新築住宅でいらない設備10選・あったら嬉しい設備10選|後悔を防ぐ選び方とプロが教える判断基準

【新築】いらない設備&あったら嬉しい設備各10選|決めるポイント・費用目安を建築士が徹底解説

※こちらの記事は、2021年7月に公開したものを、2026年6月に再編したものです。

マイホームを建てる際に迷うのが、「どの設備を入れるべきか」という点ではないでしょうか。

新築住宅では、「なんとなく便利そう」で設備を選んでしまい、数十万円単位で後悔するケースが少なくありません。

実際に、「ほとんど使っていない」「メンテナンスだけ手間がかかる」といった声も多く見られます。

いらない設備を見極めることは、予算を守るだけでなく、住みやすさを高めるうえでも重要なポイントです。

そこで今回は、新築住宅に「いらない設備」と「あったら嬉しい設備」について、家づくりの2026年最新トレンドを踏まえて、一級建築士監修で徹底解説します。

設備機器のいる・いらないを判断するポイントや、新築費用のうち設備機器が占める割合、高性能設備機器の導入で使える補助金など、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひマイホーム計画の参考にしてください。


この記事のポイント

・設備は新築費用のおよそ20〜30%(建物3,000万円なら約600〜900万円)を占めます。設備費はコントロールしやすい部分なので、ここを見直せるかが予算配分の鍵になります。

・2026年の省エネ基準適合の義務化を背景に、設備を「あれもこれも」足すより、断熱・気密といった住宅の基本性能にお金を回す“脱・設備課金”が広がっています。まず基本性能、設備は使用頻度とコスパで取捨選択するのが2026年からの家づくりです。

・都市部の狭小地では、設備が居住スペースを圧迫しないかも選定基準になります。サイズや立地条件が近い注文住宅の事例が豊富な建築会社に相談し、面積・予算の中で「本当に必要な設備」を見極めましょう。


 

Contents

 

【結論】設備の「いる・いらない」を決める4つの基準|住宅設備はどう選ぶか

【結論】設備の「いる・いらない」を決める4つの基準|住宅設備はどう選ぶか

▶︎施工事例:「暮らしを楽しむ」をコンセプトにしたお家(敷地17.39坪|延床30.32坪|耐火木造)

新築住宅やフルリノベーションのプランを検討する際、どうしても「あれもこれも」と色々な設備を入れたくなりますが、予算に限りがある場合、どうしても取捨選択しなくてはいけません。

設備の「いる・いらない」で迷った際には、以下4つの視点で検討してみましょう。

「後付けできるか」

  • 周囲の壁や天井、床などをやり直さず後付けできるものは、敢えて新築時に設置する必要はない
  • 暮らし始めてから必要性を再確認することにより、無駄なコストを省ける
  • 後付けを前提として、新築の際に先行配線・先行配管しておくプランもおすすめ(大きなコスト増にならず、将来の工事費用を抑えられる)
  • 後から追加できる設備は、導入を迷ったら見送って後回しにするのがおすすめ
「使用頻度は高いか」

  • 本当に使う設備か、ご家族それぞれの生活ルーティンを踏まえてイメージする
  • その設備を導入することにより、どれだけ負担が減るかイメージする
  • 週に数回しか使わない設備は、無駄な設備になる可能性があるため要注意
  • 使用頻度を、日単位・週単位・年単位でシミュレーションして、導入の優先順位をつける
「費用対効果(コスパ)は高いか」

  • かかる費用と得られるメリット(時短効果や負担軽減、快適性向上など)を比較する
  • 導入コストに加えて、メンテナンスコストや維持コスト(光熱費や点検費用)、耐用年数、交換コストも確認する
「都心・住宅密集地・狭小地の場合は、スペースを圧迫しないか」

  • 床面積が限られる場合は、その設備の設置スペースより居住スペースを優先するプランがおすすめ
  • 設置スペースを取る設備より、設置スペースを取らずにメリットを得られる設備を選ぶ
  • 隣家との距離が近い場合、屋外設備は周囲への影響にも配慮する

これらの視点で設備を選ぶと、いる・いらないがかなり絞られます。

特に、確保できる床面積が限られる都市部の狭小住宅の場合、設計図だけでは設備導入によるスペースの負担がわかりにくいため、設計担当者と詳細の寸法まで確認することが重要です。

