賃貸併用住宅の後悔しそうな3つの理由│対策を立てて失敗を回避しよう
家賃収入を得ることができる賃貸併用住宅は、住宅ローンの負担を軽減したい方や、老後の収入を確保をしたい方におすすめです。
都心の狭小地であっても賃貸併用住宅の建築は可能で、多層階にすれば賃貸部分を増やすこともでき、自宅を最上階に位置すれば、日当たりと景観のいい開放的な生活が送れるでしょう。
エレベーターを設置するすることで、将来的な不安もありません。
そんな魅力の高い賃貸併用住宅ですが、しっかりと計画を立てておかないと住み始めてから後悔してしまう場合もあります。
今回は賃貸併用住宅の後悔ポイントとして3つご紹介していきます。
それぞれの対策も一緒にご提案するので、後悔しないようしっかりと確認していきましょう。
賃貸併用住宅の建築を計画されている方は、ぜひ参考にしてください。
- point -
- 賃貸併用住宅の後悔しそうなポイントを理解すれば、計画段階で対策を立てることができます。
- トラブルやストレスを感じない、賃貸併用住宅の造り方をご紹介します。
− contents −
◼ 賃貸併用住宅の特徴
◼ 賃貸併用住宅の後悔しそうな3つの理由と対策
◼ まとめ
賃貸併用住宅の特徴
▶【女性専用賃貸建物】敷地面積約163㎡(約49坪) 建築面積97㎡(約29坪) 延床面積 229㎡(約69坪)
賃貸併用住宅とは、自宅部分と賃貸部分が同じ建物の中にある住宅の形をいいます。
土地の活用法として有効な手段で、主に次の様なメリットがあります。
- 自宅部分を併設するので、住居として利用できる
- 賃貸部分を併設するので、家賃収入を得ることができる
- 更地の状態よりも賃貸併用住宅を建設した方が節税になる
建築の工法はさまざまで、木造住宅から重量鉄骨やRC造など、規模によってわけられます。
では次に、賃貸併用住宅の後悔しそうなポイントについて詳しく見ていきましょう。
賃貸併用住宅の後悔しそうな3つの理由と対策
賃貸併用住宅の後悔ポイントは、住みにくさや、運用が続けられない状況になること、又運用が上手くいかなくなることがあげられます。
他人と同じ建物に住むストレスに後悔
賃貸併用住宅とは自宅部分と賃貸部分が同じ建物内にあるので、第三者と同じ屋根の下に暮らすことになります。
アパートやマンションを思えば特別なことではないように思えますが、造り方を誤ってしまうと後悔するほど生活のしづらさを感じてしまいます。
- 将来のことを思って1階部分を自宅にしたら、上階の生活音が気になってストレスを感じる
- 下の階の人へ生活音が響かないか意識をする毎日に後悔する
- ドアを閉める音や歩く音が響くと、入居者からの苦情が多い
- エントランスから自宅用に作った庭が見えてしまう
- 玄関付近で入居者と顔を合わせることが多い
毎日のことなので生活の快適さが大幅にそがれるうえ、入居者の満足度を上げることができないので、退去者を増やしてしまう要因になり兼ねません。
どのような対策をとることができるのか見ていきましょう。
生活音への対策
生活音への問題は、建築方法で対策するのが有効です。
一般的には木造住宅よりも鉄骨住宅の方が遮音性に優れていると言われていますが、木造住宅であっても防音対策をしっかりとすれば住みやすい環境を整えることができます。
- 遮音性の高い、床材や壁材を利用する
- 気密性の高い形状の窓と、厚手のガラスを採用する
- 周辺環境に配慮して窓の取り付け部分を決める
- 賃貸部分がワンフロに並ぶ際は、寝室と、隣のリビング・水回りの間取りを遠ざける
- ピアノなどの楽器に対する決まりを設ける
- 吸音性と遮音性に優れた配管を利用して、水が流れるゴボゴボを対策する
防音性の高さを追求すると、費用がかかってしまうので、どの程度まで対策するかは予算にかかってきます。
また「静かな暮らし」を売りにすれば、家賃を若干高く設定することもできるでしょう。
プライバシー確保への対策
特に自宅部分に家族で住むのであれば、プライバシーの確保は優先課題です。
入居者としても、オーナーと頻繁に顔を合わせる生活には、ストレスを感じてしまうかもしれません。
