4階建てという選択|間取りと暮らし方
都心部の狭小地に建てる注文住宅。限りあるスペースを有効に活用したい、土地が狭くても居住スペースを増やしたい、という方におすすめなのが『4階建て』の暮らしです。4階建ての家なら、住まいの居住スペースを増やすことができるのはもちろん、賃貸住宅として貸し出したり自宅兼店舗や事務所として使用したりと様々な使い方ができるため、暮らしの選択肢も広がります。
しかし4階建ての家はあまり見かけないため、どんな雰囲気になるのか、実際に暮らすとなるとどんなメリットがあるのか、建てる時の注意点はあるのか、などわからないこともたくさんありますよね。
そこで今回は、4階建ての家を建てる時の間取りのプランニングや工夫点をまとめてご紹介します。今後の家づくりに、ぜひお役立てください。
このコラムのポイント
・4階建て住宅の間取りを考える時は、水回りをまとめる、日照権を考慮する、トータルコストなどポイントをおさえながら考えていきましょう。
・自身や家族が理想とする暮らしをしっかりと思い浮かべ、事前にできる対処を講じながら4階建の間取りをプランニングしていくことが大切です。
4階建ての暮らしのメリットは?
都心は土地が高いため、広い土地を購入するのは難しい…。そんな時におすすめなのが、4階建てという選択です。
メリット① 住みたい土地に住むことができる
『のびのびと過ごせるような広い家に住みたい』『利便性が良い都心に家を建てたい』『できれば部屋数にゆとりが欲しい』そんな願いを叶えるのが4階建てという選択です。利便性や街の雰囲気、治安といった住む『場所』にこだわりたい場合、4階建ての家なら狭い土地でも建てることができるので、住みたい場所に暮らすことができます。
メリット② 狭小地でも十分な部屋数を確保
たとえ土地が狭くても、4階建てならフロア数が多いので必要な部屋数をしっかりと確保することができます。
家族が多い、二世帯住宅で暮らす、といった場合プライベートを守るのは難しいことが多々ありますが、4階建てならそういった心配もありません。心の余裕をもって、のびのびと暮らすことができます。
メリット③ 店舗併設・事務所併用住宅にする
立地がよければ、1階部分を店舗とした店舗併用住宅として建てることが可能です。事業始めようと考えているが、生活とのバランスを考えて家と職場は近場にしたい、新たに店舗を構えるが、いざとなっても打撃の少ない店舗併用住宅にしておきたい、という状態で物件を借りるのは不安になるもの。しかし4階建てなら、1階部分を店舗や事務所として利用することで、大きなリスクなく事業を始めることができます。
▶︎【狭小地】店舗併用住宅の間取り│カフェや美容室を設けた家づくり計画
メリット④ 賃貸として活用する
あえて4階建てを選択し、部分的に賃貸として活用するという選択肢もあります。そうすることで、収入源につなげることができ、たとえ建築費に多くかかったとしても少しずつ回収することができます。もちろん最初は家族みんなで暮らし、子どもが独立したことをきっかけに賃貸住宅にする、というやり方もあります。長い目で見て、家に稼いでもらうことができるのは4階建の手の強みですね。
このように、多くのメリットがあるのが4階建ての家です。
▶︎土地活用のアイデア3選│住居と収益を兼ねた家づくりをご紹介
【4階建て】デメリットもチェック!
4階建ての家には魅力がたくさんありますが、もちろん難点もいくつかあります。例えば、
・階数が多いため、家事導線に無駄が発生する
・家電や家具の搬入搬出が大変になる
・冷暖房効率が悪くなる
・高齢になった時に階段の登り下りが負担
・メンテナンスに費用がかかる
などが挙げられます。
こういったデメリットに関しては、間取りを考える段階で工夫することで問題を回避することができます。自身や家族が理想とする暮らしをしっかりと思い浮かべ、事前にできる対処を講じながらプランニングを進めていくことが大切です。
【4階建て】間取りのポイントは?
4階建ての家を建てる場合、どのような点に注意して間取りを考えると良いのでしょうか。ポイントを4つご紹介します。
ポイント① 水まわりをコンパクトに整えておく
4階建ての家の場合、ぞれぞれのフロアに水まわりを設置し、場所も分散させてしまうとコストがかかり、配管工事も複雑になってしまいます。工事費の事を考えできるだけ安く抑えるのであれば、キッチン、洗面所、トイレ、バスルームといった設備は1ヶ所に集中させることがポイントです。
住宅の配管設備は定期的なメンテナンスが必要ですが、その時に配管が集中していればメンテナンスがとても楽になります。もし配管詰まりや漏水があったとしても、配管同士が近い位置にあることで調査が楽にできるだけでなく、使用する部品の数も少なく抑えることができます。
また、水回りを1カ所に集中させることで、家事動線もスムーズになります。水回りが1ヶ所に集中していれば家事をスムーズに進めることができますし、結果として時間を有効に活用することができます。
ポイント② 制約の中で最大限のプランニングをする
3階以上の高い建物を建てる場合、建築構造士による構造計算が必要です。鉄骨造、RC造だけでなく木造もこの構造計算を行う必要があります。これは災害などで家に力が加わった時、それに耐えることができるかどうかの計算で、ここを考慮した上でのプランニングが必要になります。
また、容積率や高さ制限、店舗併用住宅にする場合は人の出入りや生活音に配慮する、といった様々な制約もあります。制約の中でも快適と感じられる空間をつくるためにも、どんな暮らしをしたいのかをしっかりとイメージした上で設計と間取りのプランニングを進めていきましょう。
ポイント③ 日照権を確認しておく
建物の日当たりを確保する権利のことを『日照権』といいます。日照権そのものが法律で定められているわけではなく、いくつかの法律を基に日当たりを保護するために規制されています。日照権には、建物と建物の間の空間を確保し、道路や隣家の日照が遮られないように建築物の高さを制限する『斜線制限』と、隣家の日照を確保するため日影を一定時間以上生じさせない『日影規制』とがあり、その規制を考慮して家を建てる必要があります。
『日照権を考慮すると、4階建ての家を建てることができなかった…』と後悔しないように、土地を購入する前に日照権に関することと4階建てを建てることはできるのかについて、確認しておきましょう。
ポイント④ 4階建てが耐えられる地盤にしておく
狭小地に高い建物を建てる場合、地盤の強度はかなり大切です。たとえば、同じ延べ30坪の場所でも、木造2階建てであれば30トン、鉄筋コンクリート造2階建てであれば160トンもの重量です。4階建てを検討しているのであれば、この倍の重量がかかることを想定しておく必要があります。
それだけの重さに耐えられる、強度のある土地を探すことももちろんですが、もしそれだけの強度がない場合は杭を打つといった地盤改良工事が必要になります。
4階建ての戸建てを建てる場合、地盤改良工事の負担が大幅に軽減されるため、トータルコストを考えれば鉄筋コンクリート造よりも木造4階建てがおすすめです。
4階建てだからこその魅力を満喫!
4階建ての家を選択することで、マンションや2階建ての家では手に入らない暮らしを実現することができます。家を建てるということは、長く添い遂げることを想定して、新たな暮らしを紡ぎ始めるということだからこそ、これからも進む未来の自分たちが笑顔でいられるような家づくりができるといいですね。
家づくりなんて初めてのことで、わからないことばかり…という方もご安心ください。数多くの実績をもとに、お客様一人ひとりに寄り添った家づくりをさせて頂きます。いつでもお気軽にお問い合わせください。
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