▶︎おすすめコラム:狭小住宅のおしゃれな間取りアイデア13選│10坪・15坪・25坪など土地面積別の事例も紹介

新築住宅の「いらない」設備10選

新築住宅の「いらない」設備10選

SNSなどを見ると、マイホームを後悔するよくある理由として「無駄な設備を入れてしまった」というケースを見かけます。

このような失敗を防ぐためには、事前に「いらない設備」を把握しておく必要があります。

ここでは、特に後悔しがちな住宅設備を建築士が抜粋して10個紹介しますので、ぜひプラン検討の参考にしてください。

①出窓

1990年代頃まで戸建て住宅に採用されるケースが多かった出窓ですが、近年は、断熱性・コスパなどの面から、あまり導入されなくなっています。

その主な理由は、以下のとおりです。

  • 断熱性が下がる(ガラス面が3面のタイプなど)
  • 設置費用が高い(通常の窓の2倍以上になる場合がある)
  • それほど使わず、物を置くだけになりがち
  • 掃除が面倒
  • 隣家との距離が近いと、圧迫感が増す
  • 外壁改修のコストが高くなる可能性がある(足場架けや窓周りの補修などが追加になる場合がある)
  • サイズによっては床面積に算入される※場合があり、狭小住宅ではスペース効率が悪い

※「下端の床面からの高さが30cm未満」「周囲の外壁面から水平距離50cm以上突き出ている」「見付け面積の1/2未満しか窓がない(窓が見付け面積の半分に満たない)」のいずれかに当てはまる出窓は、床面積に算入される可能性があります。
そのため、近年の新築住宅で出窓をつける事例はほとんどなく、既存住宅では撤去するケースも少なくありません。

出典:国土交通省|特定行政庁建築主務部長あて|住宅局建築指導課長通知|床面積の算定方法について

②手動窓シャッター・面格子

手動タイプの窓シャッターや、固定式の面格子は「必要なかった」と後悔する方が多いアイテムです。

手動窓シャッターや面格子が窓についていると、ガラスを物理的に侵入者や飛来物から守れますが、以下のデメリットに注意しましょう。

  • 窓の数が多いと、設置費用がかさむ
  • 面格子は視界の邪魔になる
  • 面格子は、外から外せない・壊せない訳ではない
  • 手動シャッターは、開閉や掃除が面倒
  • 手動シャッターを閉めていると、留守であることが周囲から一目で分かってしまう

近年は、工具などで叩かれたり枝や看板などがぶつかっても、ヒビは入るものの貫通しにくいガラスが普及しているため、必ずしも外から物理的にガラスを覆う必要はなくなりました。

ベランダ・バルコニー

近年は、都市部を中心にベランダ・バルコニーをつけない戸建て住宅が増えています。

しかし、共働き世帯が増え、PM2.5や花粉対策として洗濯物を外干しするケースが減り、ベランダやバルコニーの必要性が薄れてきているのです。

特に、以下の点を知らずにベランダやバルコニーを設けて後悔する方は少なくありません。

  • 設置費用に数十万円(/箇所)以上かかる
  • 使用頻度が低いのに防水のメンテナンスが必要(トップコート塗り直しが約5~10年ごとに数万円~、防水層の改修が約10~15年ごとに数十万円かかる)
  • 隣家との距離が近いと、洗濯物を干すのをためらう
  • 外壁との取り合い部分から雨漏りするリスクが高くなる

敷地に余裕があり、隣家との距離を確保でき、周囲からの視線などが気にならない場合は、ベランダやバルコニーを設けるプランもおすすめですが、狭小住宅や周囲に高い建物がある場合は、よりプライベートな屋外空間になる屋上の採用をご検討ください。

▶︎おすすめコラム:インナーバルコニーに後悔しがちなポイントとは?デメリットと対策まとめ

▶︎おすすめコラム:【屋上テラス】で後悔しない戸建ての雨漏り・防水技術と間取り対策

④キッチンの吊り戸棚・床下収納

一般的なLDKの間取りでは、キッチンを常に片付けるために収納スペースをできるだけ多く確保したいところですが、吊り戸棚や床下収納はあまり使われない(使いこなせない)ケースが多いので注意が必要です。

