キッチンはどうする?狭小住宅でも使いやすい間取りのポイント

狭小住宅だからある程度の狭さは仕方がない、少しでも空間にゆとりをもたせたいけど難しい…と諦めていませんか?狭小住宅でもいかに広々と暮らしていくかは、間取りを考える時の大きなポイントです。特に毎日使うキッチンは、窮屈さを感じることなく快適に使いたいですよね。
今回は狭小住宅の家づくりを始める時に役立つ、キッチンの間取りの考え方をご紹介します。

 


コラムのポイント
・狭小住宅にぴったりなレイアウトは、『I型キッチン』『II型キッチン』です。
・間取りを決める時は、作業効率や家族とのコミュニケーションが取りやすいか、収納面、壁紙とキッチンの色の統一といったポイントに注意して決めましょう。
・キッチンの建築実例を参考にしながら、理想のつまった家づくりを一緒に進めてまいりましょう。


 

 

 

 

 

狭小住宅にぴったりなレイアウト


キッチンのレイアウトは、いくつか種類がありますが、狭小住宅にぴったりなのは『I型キッチン』と『II型キッチン』です。

 

◼︎ I型キッチン


I型キッチンは、キッチンの壁伝いにまっすぐ設置されたキッチンのことです。この形のポイントは、何よりも場所をとらないということです。狭小住宅のように、あまり広いスペースを確保できなくても設置できます。そしてシンクとコンロの間や、コンロの横のスペースを広げることで、作業スペースを確保できます。
また、省スペースに設置されることにより、作業動線を短くすることができます。シンク、コンロ、冷蔵庫など料理に必要なものをあちこち動かなくても使えるため、無駄な動きも少なくなります。そして横の移動距離は長くなりますが、キッチンを一目で見渡すことができるため使い勝手もよくなります。

 

◼︎ II型キッチン


II型キッチンは、セパレート型キッチンとも言われています。シンクとコンロが別々のキッチンカウンターに分かれており、そのカウンターが平行に並んでいるキッチンのことです。こちらも広いスペースでなくても設置することができます。
それぞれのカウンターに十分な作業スペースがあるので、料理も効率的に行うことができます。たくさんの料理を一度に作るときでも、手際よく作ることができます。子どもと一緒にキッチンに立つ習慣も身につきそうですね。またカウンターの上下には収納スペースをしっかりと確保できるので、収納スペースを別に設置しなくてもよくなりますし、十分な収納で片付けに困ることも少なくなります。

 

 

アイランド型は工夫が必要

お洒落なインテリア雑誌やSNSでよく見かけるのがアイランド型です。アイランド型はアイランドという名前の通り、部屋の中にアイランド(島)のように存在しているキッチンのことをいいます。リビングに向かって対面式になっており、調理スペースやシンクが独立しています。
お洒落で効率よく家事ができるのがポイントのアイランド型ですが、アイランド型の良さを最大限に活かすには広い部屋である必要があります。キッチンそのもののスペースだけでなく、キッチン両サイドの通路スペースも必要になるからです。狭小住宅の場合、この通路を確保するのが難しいため、アイランド型の設置は難しいかもしれません。どうしても設置したいという場合は、通路を狭くするなどの工夫もできますが、使い勝手は悪くなります。

 

 

 

 

間取りを決めるときのポイント


キッチンの間取りを決めるときは、狭小住宅の特性も活かしながら決めていきましょう。

 

・作業効率


居住スペースが元々限られている狭小住宅は、作業効率を考慮して間取りを考えましょう。毎日使うキッチンなので、無駄な動きなく料理ができるよう、すっきりとさせることがポイントです。
キッチンのレイアウトが決まったら、料理をするときにどのように動くか、冷蔵庫の位置はどうするか、食器棚はどこに置くかなどを考えていきましょう。

 

・家族とのコミュニケーション


キッチンに立っていてもコミュニケーションを取りやすい間取りにしておくと、いつでも家族とやり取りができます。
I型キッチンの場合、省スペースにキッチンを設置することができますが、設置の仕方によっては調理中に家族に背を向けることになるため、コミュニケーションが取りにくくなることがあります。II型キッチンの場合は、家族の方を向いて調理できるため顔を見ながら会話ができます。お子様がまだ小さくても、遊ぶ姿を見ながら家事ができるので安心です。
家族みんながキッチンを挟んでどんなコミュニケーションをとりたいのかを話し合ってみるのも良いですね。

 

・収納


キッチングッズや調理器具は、いつの間にかたくさん増えてしまうもの。増えた後に困らないように、収納スペースはしっかりと確保しておきましょう。狭小住宅の場合、そもそも収納スペースを作るのが難しいかもしれませんが、片付かずにごちゃごちゃしてくると部屋が狭く感じてしまいます。
調理の動線に即した収納をあらかじめ設置しておけば、調理器具や食材のストックの出し入れが楽になります。

 

・壁紙とキッチンの色の工夫


壁紙の色とキッチンの色味を合わせることで、統一感が生まれます。キッチンの色をあえて変えることでインパクトを出すこともできますが、狭小住宅の場合はあまり色味を外しすぎないほうが良いでしょう。
キッチン家電や調理器具をカラフルなものにすれば、簡単にキッチンの雰囲気を変えることができます。

 

 

 

 

狭小住宅のキッチン実例


狭小住宅で素敵なキッチンのある家を建てた方はたくさんいらっしゃいます。これからの家づくりの参考にしてみてください。

 

 

「ただいま」が暖かい。
家族団らんの工夫が随所に詰まった3階建て屋上付き住宅

大田区 T様邸
敷地面積:105.41㎡(約31.9坪)
延べ床面積:134.34㎡(約40.6坪)

   

レストランの様な我が家の料理場
~LDKが家族だんらんの中心に~


お家の2階にあるLDKは、広々工夫がいっぱい!
1階からの吹抜けも勿論のこと、たくさん光を取り込めるように半透明の建具にしたインナーバルコニーもLDKを広く見せる効果になっています。

T様の1階は奥様のご趣味の弓道を天井を気にせず練習できる様にと吹抜けにされています。
また、ご主人のご趣味は料理づくりで、みんなで作業できるL型キッチンの中央にあるのはご主人たっての希望の作業台。
日頃はお仕事で忙しいお二人が、お子様とも一緒にそれぞれのご趣味を尊重しながらもお互いを感じられる家族団らんの中心です。

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間口が狭くて奥行きがある縦長敷地、
1階が駐車場の狭小3階建て木造耐火の家。

文京区 T様邸
敷地面積:57.30㎡(17.33坪)
延床面積:113.57㎡(34.35坪)

間口が狭くて奥行きがある縦長敷地、<br>1階が駐車場の狭小3階建て木造耐火の家。 

 

敷地が縦長なら、キッチンもタテにいれればいい!
他社にはなかった提案が決め手に。


木造耐火建築、1階は2台分の駐車場、2階、3階が居住スペースです。
はじめは3~4社の競合でしたが、最後は大手ハウスメーカーさんと当社で悩まれていました。
決め手になったのは縦長の敷地にキッチンをタテに置くというプランです。通常はヨコに置くので、大きなキッチンは入れられません。ですがタテに置けばそれができますし、希望していたアイランド型にもできる。他にはない提案だったということで喜んでいただけました。

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狭小住宅を活かす間取りを


狭いから、スペースがないから、と諦めなくても間取りを工夫することで素敵なキッチンを造ることができます。たくさんの実例を参考にしながら、理想の家づくりをしていきましょう。

家づくりのご質問、お問い合わせはどんなことでも承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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