ビルトインガレージの後悔しない作り方│狭小住宅に最適な駐車場をご提案​

 

ビルトインガレージの後悔しない作り方

都心の狭小地に家を建てるなら、ビルトインガレージがおすすめです。

人気のエリアで駐車場を借りるのは難しく、ランニングコストも大きく膨らみます。

  • 近隣に月額駐車場がない、又は空きがない
  • 月額駐車場が空いていても、毎月数万円を支払い続けるのは辛い
  • 手頃な駐車場を見つけても環境が悪く、家からの距離がある

 

限られた土地の広さに駐車場を設けては、居住スペースが大きく削られてしまいます。

しかし、どうしても車を手放すことができない……

そんな悩みを「ビルトインガレージ」が全て解消します。

 

ビルトインガレージは家の一部になるので、作りに満足できなかったとしても手直しなどが簡単にはできません。

後悔するポイントがないよう、慎重に計画していきましょう。

 

こちらの記事では、ビルトインガレージの後悔しない作り方を、さまざまな角度から解説していきます。

ビルトインガレージを作ろうか迷っている方、ビルトインガレージの作り方に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

狭小住宅に最適なビルトインガレージを作って、快適なカーライフを送りましょう。

 


- point -

  • ビルトインガレージの後悔ポイントを、設計前に理解することで十分な対策を取ることができます。
  • さまざまな後悔ポイントを理解して、何を重視すべきか優先順位を付けていきましょう。

 

− contents −
◼ 費用面での後悔ポイント​​​
◼ シャッター音・エンジン音への後悔ポイント​​​​
◼ 将来の生活に対する後悔ポイント​│老後の生活​​​
◼ 将来の生活に対する後悔ポイント​│車の買い替え​​​
◼ まとめ

費用面での後悔ポイント​

まずは費用面の後悔ポイントをご紹介します。

ビルトインガレージは、一般的なカーポートタイプの駐車場と比較すると、建築費用がかかります。

  • 耐久性・耐震性を高めるために、ビルトインガレージ部分を重量鉄骨造やRC住宅造で強化する
  • ビルトインガレージの床を、水や油に強い素材にする
  • ビルトインガレージの換気や空調を整えるよう設備する
  • 防犯面を高めるためにシャッターを付ける

しかし住居以外の敷地が必要ないので、購入する敷地面積を減らせることはかなりの負担軽減に貢献します。

また先述したように、有料駐車場を借りた場合は、毎月の費用が生活の負担になり兼ねません。

 

強くて快適なビルトインガレージにするには、かなりの費用がかかりますが、土地代がかからないことや、ランニングコストがほぼかからないことを考慮すると、長い目で見た場合コスパは悪くないと言えるでしょう。

 

そんなビルトインガレージ作った方の中では「固定資産税が高くなった」「思っていた以上に費用がかかった」などと、後悔の声があがっているようです。

費用面での後悔ポイントを知って、できるだけ回避していきましょう。

 

固定資産税を考慮した広さにする​

設計

ビルトインガレージを広く作ってしまうと、固定資産税に影響が出る場合があります。

ビルトインガレージは、建物の延べ床面積の1/5以内に設計すると、延べ床面積に加算されません。

固定資産税は家を所有している限り支払う必要のある税金なので、できる限り安く済ませましょう。

 

施工費用をできるだけ抑える​

ビルトインガレージは実用性を重視して作る方と、車が趣味で作る方に大きくわかれます。

ビルトインガレージを作る目的が「車が好き」な場合、こだわり過ぎて費用がかさむことが予想されます。

  • ビルトインガレージで車を触る時間が趣味なので、空調にこだわった
  • カッコイイガレージにしたくて、壁の素材にこだわった
  • 夜でも雰囲気のいい空間にするため、照明にこだわった
  • リビングからビルトインガレージに停めた車が見れるよう、全面ガラス張りにした

贅沢だと思われるこだわりも予算内で収まるなら、ビルトインガレージで過ごす時間が至福のひと時となるでしょう。

しかし後悔するようでは問題ですし、居住スペースの予算にしわ寄せがいき兼ねません。

優先順位を明確にして、できる範囲で理想を形にしていきましょう。​

 

シャッター音・エンジン音への後悔ポイント​

▶2階に明るい吹抜けがあるリビングを実現した屋上付き技あり注文住宅

次に「音」に関する後悔ポイントです。

ビルトインガレージは居住スペースと密着しているため、車のエンジン音やシャッターの開閉音にストレスを感じている人が少なくありません。

遅い時間や早朝に車の出し入れをしなくてはいけない場合、寝ている家族への配慮が必要です。

とはいえ使い方で何とかなるものではないので、新築設計の時に十分な対策を立てていきましょう。

 