「いらない」と言われる理由には、以下のような点が挙げられます。

  • 吊り戸棚は物を出し入れする際に踏み台が必要で、面倒(徐々に使わなくなる)
  • 吊り戸棚があると、見た目の圧迫感が増す
  • 床下収納庫は、物の出し入れが大変(足腰への負担が大きく、重いものをしまいにくい)
  • 床下収納庫を設置すると、床に小さな段差ができ、掃除が面倒になる
  • 生活動線上に床下収納庫を設けると、開閉フタのフレームが歪みやすい
  • 高断熱(基礎断熱)の住宅では、床下収納庫内も室温に近くなり、保存食の保管場所として適さない(涼しくない)

このように、吊り戸棚や床下収納は、物の出し入れがスムーズでない点が共通し、必ずしも家事の負担を減らすために役立つとは限りません。

そのため、近年は、壁面を活用した浅型収納(奥行き20~25cm程度)や上をカウンターとして使える収納を配置したり、キッチン家電の置き場所も兼ねたパントリーを設けるプランが人気です。

▶︎おすすめコラム:キッチンの前面収納はいらない?前面収納のメリット・デメリットを解説

⑤浴室の窓

浴室の湿気(カビ)対策として窓はあった方がいいと思われがちですが、家の高断熱化により結露が発生しにくくなったため、窓なしの浴室を選ぶ方が増えています。

浴室の窓をなくすだけでコストが数万円減り、さらに、掃除の手間も削減できます。

ただし、窓をつけない場合は、入浴後に多湿の空気を逃すための換気扇は必須です。

⑥浴室の追加オプション(棚・ミラー・テレビ・ミストサウナなど)

ユニットバスルーム(システムバスルーム)の追加オプションも、住み始めてから「いらなかった」と後悔するケースが多いアイテムです。

シャンプーなどを置く棚やミラー、浴室テレビ、ミストサウナは、一見あると便利そうですが、導入する際は慎重に検討しましょう。

よくある後悔の理由は、以下のとおりです。

  • シャンプーなどを置く棚は、取り付け部分が滑りやすく、壁を掃除しづらくなる
  • ミラー(特に全身鏡)は、あまり見ず、ウロコ汚れがついて気になる
  • 浴室テレビは、初期費用に5〜20万円程度かかり、さらに故障すると交換費用が高く、規格が変わって取り替えられない(多額の追加費用が発生する)場合もある
  • 浴室テレビではなく、防水カバーをつけたスマホやタブレットの方が使いやすい
  • 浴室テレビがあると、1人1人の入浴時間が長くなる
  • ミストサウナは、導入コストが高いものの、あまり使わない家が多い

浴室のオプションアイテムは、ご家庭によって「いらない」とは限りませんが、防水の観点から後で撤去することは望ましくないため、導入する際は使用頻度をイメージして検討することが重要です。

余計なオプションを除くだけで、数万円から数十万円のコストダウンを実現できます。

⑦勝手口ドア

勝手口ドアは、ゴミ出しなどの時に便利そうに思われますが、防犯面や断熱性の観点から「いらない」と判断されるケースが多い設備です。

勝手口がいらないと言われる主な理由は、以下のとおりです。

  • コストがかかるため(10〜50万円程度はプラスになる)
  • 空き巣に入られる可能性のある場所が増えるため
  • 外壁と比べるとドアやガラスは断熱性が低く、キッチンの暑さ・寒さが気になる可能性があるため
  • 狭小住宅などでキッチンと玄関の距離が離れていない場合は、ゴミ出し動線が長くならないため
  • 勝手口ドアをつけると壁面が減り、収納や冷蔵庫を置く場所が限られるため

ホームシアター・常設プロジェクター

ゆったりと映画を楽しめる点が魅力のホームシアターですが、常設プロジェクターをつけたものの、「しばらくすると使わなくなった」「家具のレイアウトを変更できない」「音漏れが心配」などの理由で、失敗と感じる方は珍しくありません。

特に、隣家との距離が近い都心部では、ご近所に遠慮して夜間に使えないケースが多く、費用をかけたものの、無駄な設備になる可能性があります。

最近は、シーリングライトと一体の安価なプロジェクターも流通しているため、まずはこれら簡易的な物を使ってみる方法がおすすめです。

⑨過剰な空調機器(全室完備のルームエアコン・床暖房)

