ビルトインガレージとは│狭小地域におすすめの理由を解説​

ビルトインガレージとは

こちらの記事ではビルトインガレージとはどのような物なのか、深く掘り下げて解説していきます。

 

ビルトインガレージとは狭小地などでも人気のスタイルで「家の一階部分が駐車スペースになっているガレージ」と周知されています。

しかしビルトインガレージの魅力はさまざまなので、全てを理解している方は多くないでしょう。

 

ビルトインガレージを作るメリットを理解することで、車を所有する選択が広がり生活が快適に整います。

さらにデメリットも理解して、対策を練っていきましょう。

これからビルトインガレージの設計などを計画されている方もぜひ参考にしてください。

 


- point -

  • ビルトインガレージのメリットを理解することで、狭小地であっても自宅に駐車場を設ける選択の幅が広がります。
  • ビルトインガレージのデメリットは、新築時に対策を立てられること、将来的な対策を計画すること、視点を変えることで解消できます。

 

− contents −
◼ ビルトインガレージとは​​
◼ ビルトインガレージのメリット​​​
◼ ビルトインガレージのデメリット​​​
◼ まとめ

ビルトインガレージとは​

▶間口が狭くて奥行きがある縦長敷地に狭小3階建て

​ビルトインガレージとは、駐車場を家の一部に組み込んだ駐車スペースのことです。

インナーガレージと呼ばれたり、ビルトインガレージのある家をガレージハウスと呼んだりします。

愛車を雨風から守れるだけでなく、車のメンテナンスなどにこだりをもつ方にとっては最高の趣味部屋と言えるでしょう。

 

ビルトインガレージを設計するには、容積率と建ぺい率を理解しておくことが大切です。

まずビルトインガレージは、容積率の緩和を受けることができます。

容積率とは敷地面積に対する、延べ床面積の割合をいいます。

ビルトインガレージの面積の割合が、延べ床面積に対して1/5までであれば、床面積に含まれません。

上限から外れた部分は、延べ床面積に加算されるので気を付けましょう。

 

家を真上から見た時の、敷地面積に対する建物面積の割合を建ぺい率と言います。

ビルトインガレージは、建ぺい率の緩和措置を受けられる条件を満たしていません。

 

この容積率と建ぺい率は、建物の用途や地域によって細かく設定されています。

この範囲を守って住宅建築を計画していきましょう。

参考記事:同じ土地でも建てられる家の大きさが変わる? 容積率緩和とは

 

ビルトインガレージのメリット​

▶地下室と半地下でビルトインガレージ

ビルトインガレージのメリットは、家の一部に組み込まれたガレージという特徴からうまれます。

カーポートなどを利用した駐車場とは大きく違うビルトインガレージのメリットを、大きく3つにわけてご紹介します。

 

狭小地であっても駐車場を作れる​

ビルトインガレージは、広い敷地面積がなくても駐車場を確保できる唯一のスタイルです。

1階に設けたビルトインガレージの上を、居住スペースとして利用できるので、駐車場と住居の敷地をわけて考える必要はありません。

 

ビルトインガレージを利用する車種にもよりますが、車一台に必要な広さは幅約3メートル奥行き約6メートルです。

両側の扉を開けて乗り降りができるギリギリの幅ですが、助手席側はスライドドアを利用することが多いご家庭はゆとりをもって駐車することができるでしょう。

また約3.5メートルあれば、車の左右スペースを0.8~0.9メートル開けることができるので、両側からの乗り降りが楽にできます。

工具や洗車道具を収納する、ラックなどを配置することも可能です。

15坪(50㎡)ほどの土地に建てられる狭小住宅であっても、1階部分にビルトインガレージと玄関フロアなどをととのえることが十分にできます。

参考記事:狭い敷地内の一戸建て。狭小住宅とは?

 

玄関までの動線が短い​

ビルトインガレージは住居の下に位置するので、玄関までの動線が短くなります。

またガレージと居住スペースを、勝手口などで直接つなげることも可能です。

 

雨の日に買い物してきた荷物を運び入れるときや、小さなお子さんを家に入れるときなど非常に便利です。

さらにビルトインガレージ→パントリー収納→キッチンの動線を繋げることで、毎日のように買い物をする食料品や生活雑貨を効率よく収納することができます。

狭小住宅で2階にリビングダイニングを設ける場合は、ビルトインガレージからの扉と階段を近づけるだけでも、生活動線・家事動線を整えることができるので、動きに無駄がなくスムーズな生活が送れるでしょう。

