間取り次第で快適に!掃除がしやすい狭小住宅の家づくり
狭小住宅だから狭い部屋になるのは仕方がない、狭い家でリラックスできるのかどうか不安…。住む前から、こんな思いを抱えていませんか?狭小住宅とはいえ、間取りや暮らし方を工夫することで、掃除が行き届いた家で快適に暮らすことができます。
今回は、狭小住宅の魅力と、狭小住宅での家事を時短で行う方法をご紹介します。家づくりを始める前に、狭小住宅での暮らしの工夫を身につけておきましょう。
コラムのポイント
・狭小住宅はお財布に優しい住宅です。土地代や建築費を抑えるだけでなく、固定資産税などの税金も抑えることができます。
・狭小住宅は間取りを工夫することで、ぐっと掃除がしやすくなります。
・家づくりを始める前に、暮らしやすい間取りの考え方を身につけておきましょう。
おサイフに優しい狭小住宅
『狭小住宅=狭い家』と侮ってはいけません。狭小住宅は、狭いかもしれませんが、とても魅力ある暮らしの基盤なのです。
・都市部でも一軒家を持つことができる
一軒家を建てることを夢見ていた、住むのであればマンションよりも一軒家。こういった夢を描いている方にとって、狭小住宅は魅力的な物件です。
都内に家を建てるとなると、どうしても問題となるのが土地の値段の高さです。利便性が良く、人気の高いエリアに住もうとした場合、驚くほど土地の値段が高くなります。土地の値段だけで一軒家を諦めてしまうかもしれません。しかし狭小住宅であれば、狭い土地に一軒家を建てることができます。土地代も抑えることができますし、コンパクトな家であれば、大きな家よりも建築費を抑えることができます。利便性の良い都内の一軒家で暮らす、という希望を叶えることができるのです。
・税金を抑えることができる
土地代や建築費だけではありません。狭小住宅を建てることで、固定資産税や都市計画税を抑えることができます。家を取得すると、固定資産税と都市計画税を払う必要があります。この毎年かかる税金を、狭小住宅は安く抑えることができます。
固定資産税の税額は、固定資産税評価額に税率をかけることで決定します。
・固定資産税
小規模住宅用地 評価額を1/6に減額したもの×税率
一般住宅用地 評価額を1/3に減額したもの×税率
・都市計画税
小規模住宅用地 評価額を1/3に減額したもの×税率
一般住宅用地 評価額を2/3に減額したもの×税率
このように計算されます。この税率は、自治体によって異なるので詳しい金額はお住まいの自治体に問い合わせるようにしましょう。
また、家を建てる際に必要な建築申請にかかる費用や、土地や建物を自分名義にするための登記費用などもまとめて安く抑えることができるというのが狭小住宅の特徴です。人気のあるエリアは家そのものだけでなく、土地を買うだけでも多額のお金が必要です。その代わり狭小住宅することで、住宅取得や維持に必要な、毎年の税金を大きく抑えることができるのです。
家を建てた後も、生活していくための資金が必要ですよね。狭小住宅は、家を建てた後の家計にも優しいのです。
狭小住宅の間取りの工夫
快適に暮らすためには、何よりも間取りの工夫が大切です。特に間取りの重要性を感じる2スペースについて見てみましょう。
キッチンの間取り
誰がどんな頻度でキッチンに立つのか、どの時間帯に料理をするのか、どのくらいの人数が立てるスペースがあればいいのかなどを考え、間取りを考えましょう。その上で、一連の動きをシミレーションし、作業効率のいい間取りを考えていくことで、作業スペース、収納スペース、収納や家電の位置関係などに無駄がない間取りになります。
家事に多くの時間は割けない、という場合はパントリーを設置しましょう。共働きで買い出しの時間がない、買い出しは一度で済ませたい、という方にはとても便利です。また、ストックをしっかり持つことで昨今多く発生している災害にも備えることができます。
リビングの間取り
天井を高くしたり、吹き抜けを作ったりすることで広々とした空間に仕上げることができます。家族でゆっくり過ごすことで、穏やかな時間の流れを感じることができますね。
リビングに窓をつくるときは天井ギリギリまでガラスにする、小さくても複数の窓を設置する、などで室内に光をしっかりと取り入れるようにしましょう。明るい光が広さを感じさせてくれます。窓が難しければ、大きな鏡を取り付けることでも空間を広く感じることができます。
生活に必要なものを絞る
これらの間取りを叶えるためには、生活に必要なものを絞るようにしましょう。生活を簡略化してシンプルにし、必要のない浪費を減らすことで掃除が楽になります。それだけでなく、生活が向上し幸せで充実したものになるというデータもあります。近年、ミニマリストという生き方や言葉が流行っていますが、そこに近い生活スタイルを思い浮かべていただくとわかりかもしれません。
部屋の中を最小限のモノだけにすることで、心にゆとりが生まれ掃除という実質的な負担を大きく減らすことが出来ます。
無駄を省いたシンプルな生活を意識することで、生活をコントロールできるのです。
狭小住宅の家事を時短で行う方法
新しい家に住んだら、毎日掃除して綺麗をキープしたい!と思っている方も多いでしょう。とはいえ、家事に仕事にやることはたくさんあります。特に家事には終わりがなく、やってもやっても無くならないものですよね。
狭小住宅は、ある程度持ち物を減らすことで、ぐっと掃除をしやすい家になります。そのポイントを見てみましょう。
方法① 家具や物を減らす
狭小住宅は、間取りや配色を工夫することで室内にゆとりを感じられるようになります。間取りを工夫した後は、家具や雑貨などをあまり増やさないようにしましょう。モノが多ければ、その分お手入れや掃除が大変になります。
本当に気に入っている家具、好みの雑貨のみを残し、後は手放すことで掃除をしやすい空間になります。
方法② 動線をあらかじめ工夫しておく
狭小住宅は、設計段階から動線は工夫されています。設計意図をしっかりと聞いておき、意図に合わせて家電や家具を設置するようにしましょう。意図していない場所にモノを置くことで、スムーズに動き辛かったり、行ったり来たりを繰り返したりしなければならなくなるかもしれません。
主に家事をする人や家族の意思も反映してもらいながら、設計してもらいましょう。
方法③ 空間をたくさん仕切らない
空間を仕切ることで、部屋数を増やすことができます。この場合、部屋が増えれば増えるほど掃除は大変になります。各部屋を行ったり来たりして掃除をしてまわるよりも、モノが少ない広いスペースを一気に掃除する方が楽にできます。空気の入れ替えもしやすいですし、光熱費などを考えた時にもこちらの方がお得になります。
方法④ 収納を工夫する
モノを出しっ放しにしておくと、すぐに使うことができますがいざ掃除をするとなった時は大変です。毎回、元あった場所に戻す事から始めなければなりません。あらかじめ収納スペースを確保しておき、常にスッキリと片付けて置くようにしましょう。
暮らしやすい狭小住宅にするために
狭小住宅は、工夫次第で快適な暮らしに近づけることができます。狭いから…といって快適さや掃除のしやすさを諦めるのではなく、できることから始めて、より快適な暮らしを目指していきましょう。
狭小住宅として参考になる建築実例がたくさんあります。お好みの建築実例をぜひご覧になってみてください。