3階建てでも老後に快適に暮らすには?家づくりのポイントをご紹介

3階建て老後

敷地の狭い土地に戸建てを建てる場合、できるかぎり空間を有効活用するために『3階建て』を検討する人も多くいるのではないでしょうか。限られた面積でも居住スペースを確保することができるため、大きなメリットがある一方で、「階段の上り下りが大変」というデメリットも。

若いうちは気にならなくても、子育てが終わり、年を重ねていく老後のことを考えると『3階建ての住宅は暮らしにくいのでは?』と心配に感じるという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、『3階建て住宅でも老後に快適に暮らすためのコツ』についてご紹介します。

階段以外にも、老後になると不便に感じるポイントは意外にもたくさんあります。事前に対策をしておくことで、長く快適に住み続けられる家づくりができますので、ぜひ参考にご覧ください。

 


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老後になると階段の上り下りが苦痛に感じるだけではなく、温度に敏感になったり防犯対策に不安を感じることも。
老後を見据えて間取りを工夫したり、機能面でも快適な空間づくりができるよう対策をすれば、3階建てでも長く安心して住み続けられる家づくりが叶います。


 

− contents −
◼ 3階建て住宅のメリット・デメリット
◼ 3階建て住宅で老後に困るポイントとは?
◼ 3階建てでも老後に快適に暮らすポイント
◼ まとめ

 

 

3階建て住宅のメリット・デメリット

3階建ての住宅

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まずは、3階建て住宅にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

 

・3階建て住宅のメリット

3階建てにすることの最大のメリットは、縦にスペースを確保することで「土地を最大限に有効活用できる」点です。そのため、狭小地が多い都市部では、新築を建てる際に「3階建て」を採用する人も多くいます。

また3階建ての家は、高い位置から景色が見られるため、見晴らしが良くなることもメリットのひとつです。3階部分にベランダを設けたり、屋上付きの家にしたりすれば、自宅にいながらも屋外にいるような開放的な生活を送ることができます。

3階建てで多いのが、2階部分にリビングダイニング、キッチンを設置する間取りです。そうすることで、日当たり・風通しのよい空間で過ごすことができるのも嬉しいポイントです。

 

・3階建て住宅のデメリット

反対に3階建てのデメリットは、「さまざまな規制に影響を受けやすい」という点です。

たとえば「最高で10m前後」と高さ制限あったり、準防火地域に指定されている場合は、2階建て住宅よりもかなり厳しい規制がかかっていたりします。家の構造や機能性については、業者とよく相談しながら話を進めていく必要があるでしょう。

もう一つは、1階から3階まで上り下りしたりなど、「生活における移動が増える」という点です。若いうちは、慣れてしまえばそこまで気にならないかもしれませんが、高齢になると生活するうえでかなり不便に感じてしまうでしょう。

 

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3階建て住宅で老後に困るポイントとは?

階段

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さて、ここからは3階建てならではの『老後に困るポイント』について解説します。

 

・階段の上り下りが大変

まずは、3階建て住宅のデメリットでも述べた通り、「階段の上り下りが大変」という点です。2階建てであっても階段はありますが、3階建てとなると、生活する中で階段を利用しなければならない場面は必然的に増えてくるでしょう。階段の問題は、老後を見据えた家づくりにおける最大のポイントとなります。

 

・生活上の移動に苦労する

3階建ての場合、「1階は風呂場、2階はリビングダイング、3階は寝室」といったように、部屋があちらこちらに分散しているような間取りになってしまいます。それによって、生活する中で必要な移動距離が必然的に増えることになります。身体に負担を感じやすい高齢者にとっては、移動の多い生活に苦痛を感じてしまう人も多くいるでしょう。

 

・温度差に敏感になる

年を重ねていくと、温度差に対してより敏感になります。そのため、1階と2階、2階と3階で温度差があると、快適に過ごせなくなってしまう可能性があります。老後は家で過ごす時間も増えるため、常に快適に過ごせる住まいづくりが大切になります。