木造住宅は、全室にルームエアコンをつけたり、足元が見える1階には床暖房をつけたりする空調計画が一般的でしたが、近年の高断熱住宅では、必ずしもこれらの設備が必要とは限りません。

住宅金融支援機構が実施したフラット35住宅仕様実態調査によると、「床暖房あり」と回答した人の割合は たった4.0%です。

室温が外気温の影響を受けにくくなったため、「間仕切り壁が少ない・壁の上部がオープン」な間取りの場合は、エアコンを数室で共有できる可能性があります。

また、床下断熱を取り入れた住宅では、床暖房がなくても足元が寒くなりにくい点もポイントです。

無駄のない空調計画にしたい場合は、単に間取りや部屋ごとの床面積で設備を選ぶのではなく、家の断熱性を含めて総合的に検討する必要があります。

出典:住宅金融支援機構|フラット35住宅仕様実態調査|【フラット35】住宅仕様実態調査報告(令和5年度)の概要

⑩特殊コンセント(埋め込みUSBコンセント・床コンセントなど)

新築住宅のコンセント計画は、生活の利便性に大きく影響し、カタログを見ると数々の特殊コンセントがあり、“便利そう”と導入する方も多いですが、使わなくなるケースも多いため注意が必要です。

特に後悔することが多いのは、埋め込みUSBコンセントと床コンセントです。

埋め込みUSBコンセントは、壁に直接USBケーブルを差し込めるため、スマホの充電などに便利そうですが、USBの規格は今後変わる可能性があり、そうなると使えなくなります。

広々としたキッチンやリビングに床コンセントをつけるケースもありますが、カバーに突っ掛かり転ぶリスクがあり、掃除しにくくなる点にはご注意ください。

多くの電化製品を使う現代生活において、コンセント計画(数・位置・高さ)は住宅の後悔につながりやすいため、綿密なシミュレーションを重ねてプランを決めましょう。

▶︎おすすめコラム:コンセントの使い勝手は「高さ」が重要|空間・部位の用途別に適切な位置を解説​

「自分の家にはどの設備が必要かわからない」という方は、実際の施工事例を見ながら検討するのがおすすめです。

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新築住宅の「いる(あったら嬉しい)」設備10選

新築住宅の「いる(あったら嬉しい)」設備10選

▶︎施工事例:【木造3階建て】吹き抜け階段が主役の縦に広がる開放感あるお家(敷地21.80坪|延床41.73坪)

数々の住宅を設計・施工してきて、多くのお客様から「つけてよかった」というご感想をいただく設備もたくさんあります。

その中から、建築士目線で「これはあったら嬉しい」と言える設備を10個抜粋して紹介します。

①食洗機(食器洗い乾燥機)

食洗機は、一昔前まで「きちんと洗えない」「使わなくなる」と言われがちな設備でしたが、ビルトインタイプや置き型の小型タイプが増え、今や、時短には欠かせないアイテムと言えます。

ただし、家族構成などによっては、いらないケースもあるため、慎重にご検討ください。

いるケース

▶︎ほとんどの人が「あると便利」

  • 共働きで家事にかかる時間を短縮したい場合
  • 狭小住宅で洗った食器を置くスペースを確保できない場合
  • デザイン的に水切りカゴを置きたくない場合
  • 節水したい場合(手洗いと比べて使用水量を1/5程度に抑えられる場合も)
いらないケース
  • 単身者など、極端に洗い物が少ない場合
  • 初期コストを抑えたい場合
  • 食洗機よりも収納スペースを増やしたい場合

食洗機をつけて後悔する最も多い理由は、「浅型タイプを入れて、鍋やフライパンが入らない」「スライドタイプで動線の邪魔になる」というケースです。

ご家族が3人以上の場合は深型タイプ、コンパクトなキッチンはフルオープンタイプがおすすめです。

浅型タイプ・標準タイプ 庫内容積:40L前後

食器点数:30〜40個程度

設置必要寸法:高さ450㎜・幅450㎜・奥行550㎜程度

深型タイプ・ワイドタイプ 庫内容積:60〜70L前後

食器点数:50〜60個程度

設置必要寸法:高さ750〜850㎜・幅450㎜・奥行550㎜程度

※上記はビルトインタイプの食洗機を比較した場合です。

上記の他に、さらに大容量の海外メーカー製もありますが、製品代が高くなり、サイズも大きくなるため、予算計画・設計プランに余裕がある場合に選択肢に入れてみましょう。

②キッチンの追加オプション(タッチレス水栓・自動洗浄機能付きレンジフード・ディスポーザーなど)

