狭小住宅で叶えるビルトインガレージ|間取りの考え方とメリットデメリット

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

都内に建てる狭小住宅。『車を所持したいので、できればガレージが欲しい!とは思うものの、土地の広さを考えると居住スペースと駐車スペース両方つくるのは難しい…。』と、肩を落としてはいませんか?そんな時におすすめなのが、ビルトインガレージです。家の中にガレージを設置してしまえば、車を持つという夢も叶えつつ、居住スペースも確保することができます。

今回は、ビルトインガレージの魅力と合わせて、間取りプランを考える時に気をつけたいポイントをまとめてご紹介します。これからの家づくりに、ぜひお役立てください。

 


コラムのポイント
・家の中に、居住スペースと駐車スペースが同居したビルトインガレージ。家の1階部分を丸々駐車場にしたものから、1階の半分をビルトインガレージにしたものまで様々な間取りがあります。
・騒音や換気、敷地の有効活用といったポイントを参考にしながら、ビルトインガレージのある家づくりを進めていきましょう。


 

− contents −
使い勝手抜群のビルトインガレージ
ビルトインガレージ3つのメリット
狭小住宅にビルトインガレージを建てる時のポイントは?
ビルトインガレージで始める新しい暮らし

 

 

 

使い勝手抜群のビルトインガレージ

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

ビルトインガレージとは、家の中に車を格納するスペースをつくったもので、インナーガレージともいいます。家の1階部分を丸々駐車場にしたものから、1階の半分をビルトインガレージにして後の半分を多目的スペースにしたもの、シャッターのないタイプのものまで形はそれぞれです。

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

▶︎施工事例:【屋上付き3階建て住宅】敷地27.90坪|延床49.34坪!パントリーから趣味のスペースまで造作の稼動棚で空間をうまく使った住宅

ガレージとしての利用はもちろん、本やフィギュアなどで埋め尽くした趣味の空間としての利用、DIYなどを楽しむ空間などとして活用され、駐車場代の高い都内ではビルトインガレージの需要は高く、とても人気があります。

▶︎参考コラム;ビルトインガレージのある3階建て住宅│快適な間取りに整えるポイント

 

 

ビルトインガレージ3つのメリット


狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

ビルトインガレージには大きく3つのメリットがあります。

 

メリット⒈ 盗難や物損から車を守ることができる


遠くの月極駐車場に停めていた大事な車が、車上荒らしにあったらショックですよね。高価な車の場合、車上荒らしだけでなく盗難被害にあう可能性もあります。また、強風で飛ばされた砂や瓦礫などが車にあたる物損事故を避けることもできます。

ビルトインガレージなら、これらの被害を避けることができます。車は家の横に常にあるので、いつでも目が届き安心。シャッターのあるタイプなら、より防犯効果も高まります。

 

メリット⒉ 雨の日でもラクラクな車の利用


雨の中、濡れないように車の乗り降りをしたり、傘をさして濡れないように荷物の出し入れをしたりするのはストレスに感じるもの。しかしビルトインガレージなら、雨の中でも人や荷物が濡れずに済むので安心です。家と車を何度も往復する必要がなく、すぐに車に乗り降りできるので、台風や降雪のような天気の悪い日でもスムーズに車を利用することができます。

 

メリット⒊ 固定資産税が軽減される


ビルトインガレージを設置する場合、ガレージの面積が延べ床面積の1/5までであれば床面積に含めなくてもいいとされており、固定資産税が軽減されます。また、地下の車庫の場合でも、容積率が延べ床面積の1/3までであれば建蔽率の規制を受けないため、こちらも固定資産税が軽減されます。

固定資産税の金額は自治体によって異なるため、税額や計算方式などは事前に確認をしておきましょう。

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

▶︎施工事例:【半地下の駐車場】敷地42.08坪|延床40.64坪!土地探しからご相談いただいていたからこその大胆提案

 

 

狭小住宅にビルトインガレージを建てる時のポイントは?


狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

狭小住宅にビルトインガレージを建てる場合、以下のポイントに注意してプランニングをするようにしましょう。

 

ポイント⒈ 騒音に配慮する


四方を囲まれたビルトインガレージは、車のエンジン音やDIYで使う電気工具の音など、どうしても音が気になります。音は自宅内に響くだけでなく、隣家に響く恐れもあります。そのため、建築段階で騒音対策や振動対策をしておきましょう。

騒音を防ぐためにビルトインガレージの出入り口に電動シャッターを設置する場合、設備が『豪華なもの』だと見なされると前述した固定資産税が値上がりする可能性があるので注意が必要です。

 

ポイント2 換気システムを整える


四方を囲まれたビルトインがレージの場合、、空気の通りが悪いと車の排気ガスなどによって空気が澱んでいます。それによって、居住スペースに排気ガスが流れ込む可能性もあるので、換気システムを整えておきましょう。

 

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

▶︎施工事例:【混構造の家】敷地10.59坪|延床24.49坪!約10坪の敷地で1階ガレージ。解決策は1階に鉄骨、2~3階が木造の混住宅

空気の流れを考えた設計にしたり、換気扇を設置したりといった工夫をしておきましょう。換気扇を設置する場合は、シャッター付近ではなく全体を換気をするためにもビルトインガレージ奥に設置しましょう。

 

ポイント3 ガレージのサイズに注意する


ビルトインガレージを設置する場合、最低でも奥行き5.5m、間口3.5m程度のスペースが必要です。ただ、大型車を所有する場合はこれよりも広いスペースが必要です。必要なスペースを考えながら、ガレージ部分のサイズはどうするのか、居住スペースはどのくらい確保するのか、といった間取りを決めていくようにしましょう。

また、大きなサイズの車に買い替えても対応できるよう、ゆとりあるガレージのサイズにしておくと安心です。

 

ポイント4 耐震性を下げない構造を選ぶ


家全体のバランスを考えた時に、家全体を柱と壁でどっしり支えている家と、ビルトインガレージがあることによって壁が少ない家であれば、前者の方が丈夫で耐震性の高い構造になるという差はどうしても生まれてしまいます。

狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

▶︎施工事例:【木造耐火の家】敷地17.33坪|延床34.35坪!間口が狭くて奥行きがある縦長敷地に狭小3階建て

地震大国日本で暮らす以上、安心安全の耐震性を誇る家に暮らしたいもの。重量鉄骨や鉄筋コンクリートなどの構造を選び、耐震性・耐久性に対する不安は回避するようにしましょう。

 

ポイント5 ガレージハウスを建てた実績の多い会社に依頼する


ガレージハウス特有の構造を考えたり車の出入りなども考えた設計が必要だったり、通常の住まいと異なるつくりだからこそ、建てるのであれば実績豊富な会社に依頼するようにしましょう。ガレージを含めた外観デザインはもちろんのこと、居住スペースの生活導線などトータルでアドバイスをもらうことができるので安心です。

 

 

 

 

ビルトインガレージで始める新しい暮らし


狭小住宅で叶えるビルトインガレージ

ビルトインガレージには、安全な場所で車を保管できる、ガレージ部分を好きなことに活用できる、後の固定資産税を下げることができる、など様々なメリットがあります。一方で建築時のコストがかかる、売却が難しい、といったデメリットもあります。いい部分とそうでない部分をよく検討した上で、納得のいくガレージのある家づくりを進めていきましょう。

どんな家を建てるか迷ってしまう、もっと詳しくビルトインガレージの家づくりについて聞きたい、という方はいつでもお問い合わせください。数多くの建築実例をもとに、クレバリーホーム東京がご説明・ご提案させていただきます。いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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