建てる前に知っておきたい一軒家に地下室を造る3つのメリット

住みたい土地を見つけたけれど狭小地だった、あまり広い家を建てられそうにない…。そんな時にオススメなのが、地下室の設置です。

自宅に地下室があれば、土地の広さを気にしなくても部屋の階数を増やすことができます。また地下室だからこその、遊び心のある空間とともに暮らすことができます。

 

家づくりを始める前に、地下室の必要性とメリットをあらかじめ確認しておきましょう。また、すでに地下室を造られた方の建築実例も、参考としてご覧ください。

 

 


コラムのポイント

・地下室があることで、居住空間を広く確保することができるだけでなく、災害時にしっかりと備えることができます。
・地下室は、容積率の緩和を受けることができるだけでなく、プライベート空間や収納スペースの確保、趣味の部屋づくりに力を注ぐこともできます。
・ドライエリアの設置や湿気対策など、設備面の工夫をして、快適な地下室のある生活を送りましょう。


 

 

 

 

地下室の必要性


地下室と半地下でビルトインガレージ、屋上にルーフバルコニー、<br>部屋の高さ、建具・家具配置までギリギリを極めた家。

子どもの頃、地下室に行くとなんだかワクワクしませんでしたか?地下室には、そんな不思議な魅力がありますよね。

 

家に地下室があれば、土地の広さ以上の部屋数を確保することができます。そしてそれだけでなく、趣味の部屋として活用したり、食品の貯蔵庫などに活用したりすることもできるのです。

 

 

災害への備え


毎回大きな被害が出る台風や地震。備えあれば憂いなし、と言いますが、地下室があれば災害に対してしっかりと備えることができます。

 

災害で大きな影響を受けるのがライフラインです。電気ガス水道がいつものように使えなくなるだけでなく、食料を買いに行ってもお店が営業をしていない、必要なものが手に入らない、という状況に陥ってしまいます。

こんな時に、地下室があれば食料や日用品をしっかりとストックしておくことができます。家族全員が、自由に動き回ることができる家庭ばかりではありません。小さな子どもがいたり、高齢の両親がいたりすると、必要な身の回りのものもぐっと増えます。収納スペースだけでは不安になりますが、保管スペースがあればしっかりと備えることができます。

 

 

居住空間を広く確保


狭小住宅を建てた場合、容積率いっぱいに家を建てたとしても、部屋数や収納を十分に確保できないことがあります。こんな時に地下室という選択があれば、もっと広い家に住みたい、広々としたリビングスペースを設けたい、子どもの人数分の部屋数を確保したい、という希望を叶えることができます。家の横大きさを広げることはできなくても、縦の大きさを広げることができるからです。

地下室を設置することで、土地の広さはそのままで居住面積を増やすことができるのです。

 

 

 

 

地下室のメリット


地下室を家に設置することでいくつかのメリットがあります。

 

メリット① 容積率の緩和を受けることができる


地下室とは、建築基準法では『地階』といいます。床が地盤面より下にあり、天井の高さの3分の1以上が地盤面より下にある空間を指します。容積率とは、その土地に建てることができる建物の、延床面積の割合のことです。

地下室の場合、以下のような一定の条件を満たしていることで、建物全体の中の、住宅部分の延床面積の3分の1までが容積率の延床面積からはずすことができます。これを容積率の緩和と言います。

住宅における地下の容積率緩和を受けるには次のような3つの条件を満たすことが必要です。

 

・地階にあり、床面から地盤までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上であること。
・地盤面から地階の天井が1m以下であること。
・住宅の用途に使われ、床面積の合計の3分の1以下であること。

 

また、この容積率の緩和を受ける場合、地下室が住宅として使われることが条件となります。

 

 