まずは家へ入るまでの動線を、入居者とできるだけ分けられるよう設計していきましょう。
入り口付近に植栽をして目隠しにするのも有効です。
費用がかさみますが、自宅専用のエレベーターを設置することも検討しましょう。
プライバシー確保のために、共有部分をできる限りなくしていくことが大切です。
予定になかった引越しに後悔
せっかく賃貸併用住宅を建てて、自宅の環境も整ったのに、急に引越しをしなくてはいけない状況になるかもしれません。
どのような対策が取れるのか見ていきましょう。
自宅スペースも賃貸として利用する
引越しをするのであれば、自宅用に作ったスペースも賃貸部分として利用することができます。
通常、自宅部分のスペースは広く設定され、生活環境も優先して作られます。
そんな自宅スペースなら、他の賃貸部分と比較すると、高い賃貸料で借り手が付くかもしれません。
自宅スペースを賃貸として利用する可能性が少しでもあるのなら、できるだけ一般的な間取りやデザインに整えておきましょう。
一般的に好まれるスタイルにする
賃貸併用住宅はアパート経営などに比べると、まだまだ一般的とはいえず、販売したくても買い手が見つかりにくいデメリットがあります。
個性がありオシャレな住宅は目をひきますし、自宅としての利用目的があるので好みを形にしたいと思うのは当然です。
しかし個性の強いテイストでまとめてしまうと、入居者の一部にニーズがあるかもしれませんが、建物を購入する側としてはリスクと感じるかもしれません。
賃貸部分と自宅部分、外装なども一貫して、一般的に好まれるスタイルにしておいた方が賢明です。
部屋に借り手がつかないことへの後悔
賃貸併用住宅を建てる目的でもあり、最大のメリットともいえる家賃収入を得るには、入居者がいないと話になりません。
空き部屋の状態が続いても、ローンの支払い額は変わらないので、赤字経営になる恐れもあります。
「借り手が付かない」と後悔しないためには、どの様な対策が有効なのか見ていきいましょう。
周辺環境を詳しく調べる
賃貸併用住宅を建てる際は、周辺環境をとことん調査する必要があります。
- 学校や病院、スーパーなどへの交通の便
- 周辺のアパート・マンションの空き状況
- 周辺のアパート・マンションの需要傾向
- 周辺のアパート・マンションの家賃設定
賃貸部分を環境や需要に合ったものにすることで、借り手が付きやすく、安定した運用が期待できます。
個人で調べるのは限界があるので、専門の知識をもった会社に委託するのもおすすめです。
まずは建築依頼を予定している会社に相談してみましょう。
オーナーとは完全な分離型にする
賃貸併用住宅とアパートの大きな違いは、オーナーの自宅が併設されていることです。
この環境を「安心」ととらえるのか「窮屈だ」と感じるかは入居者の層によって違いがあるかもしれません。
窮屈と捉えられないように、自宅と賃貸部分をしっかりと分けていきましょう。
プライバシーを守る方法でもお伝えしたように、共有部分をできるだけ作らないことで、入居者からオーナーの存在が感じられにくくなります。
家に入るまでの動線は、オーナーと入居者が重ならないように設計しましょう。
まとめ
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賃貸併用住宅を作って後悔しないためには、建築段階での計画を念密にする必要があります。
- 防音対策をたてて、生活音による問題が生じないようにする
- 自宅のプライバシーが守られるよう、入居者との共有部分を極力減らす
- 自宅部分も賃貸として利用できるよう、一般的な間取りやデザインに整えておく
- 一般的に好まれる住宅にしておくことで、販売する際に買い手が付きやすくなる
- 空き部屋が発生しないよう、周辺環境を調査する
- オーナーの自宅が併設されていることで入居をさけられないために、完全に分離した設計にする
このように対策を立てることができれば、後悔することも避けられるはずです。
自宅としての環境を整えつつ、家賃収入を得る経営者として、魅力のある賃貸住宅にしていきましょう。