 

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3階建てでも老後に快適に暮らすポイント

老後に困るポイントを踏まえたうえで、『3階建てでも快適に暮らすための具体的なポイント』を8つ解説します。

3階建ての住まいをお考えの方は、ぜひ以下のポイントを意識しながら家づくりを進めてみましょう。

 

①生活導線を考えた間取りにする

間取りを考える際には、生活導線を十分に考慮しましょう。たとえば、2階はリビングダイニング、3階はお風呂と寝室にするなど、生活するうえでなるべく移動が少なくなるような間取りにします。1日のうち頻繁に利用するトイレなどは、各階に設置することも検討してみましょう。

 

②階段やお風呂に手すりを付ける

お風呂

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バリアフリー化を徹底しておくことも、老後の暮らしやすさにつながります。上り下りすることが多い階段や、転倒しやすいお風呂・トイレなどには手すりを取り付けておきましょう。手すりは老後になってから取り付けることもできますが、いずれ必要となるものであるため、新築工事のタイミングで設置してしまうと後が楽になります。

 

③段差を少なくする

若いときには気にならなくても、老後になると移動の障害となったり転倒する原因にもなってしまうため、段差の数はできるだけ少なくなるように心がけましょう。階段の段差も、差が大きいと上り下りに余計に苦労してしまうため、段差の小さい階段にするのがおすすめです。

 

④ホームエレベーターを設置する

ホームエレベーター

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老後に心配な「階段の上り下り問題」を解決してくれるのが、『ホームエレベーター』です。階段を利用する必要がなくなるだけではなく、車椅子での移動も楽になります。ホームエレベーターを設置するかどうかは、間取りやコスト面にかかわってくるため、事前に業者とよく相談したうえで決めましょう。

 

⑤高気密性・高断熱性にする

3階建ての家は、上階に熱が上がっていき、下階は寒くなりやすい傾向があります。温度差の問題を解決するためには、高気密性・高断熱性の家づくりを心がけましょう。隙間が生じることのないように、手厚く断熱材を敷き詰めたり断熱効果の高い材料を使用するなどの工夫をしましょう。

 

⑥全館空調システムを取り入れる

空調のある部屋

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3階建ての住まいには、全館空調システムがおすすめです。全館空調システムとは、1台の空調機で家中の冷暖房をコントロールできるシステムです。3階建ての場合、すべての部屋にエアコンを設置すると費用もかかってしまううえに、部屋ごとに冷暖房を管理するのは非常に手間もかかります。

 

⑦防犯対策をする

老後に一人暮らしや夫婦だけで暮らすとなると、3階建ての家は部屋数が多くすべて部屋に目が行き届かないため、防犯対策をしっかりしておくことも大切です。防犯カメラを設置したり、業者に依頼して警備システムを導入してもらうなど、安心して暮らせるように対策をしておきましょう。

 

⑧リフォームも視野に入れておく

リビング

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最終手段として、将来的にはバリアフリーを考慮したリフォームを視野に入れておきましょう。リフォームの際には、部屋を仕切る壁を撤去する可能性もあります。ですが、3階建ての住宅は構造上の制約が多いため、後から自由に壁を取り除くことができません。そのため、将来取り除く可能性のある壁については、自由に取り外せるものを採用することをおすすめします。

 

■関連記事:3階建て狭小住宅の間取りポイントと建築実例まとめ

 

まとめ

いかがでしたか?今回は、3階建て住宅ならではの老後の不安について、『老後も快適な暮らしをするためのポイント』をご紹介しました。事前に対策をしておくことで、3階建てでも長く暮らしやすい住まいをつくることは十分可能です。老後も困らない家づくりの参考に、ぜひお役立てください。

クレバリーホーム東京は、狭小住宅・3階建て住宅の実績が豊富にございます。注文住宅の家づくりに関する疑問は、クレバリーホーム東京にお問い合せください。数多くの実績をもとに、お客様一人ひとりに寄り添った家づくりをさせて頂きます。いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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