【狭小住宅】スキップフロアで理想の間取りに近づく理由

 

狭小住宅だから、部屋数は限られるし、室内が狭く見えるのは仕方がない……と思っていませんか?家づくりの段階で、スキップフロアを採用することで、限られた空間を有効活用することができます。視界が開けた明るい空間に住むことができたら、毎日を楽しく過ごせそうですよね。

そこで今回は、狭小住宅の家づくりに欠かせないスキップフロアの活用とメリット、生活に取り入れていくための工夫をまとめてご紹介します。

 

 


コラムのポイント
・スキップフロアとは、床の一部に高低差を設け、数段の階段でつなげたもののことをいいます。敷地の有効活用や視覚的な広さ、収納スペースの確保などのメリットがあります。
・繋がりのある空間が多く、プライバシーの確保や冷暖房効率の向上が難しいため工夫が必要です。また、生活に基づいた段差の数もしっかりと検討しておきましょう。
・スキップフロアの良さを活かし、これからの狭小住宅での家づくりに活かしていきましょう。


 

 

 

 

スキップフロアって?


よく話には聞くものの、どのようなつくりなのかがよくわからない……という方が意外と多いのがスキップフロア。なぜここまで浸透したのか、なぜ選ばれるのかを知っておけば、スキップフロアの良さがわかるはずです。

 

 

新たな空間の創出


スキップフロアとは、床の一部に高低差を設け、数段の階段でつなげたものを言います。フロア同士を半階ごとにつなぐことで、実際の面積以上に空間に奥行きができます。そうすることによって、視界を縦に広げてくれる役割も果たします。スキップフロアによって1.5階または2.5階を作れば、段差そのものが空間を区切る役割を果たします。人の身長ほどの段差であれば、スキップフロアはほぼ視界に入らないために視界を遮らないからです。

 

また、狭小住宅とはいえ新たな居住スペースや収納スペースも生み出すことができます。そこで生まれた空間の上部を、子どもの遊び場やちょっとした書斎に、階段の下部を収納スペースにするということができます。狭小住宅の場合であれば特に、その効果は大きいでしょう。

 

 

廊下が不要に


スキップフロアを採用することによって、廊下が必要なくなります。階段と各層の一部を通過することで、移動することができるからです。廊下がなくなった分、各階の居住スペースを広くすることができます。廊下の幅は一般的に80センチとされており、この分を省き居室スペースとして活用できるのは、狭小住宅にとって大きなメリットではないでしょうか。

 

 

 

 

スキップフロアの5つのメリット


スキップフロアには5つのメリットがあります。

 

メリット⒈ 敷地を有効活用することができる


スキップフロアは、部屋同士を壁で区切りません。家全体の空間を共有しながらスペースをゆるやかにつなぎます。ほぼ全てを住居スペースに用いることができ、あまり使わない空間も最小限に留めることが可能です。

 

 

メリット⒉ 視覚的な広さを感じることができる


スキップフロアによって段差がつくことによって、同じフロアでも視界が平坦に通らずに、圧迫感がなく視覚的に広く見えるという効果があります。リビングとスキップフロアの子供部屋を想像すると、同じ空間であっても視界がずれることによって、同じ階でも別の部屋にいるような感覚を味わいます。また、実際の面積よりも広がりを感じることによって採光の工夫もしやすいのです。

 

 

メリット⒊ 階数の確保とつながり


狭小住宅のように、坪数が限られているものの居住スペースが欲しい……という場合、階数として確保することができます。また確保したスペースがあることで、空間と空間につながりをもたせ、一体感を感じることができます。そして、使える床面積を減らすことなく、実面積以上のスペースや広がりを作ることができます。

緩やかな空間の流れ、スペースの活用方法の変化は、ゆっくりとした時の流れを感じさせてくれます。

 

 

メリット⒋ 収納スペースの確保


スキップフロアの上部は居住スペースとして使うことができますが、下部も収納スペースとして活用することができます。新たな収納スペースを確保しなくても活用することができますし、床下収納や天井裏のように出入りの難しい場所ではないので使い易いのがメリットでしょう。歳を重ねてからの出し入れしにくい収納は、だんだんと使われなくなっていきます。衣服や食品、災害時の水など様々なものを楽に収納することができます。

 

メリット⒌ 家族を身近に感じることができる


スキップフロアによって空間に繋がりを感じるため、家族をいつも身近に感じることができます。段差があることによって、たとえ同じ空間にいたとしても、心ばかりの隔たれた空間になります。近すぎず遠すぎない距離感が心地よい空間を生み出すでしょう。いつも一緒にいる家族の個々の時間を大切にしつつ、側にいる安心感を感じながら生活できるのは大きな魅力なのではないでしょうか。

 

 

 

 

狭小住宅でスキップフロアを活用するポイント


メリットの多いスキップフロアですが、生活していく上で不便に感じてしまう部分もどうしても生じてしまいます。不便に感じる部分をいかに工夫して快適な方向に持って行くためには、どのような方法があるのでしょうか。

 

 

1 プライバシー面の工夫


スキップフロアによって廊下を最小限に留め、壁も極力設置されないことで、居住空間は広く保つことができます。ただその分、プライベートな空間は少なくなります。壁が保ってくれていた空間の仕切りがなくなってしまうからです。勉強時に集中できない、隣の空間の音がうるさい、といったことも考えられます。

独立した部屋をしっかりと確保しておけば問題ないですが、スキップフロアが多い場合、どのようにしてプライバシーを確保するかをご家族で話し合っておきましょう。

 

 

2 段差活用の工夫


段差を使った遊び心あふれるスキップフロアの空間は、とても魅力的ですよね。とても映える空間ではありますが、毎日の生活を考えると、不便に感じることもあるかもしれません。もし、キッチンとリビングの空間が分かれていたら、料理を作るたびに、片付けるたびに通らなければならない段差に疲れてしまうでしょう。

家事動線を考えると、スキップフロアは最小限に抑えた上で、おしゃれに活用していく工夫が必要です。

 

 

3 冷暖房効率の工夫


部屋を仕切り、空気を止めておく壁がないため、冷暖房効率がどうしても悪くなってしまいます。夏場は、スキップフロアを伝って冷気が下に溜まるため、上階に行くにつれて暑い空間になります。また、冬場は逆に暖かい空気が上に溜まるため、階下がとても寒い空間になってしまいます。

空気の循環面や断熱、遮熱の工夫をし、快適に過ごすことができる空間を確保することが大切です。

 

 

 

 

スキップフロアで理想の間取りに


スキップフロアは、様々な活用方法のあるスペースをひとつの空間で共有するものです。通常の家に比べて、設計面はもちろんのこと、光や空気、音のコントロール、プライバシーの確保など高度なスキルが求められます。設計、施工ともになれているハウスメーカーに依頼して、安心の家づくりを進めていきましょう。

 

クレバリーホーム東京は、都内で多くの家づくりの実績があります。スキップフロアを活かした狭小住宅の建築、屋上のある家など幅広い家づくりに対応しています。

 

これから家づくりを始められる方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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