【解説】新築で地下室を設置する際の費用と注意点

住居にプラスの空間ができるだけでなく、災害時に大いに役に立つ地下室。そんな地下室があれば、新居での新たな生活にさらなる潤いと安心が加わりそうですよね。

今回は、地下室を設置する際の費用と、設置の際の注意点について見てみましょう。

 

このコラムが、地下室設置の参考になれば幸いです。

 


コラムのポイント
・地下室とは、建築基準法では『地階』といいます。床が地盤面より下にあり、天井の高さの3分の1以上が地盤面より下にある空間を言います。
・地下室設置には、ボーリング費用に構造計算費用、防水、湿気対策、捨土費用などがかかります。
・コラムを読んでいただくことで、地下室設置の費用と設置の際の注意点を知り、これからの新居造りに役立てることができます。


 

 

 

 

地下室を設置したい!


狭小地に家を建てた場合、坪数は限られているものの生活空間をもう少し増やしたいという場合などに選択肢として挙がる地下室。地下室があることで、もっと広い家に住みたい、広々としたリビングスペースを設けたい、子どもの人数だけ部屋数を確保したい、という希望を叶えることができます。

地下室を設置することで、土地の広さはそのままで居住面積を増やすことができるのです。

 

地下室とは、建築基準法では『地階』といいます。床が地盤面より下にあり、天井の高さの3分の1以上が地盤面より下にある空間を指します。

 

地下室は、暗い、湿気が多い、などのイメージがあるかもしれません。しかし、最近では地下室にもしっかりと光を取り入れる技術であったり、温度や湿度を一定に保つ設備であったりが整ってきています。そのため、以前のようなイメージは払拭される傾向にあります。

 

 

 

 

地下室設置にかかる費用は?


地下に部屋を設けるためには、地盤調査や地盤の補強工事、空調などの設備など、様々な費用がかかります。費用がかかりそうに感じますが、土地の値段が高い場合、広い土地を買って床面積を広げるよりも狭い土地に地下室を設ける方が、コストが抑えられる場合もあります。

地下室設置の際の費用の内訳は、以下のようになります。

 

 

ボーリング調査費用

地下室設置には、設置することで地下室だけでなく家本体が建っても耐えることができるかどうかという地盤調査が必要です。地下室を作り、それに耐えうるだけの土地かどうかを調べます。もしも地盤が弱いのであれば、地下室を設置することが難しくなってきます。

この地盤調査のことをボーリング調査といいます。ボーリング調査で土壌の強度や地下水の流れている位置などを調べます。費用は約25~35万円です。

 

構造計算費用

地下室を造り、さらにその上に災害にも負けない2〜3階建ての家を建てようと思うと、綿密に計算された丈夫な構造を作る必要があります。その構造は、構造計算費用になります。

費用は構造や家の作りによっても異なりますが、鉄筋コンクリートの地下室の場合は約30~45万円、木造の地上階の場合は約20~30万円あたりが相場でしょう。

 

また、木造か鉄筋コンクリートかによっても費用は異なってきます。木造の地上階だけであれば、配管や電気の線を変更することは工事が始まった後でもそう難しくありません。そのため、設計図やその費用の面でもさほど大きな影響はないのですが、鉄筋コンクリートの場合はそうはいきません。鉄筋コンクリートは、一旦工事が始まってしまうとやり直しがきかない部分が多いので、より綿密な設計図を作る必要があります。鉄筋コンクリートの構造計算費用は、約30~80万円です。

 

 

防水工事費用

地下には、地下水が溜まっていたり広範囲にわたって張り巡らされていたりする可能性があります。このような地下水や、土壌から滲み出てきた水分がコンクリートに染みてしまわないように、防水工事を行う必要があります。防水工事を行うことで、カビや劣化による老朽化を防ぐためです。アスファルトやウレタンをコンクリートに吹き付ける、という作業を行い、費用は約80万円です。

 

湿気対策費用

地下室はどうしても湿気がたまりやすく、ジメジメとした環境になってしまいます。そのため、湿気対策は必須です。湿気対策のためには、断熱工事を行うだけでなく除湿器や自動排水システム、熱交換器も設置します。そうすることで、年間を通して一定の温度、湿度を保った快適な地下空間を作ることができるのです。断熱工事費が約35万円、除湿器と自動排水システムの費用が約45万円、熱交換器が約15~25万円の費用がかかります。

 

 

掘った土を捨てる費用

地下室そのものだけでなく、掘り抜かれた土を捨てる費用もかかります。地下室設置のためには、地下を大きく掘り抜き、この時に大量の不要な土が出ます。この、土を捨てる費用という費用をついつい忘れてしまうのですが、責任を持って土も処分しましょう。この土を捨てる費用は、トラックの運搬や処理合わせて約200万円かかる場合もあるようです。

 

 

 

このような費用が、地下室設置にはかかってきます。地質や構造計算の内容によっては、かかる費用は変わってきますので、設計段階でしっかりと話を詰めておきましょう。

 

 

 

 

設置の際気をつけること


地下室を設置するためには、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。

 

地盤調査を確実に行う

家の土台は、家そのものを支える大冊な役割を果たします。その土台をさらに支える地盤も、同じように大切な役割を果たします。

地盤が悪いと想定される場合、先ほども出てきたボーリング調査をする必要があります。調査によって、地質をよく確認したう上で着工するという流れになります。また、この時に地下水の調査も合わせて行います。地下水も地盤の良し悪しを左右します。

 

 

雨水対策もしっかりと

昨今では、台風や局所的な集中豪雨による半地下家屋や地下室での浸水被害が多く発生しています。都道府県それぞれが注意喚起の情報を流しているので、想像以上に被害が発生していると推測されます。

浸水被害から家族の安全や財産を守る為に、あらかじめ対策を練っておくようにしましょう。よく晴れた時には問題なく生活排水を排水できていたとしても、豪雨などによって下水道管が逆流してしまい浸水被害が発生した、道路側から雨水が流れ込んだことによって浸水被害が発生した、という可能性は大きいです。

短時間で大量の雨水が下水道管に流れ込むことで、下水道管内の水位は急上昇し、下水が逆流し、半地下部のお風呂場やトイレから下水が噴出することもあります。また、雨水が道路側から家屋側に流れ込むことで地下室が浸水するだけでなく、水の圧力でドアは開きにくくなり破損してしまう可能性もあります。

 

水は大きな力を持っています。いざとなって慌ててしまわないよう、あらかじめ準備をしておきましょう。

 

 

容積率の緩和

容積率とは、その土地に建てることができる建物の、延床面積の割合のことをいいます。

 

・地階である
・地盤面から地階の天井が1m以下
・住宅として使う

 

地下室の場合、上記のような一定条件を満たしていることで、延べ床面積から外すことができます。これは建物全体の、住宅部分の延床面積の3分の1までが当たります。これを容積率の緩和と言います。

地下室を店舗や事務所、倉庫として利用する場合、容積率の緩和を受けることができません。容積率の緩和を受ける場合は地下室が住宅として使われることが条件なので、住宅以外の使用方法を検討している場合は、地下室の使い方を見直す必要がありそうです。

 

 

 

地下室設置で新たな生活スタイルを


地下室設置には、ある程度の費用がかかります。しかし、状況によっては階数を増やすよりも安く抑えることができ、何よりも家族の生活スタイルや価値観にフィットする可能性もあります。

 

ご自身やご家族が快適に暮らすことができるように、地下室という新たな手段を取り入れていきましょう。