木造の3階建て住宅を建てる前に知っておきたいこと【事例あり】
狭小地に3階建ての家を建てようと考えた場合、まず気になることは家の構造ではないでしょうか?
狭い基礎から縦に長く伸びる3階建て住宅は、強い地震に耐えられるのか不安がよぎります。
また費用を抑えようと木造住宅を検討するのであれば、火災への配慮も必要です。
こちらの記事では、3階建て住宅の「耐震性」と「耐火性」について詳しく解説します。
また3階建て住宅の魅力を知ってもらうために、メリット・デメリットや事例もまとめていくので、ぜひ参考にしてください。
3階建て住宅の構造を理解して、安心で住みやすい家づくりをしていきましょう。
- point -
- 木造3階建て住宅は地震い強い家にできるのか、また火災に強い家にできるのかをお伝えしていきます。
- 木造3階建て住宅のメリット・デメリットから、特徴を見ていきましょう。
- 実例をまとめるので、木造3階建て住宅の魅力をご覧ください。
− contents −
◼ 木造の3階建て住宅を建てる前に知っておきたいこと
◼ 木造3階建てのメリット・デメリット
◼ 木造3階建て住宅の事例を紹介
◼ まとめ
木造の3階建て住宅を建てる前に知っておきたいこと
木造の3階建て住宅は、鉄骨や、鉄筋コンクリートと比較すると、丈夫さに欠けると思われる方も多いでしょう。
しかし実は、木造住宅であっても強い家づくりをすることは可能です。
3階建てという縦に長い家にすることで起こる地震への不安と、木造で建てることで起こる火災への不安を払拭するために、耐震性・耐火性への理解を深めていきましょう。
木造3階建て住宅│耐震性
木造3階建て住宅でも、耐震性の高い家にすることは十分にできます。
まず耐震性とは、地震に対する建物の強度を表したをものです。
耐震性の高い建物は、地震が起こったときに破損したり倒壊したりしにくい家と言えます。
家を建てるにあたって、さまざまな基準が定められた法律を建築基準法と言い、耐震性についての基準を耐震基準と言います。
この基準は基本的に最低ラインを指した物なので、クリアしていないと建築することはできません。
また家の耐震性については、構造計算によって数値化することが可能です。
構造計算とは耐震性だけでなく、重さに耐えれるか、強風に耐えれるか、歪みを起こさないかなど、幅広く家の強度を知ることができるもので、3階建て住宅の場合は必須とされています。
さらに耐震基準は3つの等級にわかれていて、数字が大きい方が耐震性が高いと言えます。
3階建ての設計をする際は耐震等級についても確認し、不安要素が残る様であれば、強度を増すためのオプションを検討してみましょう。
木造3階建て住宅│耐火構造
都市計画によって定められた防火地域に家を建てるには、防火対策がされた建物である必要があります。
防火対策がされた建物には「耐火建築物」「準耐火建築物(旧:簡易耐火建築)」の2種類があり、耐火対策性能の度合いによって区別されます。
木造3階建て住宅であっても、耐火構造を満たした家づくりが可能です。
木造住宅は燃えやすいイメージがありますが、それは古い家の印象にすぎません。
防火地域などの規制が定められた約1950年以前の建物は、この基準を満たしていない住宅も多く、近年であっても火災の燃え広がりの原因になることはあるでしょう。
しかし耐火構造が施された建物は、火災による倒壊がしにくく、外からの火が室内に燃え移らない、室内の火が外に燃え移らない設計がされているので、もし火事が起きても燃え広がりにくい造りになっています。
耐火構造を満たした木造住宅で、安全性の高い家づくりをしていきましょう。
木造3階建てのメリット・デメリット
木造3階建ての構造に対する不安が払しょくできたところで、生活や費用面でのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
3階建て木造住宅による生活のメリットは次の通りです。
- 生活スペースが拡大できる
- ビルトインガレージにできる
- 上階は景観がよく開放感がある
- 二世帯住宅にしやすい
- 賃貸併用住宅にして家賃収入を得ることができる
- 店舗併用住宅にして住まいと仕事を共有できる
- 狭い土地に建てることができるので、土地代を抑えられる
- 都心部に家を建てやすい
- 鉄筋コンクリートや鉄骨造と比較すると費用が抑えられる
このように3階建て木造住宅には、魅力あふれるメリットが豊富にありました。
特に狭小地でも生活スペースの確保がしやすいので都心部に住めることや、フロアを分けやすいことで1階部分を他の用途に使いやすいことが特徴としてあげられます。
デメリット
3階建て木造住宅による生活のデメリットは次の通りです。
- 階段が老後の負担になる
- 建築費用が高くなる
- 建物の高さがあるので、メンテナンス費用がかかる
階段の負担は若い内であってもデメリットと感じられるかもしれません。
生活スペースを集めた間取りにしたり、ホームエレベーターの設置をして対策を立てていきましょう。
また建築費用がかさむことは、土地の費用が抑えられることで賄えるかもしれません。
都心部に住むことを目的とするのであれば、3階建て住宅は有効な選択と言えるでしょう。
先にお伝えした「構造計算」は3階建て住宅に必須となるので、費用の加算になります。
しかし家の構造の安全性を確認できることを考えると、無駄には感じられないでしょう。
木造3階建て住宅の事例を紹介
耐火構造を施した木造3階建て住宅の事例をご紹介します。
【木造耐火構造】敷地29.22坪|延床39.3坪
防火規制区域に建てられた木造3階建て住宅は、明るいリビングが印象的です。
「コストを抑えながらも希望に合った家づくりができる」というのが、木造住宅にした理由。
1階スペースは、ビルトインガレージとお風呂、洗面台が配置されています。
家事動線・生活動線への工夫
急な雨から洗濯物を守るためにインナーバルコニーがつくられています。
さらに2階にも洗面室を設けることで、朝の身支度を2階部分で完結できるよう整えられているなど、生活動線・家事動線への配慮がつまった間取りです。
収納への工夫
リビングの一角に小上がりをつくることで、段差を利用した大容量の収納スペースの確保ができています。
さらに玄関の外側に収納スペースを設けることで、外遊びの道具などを家に持ち込まずに済みます。
【防火地域の木造3階建て住宅】敷地13.41坪|延床26.67坪
防火地域の土地に建てられた木造3階建て住宅は、間口2m62㎝とかなりコンパクトな印象です。
鉄骨だと柱の太さが影響して希望のプランが叶わないことから、間取りの自由度が広がる木造住宅を選択されています。
外の空間を楽しめるルーフバルコニー
ルーフバルコニーはスペースが広いので、庭のように外の空間を楽しむことができます。
家族でバーベキューをしたり、ガーデニングや家庭菜園などもおすすめです。
家事のしやすいキッチン
通常のキッチンでは通路を確保することができないので、Ⅱ型キッチンを採用。
振り返るだけで次の作業にすすめる効率の良さが魅力です。
間口狭い狭小住宅であっても、工夫次第で生活のしやすい間取りを整えることができます。
まとめ
3階建て住宅は生活スペースの確保がしやすいので、都心部などの狭小地に多くみられます。
フロアが多いと建築費用がかさみがちですが、木造にすることで負担を減らすことができますし、木造ならではの温かみを感じることもできるでしょう。
狭い敷地に縦長く造る3階建て住宅でも、耐震性の高い設計をすることで、強い地震に耐えられる家づくりが可能です。
また燃えやすい印象のある木造住宅ですが、耐火基準をしっかりと満たすことで、火災に強い家になります。
大切な家族のために、丈夫で安全な家づくりをしていきましょう。