二世帯住宅をより快適に暮らすための間取り9選

 

二世帯住宅。それは世代の違う二つの世帯が、ひとつ屋根の下で共に創り上げる生活です。お互いが心地よく暮らすためには、プライバシーや生活音、生活時間帯の違いに配慮した住まいづくりが欠かせません。

将来的には一緒に暮らす予定がある、将来的に自分の子世帯と暮らすかも…、など、将来の暮らしの変化にいつでも対応できるようにしておきたいですよね。そこで今回は、二世帯住宅の間取りの工夫点をまとめて御紹介します。

 

 

 

二世帯住宅のプライバシーとコミュニケーションのバランス


最近の二世帯住宅は、世帯を完全に分離させた間取りというよりも、1階と2階で世帯を分けるスタイル、住まいの一角にどちらかの世帯が暮らす部屋を設けるというスタイル、というものが多くなっています。

そうすることで、生活時間帯が違うことによる音の問題やプライバシーへの配慮、空間を広く使えるよう出入り口を広く設ける工夫、プライベートな空間の確保など、双方が心地よく暮らすためにしておきたい工夫はたくさんあります。

 

双方の暮らしの向上のために…


まずは子世帯、親世帯双方が心地よく暮らすためのポイントを見てみましょう。

 

玄関はほどよく仕切る

二世帯住宅では、来客時のお出迎えや対応など気をつかう部分が玄関です。同居とはいえ、日々の暮らしにお互いがいい距離感で干渉しないのは大切です。そのため、空間はほどよく仕切るようにしましょう。

それぞれの世帯がリビングを通らずに外出できるルートを確保することで、世帯間に暮らしの違いが目に見えてイメージできるようになります。

 

水回りの計画は将来を意識しながら

健康に過ごせる時には気にならないようなことでも、いざ介護が必要になった場合、水回りの計画が不十分だと負担がかかってしまいます。

親世帯だけでなく、自分たちが年齢を重ねた時のことも考えて水回りを設計しましょう。水回りの動機は、将来の暮らしを様々な視点から想像しながら、しっかり計画しましょう。

 

家事動線を短く

親世帯にとって、今までのスムーズにできていたことも、年齢を重ねていくうちに難しく感じたり、おっくうになってしまったりすることがあります。それでも、家事は毎日年齢とは関係なくしなければなりません。その一方で、二世帯住宅の子世帯も、子育てや仕事で日々忙しく過ごしています。毎日やるべきことをゼロにすることはできません。そのため、家事労働をできるだけ効率良くこなせる動線を作るようにしましょう。

どの世代にとっても、快適な家事動線は心地よく暮らすために欠かせない、大切な要素です。

 

 

 

親世帯の暮らし向上のために…


人はいつかは老いて、身体の自由が効かなくなります。そんな将来も想定し、親世帯の暮らしを向上させるためのポイントを見てみましょう。

 

あえて段差を作る

段差のないバリアフリー住宅が今では一般的です。しかし、二世帯住宅だからこそあえて段差を作ってみるのもいいでしょう。階段や段差が多少あった方が気をつけようと意識します。そうすることで、親世帯にとってはいい運動になります。体を動かせる間は、空間作りに体を動かすことを促してくれる設計も大切です。

段差であれば、例えば和室を一段上げることで段差が椅子代わりにすることができます。数センチの段差では危険を及ぼす可能性がありますが、階段程度の段差を意識してみるのも一つの手です。

 

居室はあえて2階に

二世帯住宅を作る場合、階段の上り下りや将来の暮らしを考慮して、1階に親世帯の居住スペースを設けるのが一般的になっています。確かに、1階に居室を設けることで安全面でのメリットはありますが、孫がいつも寝室脇のリビングにいるのでゆっくり過ごせない、人の出入りが気になる、ということも多々あります。

居室が2階であれば、親世帯にとってゆったりと落ち着ける居住空間を得ることができます。もし、歳をとって階段の上り下りに不安を覚える場合、収納や吹き抜けをホームエレベーターに変更できるスペースとして準備しておいたり、1階の部屋を寝室として使えるように確保しておいたり、できることをしておきましょう。

