工夫次第で狭小住宅も快適空間に!心地よい間取りの作り方
快適な我が家で過ごしたい…と思っていても、うちは狭小住宅だからどう頑張っても心地よい家にはならない、と諦めていませんか?
広い大きな家でなくても、暮らし方次第で快適な空間にすることができます。そして、その工夫ができるのは家主さんだけなのです。狭小住宅を快適な空間にするための方法、心地よさを感じることができる間取りを一緒に見てみましょう。
コラムのポイント
・心地よさを感じる家とは、温度と湿度が保たれており、こだわったモノ選び、適度な採光がなされた空間がある家です。
・狭小住宅を快適な間取りにするポイントは、壁をなくして温度湿度を一定にする、家具にこだわる、採光や動線を考えて設計する、などが挙げられます。
・心地よい間取りの作り方を参考に、狭小住宅の家づくりを進めていきましょう。
心地よさを感じる家
大きくて広い家。高級な家具がたくさんあって、きらびやかな家。素敵だな…と思うかもしれませんが、誰もがこの家を求めているわけではありません。それぞれの家族や暮らし方にとっての心地よさは、星の数ほどあります。
そもそも、心地よさを感じる家とは?
では、どのような家が誰もが心地よさを感じる家なのでしょうか。
・快適な温度と湿度
常に快適な温度と湿度が保たれている家には、人は心地よさを感じます。季節や人によって好みは変わりますが、一般的には、
夏場 温度が25~28度で湿度は45~60%
冬場 温度が18~22度で湿度は55~65%
といわれています。ここから大きく外れてしまうと、ジメジメとしたり逆に乾燥しすぎてしまったりするため、心地よさを感じられないのはもちろんのこと、体調も崩してしまいます。
・こだわりの家具
人それぞれ好みの服があるように、家具にも好みがあります。好きなファッションに身を包んでいると、なんだかワクワクするように、1日の多くの時間を過ごす家が好きな家具で揃っていたら常にリラックスすることができます。
狭小住宅とはいえ、気に入った家具を厳選して持つことは可能です。少量の家具に絞ることで、必要ないものをたくさん買っていたために選べなかった憧れの家具も、購入することができるかもしれません。少ないからこそ、目の前の家具を大事にすることができます。
・適度な採光
日の光が降り注ぐ空間は、なんだか心が安らぐ…という人も多いのではないでしょうか。太陽の光にはセロトニンという物質が含まれています。セロトニンとは、感情や気分のコントロールや精神の安定に深く関わる脳内物質です。このセロトニンが不足すると心のバランスを崩してしまい、うつや睡眠障害などの原因になります。
常に適度な光が降り注がれることで、人はリラックスすることができ、その空間に心地よさを感じるのです。
狭小住宅を快適な間取りにするポイント
心地よさを感じるポイントを押さえたら、次はどのような間取りにするかを考えていきましょう。狭小住宅だからこその工夫をすることで、快適な暮らしが実現します。
・壁をなくして温度湿度を一定にする
壁を減らしてしまうと、部屋数は少なくなってしまいます。ただ、壁自体をなくしてしまうことで、広々とした開放感のある空間が手に入ります。冷暖房効率が気になるかもしれませんが、間取りによっては、壁をなくしてしまった方が温度や湿度を一定に保つことができます。各部屋の出入りによって、常に室温が上がったり下がったりするストレスがなくなります。そして、各部屋にエアコンを設置することを考えても、初期費用や年間の冷暖房費というコストを下げることができます。
寝室のように、プライバシーを守りたい部屋以外は壁を減らし、空間に奥行きを生み出してみましょう。建築段階で、冷暖房効率の面でもしっかりと打ち合わせをしておくことが大切です。
・不要な部屋や棚を設置しない
狭い部屋だとしても、シンプルに整っており不必要な物がなければ、それだけでスッキリとした居心地の良い空間になります。茶室はもともと狭い空間ですが、不要なものがないため驚くほど狭さを感じることはありません。
家も同様で、不要な棚をつけない、部屋数は最小限にする、そもそも不要な部屋は作らない、などの工夫をすることで、居心地のよい空間を保つことができます。
・採光を考えた設計にする
光をうまく取り入れる設計にすることで、狭小住宅という窮屈さを感じにくくなります。光がしっかり取り入れられると、室内に十分な明るさが充満し、心地よさを感じることができます。また、視界が上に開けることで空間をより広く感じることもできます。
大きめの窓を設置する、壁の上部に小窓を設置する、天窓を設置するといった方法がありますし、思い切って、吹き抜けを設置するというやり方もあります。
吹き抜けにする場合、光熱費がかかるのでは…と心配になるかもしれません。しかし、狭小地は一つひとつの空間がコンパクトなので、満遍なく一定の空気を循環させることができます。そのため、そこまでの心配はいらないでしょう。
・シンプルな動線にする
しっかりと考えられた動線は、その家での暮らしをより快適にすることができます。狭小住宅の場合、バスルームやトイレ、キッチンなどの水回りを、できるだけ近い位置にまとめて設置することで、一気に家事動線はコンパクトにすることができます。また、水回りをまとめることで設置の際の工事費を抑えることができます。
また、可能であればあらかじめシミュレーションしてみて生活動線と家事動線を分けるようにしてみましょう。そうすることで、暮らしている人同士の動きがぶつかることなく、スムーズに動くことができます。狭小住宅で生活動線と家事動線を分けるためには、ひとつの場所へたどり着くための扉や通路を幾つか設置する、間取りだけでなく家具の設置場所を工夫する、などの方法があります。
・防音対策をしっかりとしておく
心地よい家にするためには、暖かい日の光や好みの家具などのように、目に優しいだけでなく耳にも優しくできるよう工夫してみましょう。
狭小住宅は、もともと住宅が密集している場合が多く、家の片側だけでなく三方を隣家に囲まれることも多々あります。そのため、音の問題を解消する必要があります。これは他の家から漏れてくる音を遮断するというだけでなく、自分の家から漏れてしまう音を遮断する対策にもなります。騒音問題は、ご近所間でトラブルになりやすい問題なので、お互いの暮らしの心地よさを守るためにも。間取りを考える際に防音対策もしっかりと考えておきましょう。
それでも少しでも広い家にするのなら…
狭小住宅を快適な間取りにするポイントをご紹介しましたが、それでも少しでも広い家に住みたい…という場合、家づくりの段階で、施工会社に『足場』に注力してもらいましょう。
狭小地での家づくりは、高度な構造の知識や施工能力が必要なため、経験に基づいた豊富な知識や建築スキルが必要です。その中でも、足場の幅をどうするかによって、住宅の床面積は決まるのです。狭小地にとってほんの数センチとはいえ、部屋の広さが変わってくると思うと、快適さは大きく左右されます。
狭小住宅の足場作りについては、詳しくはこちらもご参照ください。
施工会社と手を取り合って、世界に一つだけの快適な家づくりを進めていきたいですね。
空間づくりは工夫次第!
狭さがデメリットに感じるような家でも、工夫次第でいくらでも快適にすることができます。ぜひ建築実例も参考にしてみてください。
狭小住宅の家づくり、間取りや予算のご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。お客様だけの家が実現するよう、お手伝いさせていただきます。