今さら聞けない…『ZEH住宅』の基礎知識
家づくりを始めてから、よく目にするようになった『ZEH住宅』。いまいち内容がわからない…と思いつつも、なかなか人に聞くのも難しいもの。
ZEH住宅はつくるエネルギーを増やし、使うエネルギーを減らすことを目的とした住宅のことです。どんな性能が備わり、どんなメリット・デメリットがあるのかを知っておくことで、これからの家づくりをよりスムーズに進めていくことができます。
今回は、そんなZEH住宅の基礎知識と合わせて、LCCM住宅についてもご紹介します。丸ごと理解を深めた上で、高品質な家づくりを進めていきましょう。
コラムのポイント
・ZEH住宅とは、つくるエネルギーを増やし、使うエネルギーを減らすことを目的とした住宅で、断熱性能を上げ、冷暖房などのエネルギーをたくさん使わなくても快適な室温を保つことができます。
・長期的に見た時に、自分たちだけでなく地球のことも考え、どういった選択をしたら良いのかを考えた上で、ZEH 住宅の建築を検討していくと良いでしょう。
− contents −
◼ ZEH住宅とは
・ZEH住宅の主な特徴
◼ ZEH住宅のメリット・デメリット
・メリット⒈ 年間を通じて快適な住環境に
・メリット⒉ 補助金を受け取ることができる
・メリット⒊ エネルギーを備えることができる
・メリット⒋ 高い資産価値
・デメリット⒈ 建築費が高くなる
・デメリット⒉ こだわりの家が建てられない可能性
・デメリット⒊ 省エネにならない可能性も
◼ ZEH住宅を建てる上で欠かせない4つの基準
・① 強化外皮基準を満たしている
・② 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減する
・③ 再生可能エネルギーの導入
・④ ①〜③を満たし基準一次エネルギー消費量から100%削減
◼ LCCM住宅って何?
◼ これからZEH住宅を建てるなら…
ZEH住宅とは
つくるエネルギーを増やし、使うエネルギーを減らすことを目的とした住宅で、断熱性能を上げ、冷暖房などのエネルギーをたくさん使わなくても快適な室温を保つことができるZEH(ゼッチ)住宅。
経済産業省によると、
外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅
経済産業省資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html
このように定められています。
ZEH住宅の主な特徴
ZEH住宅の主な特徴として、次の3つが挙げられます。
① 省エネ
消費電力を減らした省エネな暮らしを実現するために、エネルギーの収支を確認できるHEMSが導入されていたり、省エネ性能の高い照明や設備が設置されたりしている。
② 創エネ
二酸化炭素を消費するよりも、多くのエネルギーを家そのものが生み出すために太陽光発電が設置されている。
③ 断熱
一年を通して快適に暮らせるように、夏は涼しく冬は暖かい断熱性能の高い家になっている。
ZEH住宅のメリット・デメリット
実際に建てることで、ZEH住宅にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
メリット⒈ 年間を通じて快適な住環境に
ZEH住宅は断熱性が高いため、冬は暖かく夏は涼しく、年間を通して快適な室温を保つことができます。
梅雨の時期のジメジメや夏場の暑さで体調を崩すことも、冬場にお風呂やトイレに行く際の急激な温度変化で体調に支障をきたすこともありません。常に快適な室温の中で、安心して過ごすことができます。
メリット⒉ 補助金を受け取ることができる
国が定めた基準を満たすことで、補助金を受け取ることができます。ZEH住宅の普及は国が勧めている施策なので、粘土によって補助金額や申請期間が異なり注意が必要ですが、多額な費用がかかる家づくりを進めていく上で利用できる補助金は大きなメリットでしょう。
メリット⒊ エネルギーを備えることができる
自家発電でエネルギーをつくることで、消費電力を減らした省エネな暮らしが実現するZEH住宅。日常だけでなくもちろん、いざという時にもしっかり対応することができます。
地震や災害が起こった時、電気やガスといったインフラが止まってしまうことは大きなリスクです。しかし、ZEH住宅なら普段からつくり出したエネルギーを備えておくことができるので、いざという時も慌てることなく安心です。
メリット⒋ 高い資産価値
