楽しみが広がります。

フェンスではなくしっかりとした壁が取り付けられていて安全ですし、床のタイルがおしゃれな印象です。

>>>この事例を詳しく見てみる

 

まとめ​

​4階建て住宅を快適な間取りに整える方法として5つご紹介してきました。

  1. キッチンやお風呂などの水回りをまとめて、家事効率を上げる
  2. ファミリークローゼットをつくって、生活動線・家事動線を繋げる
  3. エレベーターを設置して階段の負担を減らす
  4. 吹き抜けを付けて、自然光を採り入れる
  5. ルーフバルコニーや屋上をつくって、外の空間を楽しむ

狭い印象のある4階建て住宅ですが、高さがあるので上階からの景色は開放感そのものです。

エレベーターを設置すれば最上階にリビングを作ることもできます。

快適な間取りに整えて、4階建て住宅の魅力を活かしていきましょう。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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