キッチン掃除は家事の中でも特に負担が多く、共働き世帯を中心に、時短となるオプションをつける人が増えています。

特に人気が高いのは、自動洗浄機能付きキッチンレンジフードとディスポーザーです。

ただし、それぞれ導入前に知っておいていただきたい注意点があります。

タッチレス水栓
  • タッチレス水栓は、手が汚れても軽くかざすだけで水が出るため、衛生的で便利なアイテムで、節水にもなる(初期費用はかかるが、長期的にはお得)
  • 蛇口に手が届かない子どもでも楽に水を出すことができる
  • センサーの誤反応が生じたり、停電時には使えなくなる点には要注意

自動洗浄機能付きキッチンレンジフード
  • 油汚れがこびりつくレンジフード内部を、熱湯噴射で自動洗浄するタイプ
  • フィルターやファンの日常的な掃除を減らせる
  • 油汚れに付着したホコリ汚れで換気能力が低下するのを防止できる
  • 油汚れを完全に取り除くのではないため、年に数回の大掃除は必要
ディスポーザー
  • キッチンの排水口に付属する生ごみ粉砕器で、生ごみを水と一緒にシンクに流せる
  • 自治体によってはディスポーザー設置を条例で制限しているところもあるため、事前確認が必須(設置はOKでも、排水処理槽の併用が義務付けられている地域もある)

出典:東京都|下水道局|「ディスポーザ排水処理システム」の設置について

③玄関の電気錠(スマートロック)

リモコンやタグ、カード、お持ちのスマホで鍵の施錠・解錠をできる電気錠(スマートロック)付き玄関ドアが人気です。

戸建て住宅の玄関ドアでも電気錠(スマートキー)の採用が増えており、新築住宅では一般的な選択肢になりつつあります。

玄関の電気錠(スマートロック)を導入する主なメリットは、以下のとおりです。

  • オートロック機能が搭載されており、鍵のかけ忘れを防止できる
  • 鍵穴が見えにくいため、一定のピッキング対策効果がある
  • 荷物で両手が塞がっている状態や、小さなお子様が解錠する場合もワンタッチで操作可能
  • スマホアプリと連動させれば、外出先から施錠・解錠履歴(=家族の外出・帰宅時間)を確認できる
  • タグやカード、スマホを落としても、すぐに本体側でリセットでき、不正利用される心配がない

大手玄関ドアメーカーでは、電気錠への変更によるプラス費用が数万円なため、コスパがいいオプションとして、非常に人気です。

④窓の防犯設備(安全合わせ複層ガラス・電動シャッター)

最新の住宅用サッシは、外から壊しにくいクレセントや補助錠が標準装備されていますが、それに加えて、

安全合わせ複層ガラスと電動シャッターを組み合わせるプランがおすすめです。

戸建て住宅において、空き巣・泥棒の侵入経路は約60%が窓からであることから、窓の防犯設備は必須アイテムと言っても過言ではありません。

安全合わせ複層ガラス(防犯合わせ複層ガラス)とは、特殊樹脂フィルムを挟み込んだ合わせガラスと中空層を組み合わせた複層ガラスで、高断熱であるうえに、ガラス破りや飛来物のダメージを受けても、ガラスが簡単に貫通することはありません。

