狭小住宅でも収納に困らない工夫│住居スペースの確保に繋がります
狭小地に家を建てる際「狭小住宅に十分な収納スペースをもつことは難しい」「収納スペースを少なくして居住スペースを増やすべき」と思われていませんか。
実は狭小住宅だからこそ、収納にとことん拘って、十分な収納量を確保することが快適な生活の要になります。
収納スペースの確保ができていないと、いつの間にかあふれ出した物たちで、居住スペースが浸食されてしまいます。
とはいえ単純に広さを確保しただけではデッドスペースがうまれ、居住スペースのムダ使いになりかねません。
今回は狭小住宅の収納について詳しく解説していきます。
居住スペースを広げることにも繋がるので、ぜひ参考にしてください。
- point -
・クローゼットなどにうまれやすい、デッドスペースについて理解しましょう。
・居住スペースを削らずに、収納スペースを確保する工夫をご紹介します。
・子供部屋の収納量についてお伝えします。
− contents −
◼ 狭小住宅でも収納に困らない工夫
◼ ウォークインクローゼットの必要性を見直そう
◼ クローゼットの奥行きを見直そう
◼ 季節用品の収納場所を決める
◼ 子ども部屋の収納スペースに余裕をもとう
◼ まとめ
狭小住宅でも収納に困らない工夫
狭小住宅でも収納に困らない工夫をご紹介します。
収納に困らないだけでなく、居住スペースの確保にも繋がるので、ぜひ参考にしてください。
ウォークインクローゼットの必要性を見直そう
ウォーキングクローゼットとは、名前の通り、人が中に入って歩くスペースがるクローゼットです。
基本的に入り口は1つですが、入口と出口のある「ウォークスルークローゼット」もあります。
「ウォーキングクローゼット」と聞くと、収納力が高い印象をもちますが、十分なスペースがなければデッドスペースを生みやすい間取りです。
なぜならウォーキングクローゼットには、収納プラス歩くスペースが必要になるから。
ウォーキンググローゼットのメリットが必要ないのであれば、歩くスペースを居住スペースに充ててはいかがでしょうか。
ウォーキングクローゼットの主なメリット
- 押し入れ棚を作ることができる
- 大幅な衣替えは不要
- スペースがあれば、ウォーキングクローゼット内で着替えができる
- 作業スペースとの共有も可能
更に部屋側に壁が増えるので、家具などの配置がしやすくなります。
ウォーキングクローゼットを作る場合は、念入りにバーの長さや棚板の幅などを確認しましょう。
手持ちのお洋服や帽子、バッグやスーツケースなど衣類に関するものすべてを収納する必要があります。
両側をハンガータイプにするなら通路幅は最低でも80㎝、片側を壁や棚にするなら65㎝ないと、クローゼット内で横歩きすることになります。
更にその通路幅があっても、収納BOXの引き出しを開ける時は真正面に立つことはできません。
もしウォーキングクローゼットとしてのメリットを必要としないなら、通路幅をお部屋のスペースに充てることを検討してみましょう。
クローゼットの奥行きを見直そう
通常のクローゼットもウォーキングクローゼット同様に、デッドスペースができているケースがあります。
一般的に利用されることの多いクローゼットの、奥行きに注目しましょう。
家の作りは、柱と柱の間から910㎝が1コマとして考えられます。
実際は柱の幅やボードの厚みがあるので、1コマを壁で塞いだら約900㎝になります。
クローゼットなどの作りも1コマ(910㎝)で作られることが多いのですが、この奥行き幅は必要ありません。
- クローゼット用収納ケースの奥行きは50~60㎝
- 男性用のジャケットハンガーの幅は約45㎝
余裕をもっても65㎝あれば十分に収納ツールも利用できます。
この25㎝のスペースはクローゼット内で活かされることはなく、ホコリがたまる一方です。
クローゼットの横幅分、約25㎝広がるとなるとお部屋の印象は大きく変わります。
クローゼットの設置をお考えの際は、必要な奥行きに設計されているか見直していきましょう。
季節用品の収納場所を決める
季節用品は使うシーズンが限られているので、収納のしやすさや取り出しやすさを考慮する必要はありません。