メリット② 新たなプライベート空間の確保


地下室は、周りを土に囲まれた空間で、静かなプライベート空間です。集中して仕事をしたい時、読書をしたい時、試験勉強をしたい時などに活かすことができます。一人で集中したい時、家の中ではなかなかその時間を設けることが難しい時があります。集中するために毎度家を出て行くのも、準備や場所探しが大変です。そんな時、地下室は静かな落ち着いた空間を提供してくれます。

また、子どもの友だちが集まってパーティーをするような時も、騒ぐ声をご近所に気にすることなく楽しむことができます。気のおける仲間と集まって過ごすひとときは、日常生活を豊かに彩ってくれます。

 

 

メリット③ 広々とした収納スペース


各部屋に収納スペースを設けることで、部屋が狭くなってしまうだけでなく、収納スペースに合わせて収納グッズもそろえなければなりません。

地下室を収納スペースとしてしまうことで、各部屋の収納スペースを減らし、その分広さを確保することができます。地下への移動は大変かもしれません。しかし、一箇所で荷物を一元管理することで、どこに何があるのかが把握しやすくなります。親だけでなく、子どもにもわかりやすく収納することで、家族みんなで片付けの習慣を身につけることもできます。

 

 

メリット④ 趣味に集中できる防音空間


音楽をリラックスしながら聞きたい、臨場感を味わいながら映画を大音量で観たい。そんな希望も地下室で叶えることができます。集中を遮るものが何もありませんし、大きな音を出しても周りを気にすることなく楽しむことができます。音響や設備にこだわりのある方は、地下室という音が響く中で過ごすことで、より楽しむことができます。

 

 

 

 

地下室のある家のひと工夫


地下室は地上の家とは室内の状況が異なります。そのため、地下室にあった設備や建て方の工夫が必要です。

 

・ドライエリアを設置する

ドライエリアとは、地下室のある建物に作られた、地面を掘り下げた空間のことです。ドライエリアを設けることによって、地下室の防湿や風通しが良くなるだけでなく、採光や換気にもなります。避難経路の確保にもなります。

 

原則として、地下室にはドライエリアを設けるように衛生上の観点からも定められています。地下室は、基本的には建築基準法で居室と認められていませんが、ドライエリアを設けることで地下室を居室として使うことができます。

 

ドライエリアがあることによって地下室にも直接太陽光を注ぐことができます。これにより、地上階と同じような住環境が実現します。地下室にはなかなか太陽の光を挿し込ませることは難しいのですが、そんな時でも、ドライエリアが大きな窓の役割を担い、開口できることによって地下室にも心地良い空気を送り込むことができるようになります。さらに、重力換気を利用した効率的な自然換気も行うことができます。

 

 

・湿気対策をする

地下室設置の際は、湿気対策のためにしっかりと断熱工事を行いましょう。湿気は食品や家具などの保管の大敵です。また、多い湿気は人体にも影響を与えます。除湿器、自動排水システム、熱交換器も設置することで、年間を通して一定の温度、湿度で快適な空間を作ることができます。

 

 

 

 

地下室の実例紹介


実際に地下室のある家を建てられた方の実例も見てみましょう。土地の広さを有効に活用しながら、思い通りの素敵な家づくりをされています。

 

地下室と半地下でビルトインガレージ、屋上にルーフバルコニー、
部屋の高さ、建具・家具配置までギリギリを極めた家。

地下室と半地下でビルトインガレージ、屋上にルーフバルコニー、<br>部屋の高さ、建具・家具配置までギリギリを極めた家。

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当社だけだった、大きな半地下の駐車場をつくるプラン、
土地探しからご相談いただいていたからこその大胆提案。

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理想を叶える地下室のある暮らし


 

家に求める設備や暮らし方は、家庭によって様々です。家族との時間を過ごしながらも、プライベートな時間を確保したい、荷物が多いから広い収納スペースが欲しい、といった理想を地下室で叶えることができます。ぜひご家庭にあったスタイルに合わせて、暮らしを豊かにしていきましょう。

 

 

地下室設置のご相談やご質問は、クレバリーホーム東京までお気軽にお問い合わせください。

 

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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