長期で家を空けることがある場合は、さらに窓の防犯性を高めるために、電動窓シャッターを取り付けましょう。

電動窓シャッターであれば開閉の負担を減らせます。

ただし、停電の際には手動で開け閉めしなくてはならず、手動操作が必要になり、開閉時の負担が大きくなる点には注意が必要です。

出典:警察庁|住まいる防犯110番|手口で見る侵入犯罪の脅威

⑤自動録画機能・人感センサーモニター付きインターホン

最新のモニター付きインターホンは、前に人が立っただけでボタンを押さなくても録画が開始されるタイプがあり、空き巣などの不審者が家を下見に来た様子を記録できます。

よく「防犯カメラはいるのか」というご質問をいただきますが、防犯カメラ単体では犯行の抑止効果にしかならず、死角から侵入されてしまう可能性があるためご注意ください。

また、セキュリティ会社と契約する防犯カメラでも、異変を検知して警備員が駆けつけるまでに犯行が終わるケースもあります。

そのため、防犯カメラはその他の対策を講じた上で設置しましょう。

▶︎おすすめコラム:新築に防犯カメラはいらない?「いる」理由も合わせて解説│カメラ以外の防犯対策も紹介

⑥宅配ボックス

共働き世帯の増加と通販利用の定着、防犯性の観点から、戸建て住宅でも宅配ボックスの設置が標準になりつつあります。

サイズは小さいものから大きいものまで様々あるので、設置スペースとよく注文するもののサイズを踏まえて、有効活用できるものを選びましょう。

自治体によっては、宅配ボックスの本体購入費や設置工事費用に補助金が出る可能性がありますので、事前に役所などにご確認ください。

⑦+αの収納スペース(パントリー・シューズインクローゼット・屋根裏収納)

狭小住宅でも、間取りの工夫次第で、パントリーやシューズインクローゼット、屋根裏収納を設けることは可能です。

共働きの世帯では、日用品や食料品を休日にまとめ買いする世帯が多く、ストック品の保存場所が必要になる場合が多々あります。

また、アウトドアなど趣味を楽しむ人の場合、趣味の道具をしまう場所も必要です。

ただし、これら+αの収納スペースを確保するために、できるだけ廊下の少ない間取りにしたり、各室のクローゼットではなくファミリークローゼットにしてスペースを圧縮したりするなど、間取りの工夫が必要になります。

そのため、限られた床面積で+αの収納スペースを作りたい方は、狭小住宅の設計実績が豊富な建築会社に相談しましょう。

⑧ランドリールーム(ガス式衣類乾燥機・室内物干し)

基本的に洗濯物を室内干しする方は、ランドリールーム(ランドリースペース)を設けましょう。

時間帯や季節を問わず洗濯物を干せて、花粉・梅雨対策になります。

狭小住宅などスペースに限りがある場合は専用の個室を設ける必要はなく、洗面脱衣室に短時間で洗濯物が乾くガス式衣類乾燥機を設置し、リビングや寝室に天井格納タイプの室内物干しを取り付ける住宅が増えています。

ただし、室内干しのスペースを作る場合は、その部屋の湿度が上がりやすく、カビ・嫌な臭いの原因になるため、居室でも換気扇を取り付けるプランがおすすめです。

⑨第一種熱交換換気システム

計画的に室内の換気でき、その際に空調効率を下げない設備、第一種熱交換換気システムです。

第一種熱交換換気システムは、給気・排気のどちらも機械(ファン)によって行い、その際、排気から熱エネルギーだけ回収し、それを給気に戻し、熱のロスを防ぐ機能が搭載されています。

戸建て住宅も、原則として建築基準法で24時間換気が義務付けられていますが、その手段は定められておらず、自然給排気口の設置だけでもルールを満たすことができますが、室内に湿気がこもるなどの不具合を防ぐためには、第一種熱交換換気システムの設置を検討しましょう。

⑩高効率給湯器(エコキュート・エコジョーズなど)

給湯は家庭におけるCO2排出量の1/4程度を占めるため、高効率給湯器(エコキュート・エコジョーズ)を導入するプランがおすすめです。

導入コストは一般的な給湯器の1.5〜2倍程度ですが、初期コストをかけても省エネ性の高い機種を導入すれば、大きな光熱費の削減につながります。

高効率給湯機の導入は、補助金や減税の対象となる可能性がある点もポイントです。

住宅金融支援機構が実施したフラット35住宅仕様実態調査では、エコキュートの割合が55.7%、エコジョーズの割合が34.8%と多く、首都圏ではエコジョーズを導入した住宅が59.1%にも上ります。

出典:環境省|家庭部門のCO2排出実態統計調査家庭のエネルギー事情を知る|給湯機器について
出典:住宅金融支援機構|フラット35住宅仕様実態調査|【フラット35】住宅仕様実態調査報告(令和5年度)の概要