 

 

 

 

 

二世帯住宅を快適に暮らすための間取りのポイント


 

親世帯と子世帯が毎日仲良く暮らし、程よい距離感で接していくことができる二世帯住宅を完成させるためには、間取りに関してしっかりと話し合って、お互いのプライベートやプライバシーを確保できるようにすることが大切です。

室内それぞれの場所の、間取りのポイントを見てみましょう。

 

玄関

東や南に設置することで、自然光がたっぷり入ります。また、東や南を生活の中心になるダイニングやリビングに活用するために、西に設置することもできます。

玄関を二つに分ける場合は、同じ向きも多く見られますが、お互いの目がきになる場合は別向きも検討してみましょう。

 

リビングやダイニング

東南の日当たりの良い場所に、リビングやダイニングをレイアウトしましょう。

リビングはくつろぐ場所、ダイニングは食事をする場所というのが一般的です。しかしダイニングを中心に食事、会話、くつろぎ、勉強、などすべての場として活躍させることもできます。

大きなダイニングテーブル、ゆったりとくつろげるダイニングソファーなどを合わせ、子どもの宿題をダイニングで見守ることで、親だけでなく祖父母も気楽に目かけることができ、自然と親子の会話、祖父母と孫とのふれあいが生まれます。

 

キッチン

現在の家の造りは、基本的に気密性や断熱性が高いので、北面でも冬もあまり寒くはありません。そのため、キッチンを北面に設置することが可能です。北東に設けることで、夕食の準備中に強い西日を避けることもできます。

キッチンは、家族と会話ができるオープンタイプにすることで、でイニングにいる家族とのコミュニケーションが取りやすくなり、母と娘で一緒に調理をしても狭くないゆとりのある空間を確保できます。

 

和室

普段は、親世帯がくつろぐ空間として使うことができます。くつろぐだけでなく、孫と遊んだり、洗濯物をたたんだり、とフレキシブルに使うこともできます。日当たりの良い場所に設けることで、健康的に心地よく過ごせます。

小さな子どもがいる場合にはお昼寝に使うのも最適ですし、来客時には客間として利用することも可能です。

 

洗面所・浴室

洗面所と脱衣所をセパレートすることで、もし誰かがお風呂に入っていても鉢合わせることなく、気兼ねなく洗面所を使うことができます。

天井部分に吊り下げ式の室内物干し設備を設けることで、共働きで忙しくても室内干しがすぐにできます。

 

親世帯と子世帯それぞれの寝室

生活音に配慮して、二世帯の寝室を配置することが大切です。プライベート確保のためにも距離を置きつつ、水回りやリビングなどから離してくつろげる空間にしましょう。

 

子供部屋

子ども部屋は、北側が一番自然光が安定しているので北側に配置することがお勧めです。安定した自然光で、集中できる空間になります。受験生になれば、賑やかなダイニングで勉強するよりも、自分の空間で集中して勉強する方が効率が上がります。集中できる空間、というものを意識しましょう。

 

水回り

水回りは、1階と2階の両方に設けておきましょう。そうすることで、混雑しがちな朝でもスムーズに使えたり、相手の就寝時間を気にせずに歯磨きや入浴をすることができます。

 

収納計画

お互い不満がたまらないように、収納スペースはしっかりと確保しておきましょう。そのために、玄関の土間収納や玄関クローク、クローゼット、パントリーなどをしっかり確保することが大切です。

荷物は月日を重ねるうちに、どうしても増えてしまいます。増えがちな荷物や季節の洋服を片付けられるようにしましょう。

 

 

二世帯住宅で快適に暮らすために


二世帯住宅でお互いの家族が快適に暮らすためには、、話し合いやあらかじめしっかりと計画を立てることで改善します。

より快適な暮らしを手に入れるために、できる準備をしっかりとしておきましょう。

 

クレバリーホームの注文住宅

LINEでお問い合わせ

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

詳しいプロフィールはこちら