容量の大きなものもあるので、収納スペースもそれなりに必要になります。
収納の定位置を決めて、シーズンオフに「どこに収納しよう……」とならないようにしましょう。
収納の取り出しやすさを重視しない収納スペースとは、どんなものがあるのでしょうか。
ベッド収納
ベッド収納とは、マットレス下の枠組み部分が収納スペースになったベッドのことです。
ベッドの横が引き出し式になっている「引き出しタイプ」と、ベッドの床板をもち上げて収納する「跳ね上げタイプ」があります。
引き出しタイプは、収納したものがラックのように取り出しやすい特徴がありますが、奥行きはベッドの幅いっぱいを利用していないものがほとんどです。
そのため収納量も少なくなり、大きなものは入りません。
跳ね上げタイプならベッド全体を収納スペースとして使えるので、シーズンオフの布団やラグ、スキー用品なども十分に収納できます。
マットレスを乗せたまま開閉できますが、引き出しのように「手軽に取り出し可能な収納スペース」とはいいがたいですね。
ロフト(屋根裏収納)
部屋の一部を縦に分けてスペースを作るロフトは、収納庫としても非常に便利です。
扇風機や加湿器、暖房器具やクーラーボックスなど大きな季節用品も余裕をもって収納できます。
収納量としては納戸のようなゆとりがありますが、収納するものを階段やハジゴを利用して運ぶ必要があります。
さらにロフトの高さは、1.4mまでという規定があるので、ほとんどの大人は腰をかがめなくてはいけません。
同じ屋根の下を利用した収納スペースに「屋根裏収納」があります。
ロフトとの違いは、部屋と空間を共有していないので、普段の生活をおくる中で存在を感じません。
共通するデメリットとして、熱を溜めやすい特徴があるので、断熱対策を徹底する必要があります。
重い物を階段やハシゴで運ぶ際は、十分気を付けましょう。
小上がり収納
小上がり収納とは、リビングなどのに一段高いスペースを作って、その段差部分を収納にする間取りです。
小上がりの広さと同様の収納スペースを作ることができます。
引き出し式は開閉しやすいですが、引き出しの奥行きが深いので、奥の部分は取り出しにくい印象です。
また小上がりの床部分がフタになった収納スタイルもありますが、上に載せているラグや家具などがあれば移動させるひと手間がいります。
こちらでお伝えした収納スペースは、大きなものを収納できる上に、生活スペースにまったく影響を及ぼしません。
新築計画の際に、季節用品の収納場所を決めて、しっかりとスペースを確保しておきましょう。
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子ども部屋の収納スペースに余裕をもとう
子どもの荷物はどれをとってもコンパクトで、成長と共に必要なものも変化し、サイズアウトも頻繁に起こります。
断捨離の上手な方なら荷物が増え過ぎることはないでしょう。
ですが中学校に入るくらいから、勉強道具や趣味の道具、部活の道具やサイズアウトしなくなった洋服など、大人さながらの荷物量に変化していきます。
この時期を想定した収納量を確保しておかないと、収納棚などを買い足して、お部屋に設置していくことになるでしょう。
買い足した家具や収納ツールは変化に対応しやすく便利ですが、収納力を上げようと大きめの物を用意すると圧迫感があり部屋が狭く感じられます。
作りつけの収納棚(クローゼットなど)は、部屋への馴染みがよく圧迫感がない上に、天井高までの収納量があります。
子ども部屋の生活スペースを確保するために、しっかりを収納スペースを確保しておきましょう。
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まとめ
狭小住宅であっても、十分な収納スペースを確保していくことは十分に可能です。
逆に収納スペースが確保できていないと、居住スペースにものがあふれる家になってしまいます。
- 収納スペースのムダを省けば居住スペースを広げることもできる
- 居住スペースを削らなくても、容量の大きい収納スペースを作ることはできる
さらに子ども部屋の収納には余裕をもつことで、生活スペースを維持していきましょう。