 

防犯性が高い​

ビルトインガレージに施錠付きのシャッターを取り付ければ、車上荒らしや車へのいたずら、ガレージ内の物が盗まれにくくなります。

車に物をぶつけられたり、野良猫が車の上に乗ってきたりして、愛車をキズ付けられることもないでしょう。

 

また安全なスペースなので車を利用している間は、子どもを遊ばせることもできます。

庭などが作りにくい狭小住宅であれば、外遊びができる貴重なスペースになるでしょう。

シャッターを利用すれば、道路への急な飛び出しによる事故や、不審者から守ることもできるので安心です。

 

ビルトインガレージのデメリット​

▶子育て中の共働き夫婦にやさしい工夫がいっぱいの防火規制区域に適した家

次にビルトインガレージのデメリットについてお伝えしていきます。

デメリットを事前に理解して、できるだけ対策を立てていきましょう。

 

居住スペースが1階上がる​

ビルトインガレージは、1階の敷地面積を大きく使用するので、居住スペースが縦に伸びることになります。

狭小住宅であれば、ビルトインガレージと玄関ホール、階段スペースで、1階部分の間取りが埋まることもあるので、居住スペースは2階以上で全て構成されます。

2階のリビングは風通しもよく、日差しも入りやすいという快適な環境ではありますが、年齢を重ねると階段の上り下りが足腰の負担になり兼ねません。

さらに車いすの生活になってしまったら、人の手を借りなくては出かけることもできなくなります。

 

そんなデメリットを解消できるのが、エレベーターです。

若い内はエレベーターの必要性を感じにくいですし、新築計画にエレベーターの初期費用がかかるのは負担が大きく、間取りへの制限も窮屈に思えるでしょう。

エレベーターは必要になってからでも取り付けができるので非常に便利です。

今の間取りの、使わない部屋や押し入れ収納、ガレージの一角を利用してホームエレベーターの設置を検討しましょう。

将来的に対策が取れることを理解していれば、3階建て4階建て住宅への選択がしやすくなります。

 

耐震性などへの対策が必要​

ビルトインガレージは1階部分が大きな空間になるので、耐震性が弱くなってしまいます。

ビルトインガレージ部分を木造ではなく、重量鉄骨造やRC住宅造を取り入て耐震性の強化を図りましょう。

しっかりとした土台を整えることで、強い縦揺れの地震にも耐えられる家づくりが叶います。

 

建築費用がかかる​

ビルトインガレージは、一般的なカーポートなどを利用した駐車場と比較する建築費用がかさみます。

先述したように、鉄筋コンクリート造(RC造)を取り入れたり、将来的にエレベーターを設置したりする必要も出てくれば尚更です。

 

しかし都心で駐車場を借りようとすれば、月に3万円程の費用かかりますし、近場で空き駐車場が見つかるとは限りません。

ランニングコストが永久にかかること、利便性の悪さを考慮すると、ビルトインガレージのコスパが悪いとは一概に言えないでしょう。

 

またビルトインガレージの面積の割合が、延べ床面積に対して1/5までであれば、床面積に加算されず固定資産税の対象になりません。

駐車場に利用する敷地を購入する必要がないこと、屋根部分は家と共有できることなども費用に関する大きなメリットといえます。

 

ビルトンガレージと、一般的なカーポートの建築費用を比較するのではなく、総合的な費用やコスパを考えると完全なデメリットととらえる必要はないのかもしれません。

関連記事:狭小住宅でも大丈夫?ビルトインガレージのある間取りの考え方

 

まとめ​

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ビルトインガレージとはどのようなものなのか、メリットとデメリットをもって詳しくお伝えしてきました。

【メリット】

  • ビルトインガレージの上に住居スペースが続くので、狭小地であっても駐車場を造ることができる
  • 玄関までの動線が近いので、雨風が強い日も車の乗り降りがしやすい
  • ビルトインガレージは防犯性が高いので、愛車や収納品を守ることができる

 

【デメリット】

  • 居住スペースが縦に伸びるので、階段の利用に将来の不安がある。対策・・・必要になったらホームエレベーターを設置
  • 1階が大きな空間になるので、耐震性が弱くなる。対策・・・重量鉄骨造やRC住宅造を取り入て耐震性の強化
  • 建築費用が高い。視点を変える・・・総合的な費用やコスパを考えると完全なデメリットととらえる必要はない

狭小住宅に駐車場を作る計画がある方は、ビルトインガレージを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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