ZEH住宅を建てる場合、数多くの高い基準を満たす必要があります。この基準は性能に関するものが多く、結果として高性能で資産価値の高い家を建てることができます。
快適な家に住むことができるのはもちろんのこと、転勤や引越し、Uターンといった、いざという時にも売却しやすくなります。
デメリット
デメリット⒈ 建築費が高くなる
高性能なZEHの家は、どうしても建築費用が高くなります。高断熱高気密を実現し、エネルギーをつくり出すために必要な設備を導入・設置するため、通常の家づくりよりも費用がかかってしまうのです。
費用がかかるからこそ補助金を活用できることは大きなメリットなのですが、初期費用の高さや全体的な出費の多さは避けられません。
デメリット⒉ こだわりの家が建てられない可能性
ZEH住宅は太陽パネルを設置するため、屋根の形に制限がかかる可能性があります。デザインによっては、片流れ屋根にしたい、屋上をつくりたい、などの希望を叶えられないかもしれません。
建てたい家のイメージがすでに固まっている場合、実現可能かどうかを事前に確認しておきましょう。
デメリット⒊ 省エネにならない可能性も
エネルギーをつくりだすために導入する太陽光発電ですが、天候や季節によってその発電量は異なります。
期待していたレベルのエネルギー創出ができず、結果として電気代の削減もできず…という可能性もあります。特に住まいによっては、太陽光発電の設置に向かない気候条件の可能性もあるので、どこまで創エネが可能なのかは事前に調べておきましょう。
ZEH住宅を建てる上で欠かせない4つの基準
ZEH住宅を建てる場合、次の4つの基準を満たす必要があります。
① 強化外皮基準を満たしている
住宅における外皮とは、外壁や屋根、窓などのことで、強化外皮基準とはこの外皮の断熱性能の基準のことをいいます。
地域ごとに設定されているUA値というものがあり、この従来の省エネ住宅よりも厳しい基準で設定されている数値を、ZEH住宅は満たす必要があります。
② 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減する
エネルギー源は、自然の中から得られる天然ガスや石炭、石油などの一次エネルギー、一次エネルギーを加工して得られた電気などの二次エネルギー、というようにいくつかの種類に分けられます。
ZEH住宅は、太陽光発電の導入や高性能な設備の導入、住宅の断熱性向上などによって一次エネルギーの消費量を削減する必要があります。
③ 再生可能エネルギーの導入
水力、風力、太陽光、地熱など自然の中から得られるエネルギーのことを再生可能エネルギーといいます。
ZEH住宅を建てる場合、この再生可能エネルギーシステムを導入する必要があります。住宅の場合、太陽光発電や太陽熱温水器な度が一般的です。
④ ①〜③を満たし基準一次エネルギー消費量から100%削減
①と②によって一次エネルギー消費量を20%以上削減し、さらに再生可能エネルギーを太陽光発電などで創出することで、一次エネルギーの消費量を削減します。
年間を通して、エネルギー消費量と生産量を差し引くことで、ゼロ以下を目指すのがZEH住宅です。
LCCM住宅って何?
ZEH住宅とともによく聞く住宅として、LCCM住宅があります。
LCCM住宅とは、ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅の略であり、建てる、暮らす、とり壊す、といった住宅の一生の中でできる限り二酸化炭素の排出を減らすだけでなく、再生可能エネルギーを創り出すことで、二酸化炭素の収支をマイナスにする仕組みになっています。
LCCM・国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000153.html
ZEH住宅は、つくるエネルギーを増やし、使うエネルギーを減らすことを目的とする一方で、LCCM住宅はトータルの二酸化炭素の収支をマイナスにしていくという目的で建てられています。両者の違いを理解した上で、家づくりを進めていくようにしましょう。
これからZEH住宅を建てるなら…
ZEH住宅には、様々なメリット・デメリットがあります。長期的に見た時に、自分たちだけでなく地球のことも考えた上どういった選択をしたら良いのかを考えた上で、ZEH 住宅の建築を検討していくと良いでしょう。
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