立地・ライフスタイル・予算によって異なる「いる・いらない」設備

立地・ライフスタイル・予算によって異なる「いる・いらない」設備

▶︎施工事例:【3階建て狭小住宅】生活動線が便利なお家(敷地20.37坪|延床38.94坪)

住宅設備の中には、事例によって「いる・いらない」が大きく分かれるものもあります。

①天窓(トップライト)

天井から明るい光が降り注ぐ天窓は、狭小地や北側の部屋などで好まれる設備ですが、ガラス・窓サッシの断熱性が低いと室温上昇につながるため、注意が必要です。

ただし、周囲の建物の距離が近く、側窓から光を取り入れられない場合は、天窓が採用されます。

吹き抜けのある家では、天窓の代わりとして壁の屋根に近い部分に取り付ける高窓(ハイサイドライト)を設けるケースも多く、部屋の奥まで自然光を取り入れることが可能です。

いる場合
  • 北向きの部屋がある場合
  • 狭小地や住宅密集地で十分な日当たりを確保しにくい場合
いらない場合
  • 家の日当たりがいい場合

②太陽光発電システム・家庭用蓄電池・HEMS・EV用コンセント・V2H

ZEH(ネット・ゼロエネルギー・ハウス)の普及を目指して、太陽光発電システム・家庭用蓄電池・HEMS※

の導入に対して補助金が支給されていることもあり、新築住宅への導入を検討する方が増えています。

※HEMS:Home Energy Management Systemの略称で、家庭のエネルギー使用状況をモニターによって確認できる設備

これらの設備は、生活スタイルと立地環境によって「いる・いらない」が分かれるためご注意ください。

いる場合
  • 消費電力が多い場合
  • オール電化にしたい場合
  • 災害時(停電時)に自宅避難したい場合
  • 電気自動車を所有している場合
いらない場合
  • そもそも消費電力が少ない場合
  • 周囲に背の高い建物が多く、発電に必要な日照を確保できない場合(初期コストを回収するまで時間がかかる)
  • 狭小住宅で屋根面積が狭い場合(消費電力を発電するための太陽光パネルを設置できない)

電気自動車を持っている方は、電気自動車を高速充電できるEV充電用コンセントがあると便利ですが、V2H※は、消費電力が少ないご家庭ですと省エネの観点におけるメリットが少ないため、初期費用を回収できるまで長期間必要になる可能性があります。

※V2H:Vehicle to Homeの略称で、電気自動車(EV)などのバッテリーに蓄電された電力を自宅へ戻して使えるようにする設備

▶︎おすすめコラム:「太陽光を北側につけて良かった」理由とは?発電効率や利回りを高める方法、注意点も紹介

③タンクレストイレ

すっきりと洗練された見た目が人気のタンクレストイレですが、停電時・断水時におけるデメリットがあるため、全ての方におすすめできません。

停電時は手動レバーによって洗浄しなくてはならず、タンクに水が溜まっていないため、断水時にはバケツで給水しなくてはならず、バスタブなどに水が溜まっていないと、実質、流せなくなってしまいます。

また、水圧が低い立地・上階では設置できない場合があるためご注意ください。

ただし、連続して使用する場合、タンクに水が溜まるのを待つ必要がない点はメリットです。

いる場合
  • 複数のトイレがある場合(来客用・家族用などを分ける場合)
  • 水圧が十分ある場合
  • 家族が多く、朝など連続使用が想定される場合
いらない場合
  • 1つしかトイレがない場合
  • 単身者・2人暮らしなど、連続使用の可能性が少ない場合

④浴室暖房乾燥機

室内干しをする方で浴室暖房乾燥機の導入を検討する方は多いですが、洗濯物が乾き切るまでの時間が長く、光熱費も高いためご注意ください。

家族構成などによっては、浴室には換気扇だけ取り付け、別でガス式衣類乾燥機をつけた方が良いパターンも考えられます。

いる場合
  • 家族の人数が少なく、洗濯物の量も少ない場合
  • 浴室暖房乾燥機を、浴室を乾燥させたり暖めたりするために使いたい場合
  • 高齢の方など、ヒートショックのリスクが高い方がいる場合
いらない場合
  • 家族の人数が多く、洗濯物の量が多い場合(浴室暖房乾燥機では乾かすのにランニングコストが高く、時間がかかる)

