狭小住宅 10坪ではどんな家が建てられる?

狭小住宅10坪10坪の土地を購入したからといって、10坪の家を建てることはできないということをご存知ですか?東京都内で注文住宅を建てる場合、多くの地域では敷地における建築面積が定められているため、5坪の家しか建てられないということも珍しくありません。このように、家づくりには様々な制限や決まりがあるため、知らなければ『思っていたのと違う…!』という注文住宅が建ってしまう危険があります。

そこで今回は、東京で10坪の土地に家を建てる時に知っておきたい制限や、10坪の土地に建てた家に暮らすことができる家族の人数など、狭小住宅の家づくりを進める上で知っておきたいポイントをまとめました。

 


コラムのポイント
・東京都内では多くの狭小地が売り出されていますが、区と区内の地域によって、敷地に建てられる建築面積の割合が異なります。購入予定の土地がどういった条件になっているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
・たとえ10坪という限られた敷地であっても、3階建て、4階建てなど間取りを工夫することで様々な制限を乗り越えて広々とした家を建てることが可能です。建築、設計スキルが高く実績豊富な会社と共に、満足のいく家づくりを進めていきましょう。


 

− contents −
■ 【狭小住宅】まずは家づくりの制限をチェック!
■ 10坪の土地に建てられる住宅の延べ床面積
■ 【狭小住宅】10坪の家に住める家族構成は?
■ 10坪でも満足できる家づくりを始めよう!

 

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【狭小住宅】まずは家づくりの制限をチェック!

10坪の狭小住宅のリビング

東京都内では多くの狭小地が売り出されていますが、区と区内の地域によって、敷地に建てられる建築面積の割合が異なります。

 

家の大きさが決まる『建ぺい率』と『容積率』

10坪の狭小住宅キッチン

都市計画では、用途地域によって異なった建ぺい率と容積率が定められています。

建ぺい率とは

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことで、この割合は用途地域ごとに定められています。これは住宅の密集を避けるため、健全な住宅環境を保つために敷地いっぱいに住宅を建てることを制限するものです。例えば、100㎡で建ぺい率が50%の土地の場合、建築面積は50㎡に制限されます。

容積率とは

容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合のことで、用途地域や前面道路の幅などにより定められています。例えば、100㎡で容積率が150%の土地の場合、延床面積が150㎡の住宅まで建てることができます。

このように、建ぺい率と容積率によって建てることができる住宅の大きさは異なります。

 

高さに関する制限も

10坪の狭小住宅外観

建築面積の他に、道路に与える影響と、北側の隣家に与える影響を少なくする為、高さに対する制限もあります。これは区や地域によって制限の厳しさが異なります。

道路斜線制限

道路に建物が覆いかぶさるようになることを避けるために、道路の通風や採光を確保する目的で設けられた制限を道路斜線制限といいます。敷地が接している道路の、反対側の境界線を基準にして建物の高さを一定に制限します。

北側斜線制限

北側にある隣家への日照を考慮して、北側の隣地境界線を基準とした高さ制限を北側斜線制限といいます。

 

10坪の狭小住宅の寝室

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3階建て、4階建てにすれば床面積を広げることができますが、3階建て、4階建てにした場合には勾配天井にするといったような建物の上部を一部削らなければならないケースもあります。道路との位置関係、隣家との距離などによっても制限が変わるため、周辺を住宅に囲まれている環境や2面が道路に面している環境、公園に面している場合は注意が必要です。

 

 

 

10坪の土地に建てられる住宅の延べ床面積

狭小住宅でも広々としたリビング

それでは、10坪の土地にはどのくらいの広さの住宅を建てることができるのでしょうか。延べ床面積は、前述した建ぺい率、容積率と合わせて用途地域がどうなっているのかを確認する必要があります。