居住スペースの間取りを考慮する​

ベッド

ビルトインガレージの真上にあたる部分に、寝室を設計するのを避けましょう。

3階建ての住宅であれば、最上階に寝室を設けることでエンジン音の響きや、シャッターを開閉する振動などが届くのを軽減できます。

 

勉強に集中する必要がある子供部屋も、寝室同様にビルトインガレージから遠ざけた間取りにしましょう。

静かさを特に求めない場所といえば、水回りやリビングダイニングなどです。

ファミリークローゼットなどの大型収納を、ビルトインガレージの上に設置するのもおすすめします。

 

電動のシャッターを設置する​

ビルトインガレージのシャッターを手動のものにすると、開閉時の音が大きく響きます。

電動のシャッターであれば、それほど大きな音は出ないので、音へのストレスを感じにくくなるでしょう。

 

また電動シャッターにすると、車から降りなくても開閉ができるので、雨の日や急いでいる時など非常に便利です。

将来の生活に対する後悔ポイント​│老後の生活

ビルトインガレージにすることで、階段での移動が増えます。

限られた敷地内で居住面積を確保するためには、2階建て、3階建てと縦に間取りを伸ばすしかありません。

 

家の中を移動する際に、階段の上り下りが必要になるので、老後の生活を考えると後悔ポイントとなります。

階段での移動が億劫になり部屋での時間が長くなると、外に出かける機会も減り運動不足になるかもしれません。

階段を降りる際の転倒事故は多く、手すりを付けているだけでは回避できないでしょう。

 

ホームエレベーターを設置する

▶エレベータのある3階建て住宅

多層階の住宅にはホームエレベーターの設置をおすすめします。

費用はかさみますが、まるでフラットな平屋にすんできるような快適な生活が送れるでしょう。

 

先程、老後の生活を考えて後悔するとご紹介しましたが、小さなお子さんがいるご家庭であっても同じです。

また毎日重い食料品を買い出しして、キッチンまで運ぶのも一苦労でしょう。

ホームエレベーターを設置すれば、更に階層を増やしたり、屋上を作る選択も広がります。

 

将来の生活に対する後悔ポイント​│車の買い替え

▶1階で愛車を眺め、屋上で家庭菜園を楽しむ、夫婦夢の注文住宅

ビルトインガレージのスペースを狭く作り過ぎると、将来に乗り換える車の車種が限られてきます。

  • 子どもが増えて大きなファミリーカーに乗り換えたい
  • キャンプの趣味ができたので、荷物がたくさん運べる車に乗り換えたい

せっかくビルトインガレージを設置できても、好みの車に乗れないとなると大きな後悔になるでしょう。

 

ビルトインガレージの広さに余裕をもたせる

ビルトインガレージに停められる車種の選択枠を広げるには、ビルトインガレージの広さを横幅3500㎜、奥行き6500㎜程度確保しておきましょう。

  • ファミリーカーの大きさ・・・横幅約1700㎜・奥行き約4700㎜
  • 荷物もたくさん運べる4WDの大きさ・・・横幅約2000㎜・奥行き約5000㎜

このような大型車であっても乗り降りに困ることはありませんし、バックドアを開けて荷物を積み下ろしをすることもできます。

ビルトインガレージに面している道路の幅が狭い場合は、駐車スペースの横幅がないと停めにくいので、道路の幅も確認しておきましょう。

 

関連記事:【ガレージハウス】狭小住宅でも実現できる車のある暮らし

 

まとめ​

▶間口が狭く、奥行きが深い。木造吹抜け付きの地下室、1〜3階、屋上の5層住宅

ビルトインガレージの後悔ポイントを、費用・音・将来性にわけて解説しました。

どれも設計段階での対策を立てることが必要です。

  • 延べ床面積の1/5以内に設計して、固定資産税の軽減をする
  • 施工費用を予算内に収めるため、デザインなどにこだわり過ぎない
  • ビルトインガレージと寝室を離して、音のストレスを軽減する
  • ビルトインガレージのシャッターを電動にして、開閉音や振動を軽減する
  • ホームエレベーターを設置して、階段への負担をなくす
  • ビルトインガレージの広さに余裕をもって、乗り換えする車種の幅を広げる

 

後悔ポイントへの対策として上記を全て整えるには、費用面や間取りへの負担が大きくかかります。

家づくりの総合的な優先順位を明確にして、できる範囲で設計していきましょう。

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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