⑤小上がり和室・畳コーナー

子育て世帯から高齢者の方がいる世帯まで幅広い年齢層に人気の間取りが、小上がり和室や畳コーナーです。

小上がり和室は、床の段差を利用して収納スペースを増やしたり、腰掛けてソファ代わりに使うなどメリットがあり、畳があると直接寝転んでくつろげます。

ただし、都心の狭小住宅などでは作ることでデメリットを感じることもあるため注意が必要です。

いる場合
  • リビングスペースに余裕がある場合
  • ソファを置かず、くつろぎスペースを作りたい場合
  • 小さなお子さんがいる場合(小上がりの場合は落下防止策が必須)
いらない場合
  • リビングスペースに余裕がある場合
  • バリアフリーにしたい場合(畳コーナーは小さな段差でつまづきやすい)
  • ロボット掃除機で家全体を清掃したい場合(小上がり部分は段差が大きく掃除できない)

▶︎おすすめコラム:「畳コーナー(小上がり)はいらなかった」と後悔する理由&快適にする5つのデメリット解消法

【FAQ】新築住宅の設備選びに関するよくある質問

【FAQ】新築住宅の設備選びに関するよくある質問

▶︎施工事例:【木造3階建て二世帯住宅】親世帯は木の温もり、子世帯はモノクロの美しさが息づくお家(敷地37.44坪|延床49.40坪)

最後に、新築住宅の設備について多くの方からいただくご質問を紹介します。

Q.「新築費用のうち、設備機器のコストに占める割合はどのくらい?目安はある?」

A.新築住宅の建築費用のうち、設備機器のコストが占める割合は20〜30%が一般的です。

建物価格が3,000万円の場合、設備だけで600〜900万円程度かかる計算になります。

ただし、設備費用は家にかかるコストの中でもコントロールしやすいため、予算計画に合わせて細かい仕様を見直すことが可能です。

Q.「最新設備を入れたいが、使える補助金はある?」

A.省エネ・防犯につながる設備機器を導入する場合は、補助金や減税制度を利用できる場合があります。

例えば、断熱等級6以上などの要件を満たす「GX志向型住宅」を新築する場合、「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」の補助対象となる可能性があります。

補助額は住宅区分や地域で異なり、GX志向型住宅は一般地域で最大110万円程度、寒冷地ではさらに高くなります。

長期優良住宅・ZEH水準住宅も補助の対象となりますが、GX志向型住宅より補助額が少なくなる点にはご注意ください。(ただし、古家の除却(建て替え)で補助額が+20万円)

要件・補助額・公募状況は年度途中で変わるため、計画前に公式資料で必ず詳細を確認しましょう。

東京都の各自治体では「令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業」を実施しており、防犯カメラ、カメラ付きインターホン、防犯フィルム、スマートロック(一部自治体のみ)などの導入にかかった経費に対して、自治体ごとに定める額の補助金を受け取ることができます。

出典:みらいエコ住宅2026事業
出典:東京都|都民安全総合対策本部|令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業

まとめ|本当に必要な設備を見極めて基本性能の充実を優先

新築住宅の設備を検討する際には、費用と使用頻度を踏まえたコスパの良し悪しで導入を検討することが重要です。

2026年は省エネ基準適合の義務化を背景に、設備を「あれもこれも」足すより、断熱・気密といった住宅の基本性能に投資する“脱・設備課金”の考え方が広がっています。

どんな設備を選ぶのかによって、暮らしの快適さは大きく変わります。しかし、個々の設備の前に「基本性能にお金を回す」視点で優先順位を明確にし、設計担当者と事前にしっかりと話し合いましょう。

ou2(オーツー)が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、注文住宅のハウスメーカーとして培った様々な経験やデータを踏まえて、建築士が限られた面積・予算の中で「本当に必要な設備」を見極め、狭小地でも暮らしやすい間取りに落とし込む設計を得意としています。

ou2(オーツー)が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、都内の狭小地における『木造耐火3階建て・4階建て』の施工実績が豊富です。

価格高騰が続く中でも、省エネ性能を備え、敷地を最大限に活かす多層階住宅など、都市ならではのコストを抑えた家づくりはお任せください。

資金計画から土地探し、間取りのご提案まで、トータルでサポートいたします。

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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