用途地域とは

用途地域とは、建築基準法によって定められた、地域に適した都市環境を整備することを目的にしたものです。市区町村の土地の用途を『住居専用地域』『近隣商業地域』『商業地域』『工業地域』などと区分し、それぞれの地域ごとに建築できる建物の種類や敷地に対する建物の割合、建物の高さなどを定めてたものです。
用途地域に関する細々とした取り決めは、それぞれの区からの要請によって定期的に見直されるため、土地を購入する際には、購入予定の区の土地が属している地域の種類と、区が定めている建ぺい率と容積率の状況を確認しておくようにしましょう。

 

戸建て住宅を建てられる用途地域の種類
・建ぺい率30~60% 容積率50・60・80・100・150・200%の地域

第一種低層住居専用地域
低層住宅専用の地域で最も制限が厳しく、ほとんどが2階建ての閑静な住宅街

第二種低層住居専用地域
低層住宅の専用地域で、150m²以下、2階以下の小規模な店舗は建築可

 

・建ぺい率50~80% 容積率200・300・400%の地域

第一種住居地域
良好な住環境を保護するため、住宅以外の建物の建築が制限。3000m2以下の店舗、事務所、運動施設、公共施設、病院、学校等は建築可

第二種住居地域
住宅の他に、大規模店舗を含む商業施設、工場などが混在している。映画館、劇場、風俗営業、住環境を悪化させるおそれのある工場は、建築不可。パチンコ店、カラオケボックス、ホテル、ボーリング場などが認められている為、第一種低層住居専用地域や、第二種低層住居専用地域のような閑静な住宅街ではない。

 

11坪の狭小住宅のLDK

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東京都内で多く見られる、建ぺい率50~60、容積率200%、又は300%であった場合、2階建ての10~12坪、又は3階建ての15~20坪の延べ床面積の住宅を建てることができます。

 

 

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【狭小住宅】10坪の家に住める家族構成は?

10坪の狭小住宅のリビング

10坪の敷地に建てる家には、何人の家族が住めるのでしょうか。

住宅の広さに適した家族の人数は、居住面積基準という国土交通省が作成している基準で確認することができます。ここでは、床面積が㎡で表されているので、具体的に坪に換算してみましょう。

独身    25㎡ (7.56坪 )     16.14畳
夫婦    30㎡ (9.08坪 )    19.37畳
子ども1人  40㎡ (12.10坪)   25.83畳(3~5歳児が1名いる場合は35㎡)
子ども2人   50㎡ (15.13坪)   32.28畳(3~5歳児が1名いる場合は45㎡)

 

建ぺい率50%、容積率300%の地域にある10坪の敷地には、居住面積基準を満たした4人家族が暮らせる家を建てることができます。

13坪の狭小住宅のコンパクトなキッチン

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また、居住面積基準の中には、都市部での生活を想定した都市居住型・誘導型居住面積基準もあり、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準も確認することができます。

独身           40㎡     12.10坪 16.14畳
夫婦           55㎡     16.64坪 35.51畳
子ども1人             75㎡      22.69坪 48.42畳(3~5歳児なら65㎡)
子ども2人              95㎡      28.74坪 61.34畳(3~5歳児ならは85㎡)枠内の記事本文

 

建ぺい率50%、容積率400%の地域にある10坪の敷地には、誘導型居住面積基準を満たした夫婦で暮らせる家を建てることができます。

参照:国土交通省・住生活基本計画における「水準」について

 

 

 

10坪でも満足できる家づくりを始めよう!

10坪でも満足できる家づくり

たとえ10坪という限られた敷地であっても、3階建て、4階建てなど間取りを工夫することで様々な制限を乗り越えて広々とした家を建てることが可能です。建築、設計スキルが高く実績豊富な会社と共に、満足のいく家づくりを進めていきましょう。

家づくりなんて初めてのことで、わからないことばかり…という方もご安心ください。数多くの実績をもとに、お客様一人ひとりに寄り添った家づくりをさせて頂きます。いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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