10坪以下の敷地内にある狭小住宅について

狭小住宅は狭い敷地内に建てられていることが特徴的なので、中には10坪以下の敷地内に建てられた狭小住宅もあります。10坪以下となるとどのような間取りになるか気になるところでしょう。果たして10坪以下でも住み心地の良い住宅を建てられるのでしょうか?

 


このコラムのポイント

・10坪以下の狭い土地でも一戸建てが建てられた事例は意外と多い

・10坪以下の狭小住宅は各フロアが狭い分メリハリの利いた構造になる傾向がある

・間取りが狭いからと言って住みづらいとは限らない。狭いなりのメリットもある


 

 

10坪以下の狭小住宅が存在する


 

約30㎡以下の敷地内にある狭小住宅

建築面積が10坪以下の狭小住宅は約30㎡以下(畳20畳分)の敷地内に建てられています。基本的に2階建てあるいは3階建てになるので延べ面積(床面積)はもっと増えます。普通の住宅に比べると明らかに狭い建築面積ですがそれでも狭小住宅を建てる人は多数います。

一見すると狭くて不便そうに思うかもしれませんが、実は10坪以下でも一戸建て住宅は建てられますし、大きな不自由もなく生活出来ます。10坪以下の狭小住宅を建てる人は様々な理由を抱いていますが、事例もたくさん挙がっているのでそれほど珍しいことではありません。

10坪以下の狭小住宅の見積額について


 

相場は2000万~2500万円

10坪以下の狭小住宅の場合、坪単価は50万~100万円程度となります。業者に住宅の見積もりを依頼すると本体価格・工事費・その他技術費用などを算出してくれます。これらを合計すると2000万~2500万円が料金相場となります。あくまでも概算なので立地条件や建物の内容次第で金額は大きく変化しますが、一般的な一戸建てを建てようとすると倍近くの金額が必要になるのでコストダウンを図りたい人は狭小住宅がお勧めです。

 

10坪以下の狭小住宅の間取りとは?


 

狭小住宅の中でも特に狭い10坪以下となるとどのような間取りになるかが気になるところです。

 

狭くてメリハリの利いた間取り

仮に10坪以下で平屋の住宅の場合、1フロアが2DKのアパートやマンションと同じくらいの広さです。これの中にキッチン・リビング・お手洗いなどが入って、尚且つ駐車場や洗濯物を干すためのスペースなども必要となるのでかなり狭くなってしまいます。

そのため10坪以下の狭小住宅は2階もしくは3階で構成されていることが基本となります。フロアごとの広さは限られていますが、各階が用途別にまとめられているので非常に使いやすい作りになっています。

1階は駐車場と玄関があり、外出するためのフロアとなっています。ここに風呂場やトイレを取り入れる場合もありますが、駐車場でかなり広いスペースを使用しているので若干狭くなってしまいます。

2階はキッチン・リビングなどの共有スペースが入ります。水回りもここに入ることが多いです。駐車場が無い場合は玄関と共有スペースが同じフロアにあることもあります。狭小住宅の場合、キッチンとリビングは壁で仕切らず繋がっている間取りの方が多い傾向にあります。

3階は家族全員分の寝室があるプライベートフロアです。寝室は4~6畳の1人用の部屋が2~3ヵ所用意されています。寝室だけしかない場合もあれば、洗濯物を干すためのベランダやトイレがあることもあります。洗濯物を干す場所は屋上にあるケースも考えられます。この他にも地下室にプライベートルームや収納スペースを設けてさらに間取りを増やしている住宅もあります。

 

工夫次第で住みやすくなる

10坪以下の狭小住宅は各フロアがどうしても手狭になりがちですが、間取りが効率重視で考えられているのでとてもスッキリした見栄えになることが多いです。ただし普通の設計方法だとリビングや寝室だけでいっぱいになってしまうので、階段や水回りの位置などに工夫を凝らす必要があります。

 

10坪以下でも狭小住宅を購入する理由


 

アパート・マンションなどの集合住宅ならともかく、10坪以下の狭小住宅は家族連れで住むマイホームとしては明らかに狭いです。しかしそれでも10坪以下の狭小住宅を購入する人はたくさんいます。何故こんなに狭い住宅に住もうと考えるのでしょうか?

 

土地代が高い地域で一戸建て住宅を購入するため

一戸建て住宅を購入する際に多くの方が土地代の高さに悩んで足踏みしてしまいます。特に都心部や駅前のエリアは人が密集しているので小さな事務所や店舗でさえも建てることは難しくなります。それが30~40坪も必要な一戸建て住宅だったらなおさらです。

しかし住宅を建てるために必要な土地がわずか10坪だとしたら話は変わります。10坪以下の狭小住宅ならば2000万~2500万円程度の予算でも買える可能性があります。

または住宅の立地条件にこだわりを持っている人で、特定のエリアでどうしても家を建てたいにもかかわらず土地が10坪程度しか空いていないという場合でも狭小住宅ならば建てられます。住宅街や特殊な地形の土地の場合、複雑な事情によって約10坪程度の土地が空くということも稀にあります。その場合、広さ強いこだわりを持っていなければ好きな場所に家を建てられる可能性がぐっと上がります。

この様に10坪以下の狭小住宅はコストが低い・場所を選ばないといったメリットが含まれています。コストや立地条件を重視したい方には狭小住宅がお勧めです。

 

利便性を追求した結果

10坪以下の狭小住宅はコストが安いだけではありません。間取りが狭いが故の利便性もたくさん含まれています。

家族連れで住んでいる方は常に子供の世話をしなければなりません。特に小さな子供がいる場合ちょっと目を離した隙に怪我や事故を起こしてしまう危険性があります。にもかかわらず間取りが広くて部屋数の多い家に住んでいる場合子供が目の行き届かない場所に行ってしまい、事故を防げなくなってしまうこともあります。小さな子供の世話をする場合、常に子供は視界の中に入れておきたいものです。その場合狭小住宅の方が子供を探す手間が省けるので面倒を見やすいという特徴があります。

10坪以下の狭小住宅の場合、プライベートの時間をリビングで過ごすことが多くなります。そうなると家族全員で過ごす時間が自然と増えるのでコミュニケーションを図りやすくなります。

 

「狭い=住みづらい」ではない

他にも間取りが狭い分掃除が楽になったり、冷暖房器具が効きやすくなるといったメリットがあります。住宅は無駄に広くても持て余してしまうので必要最低限の設備さえそろっていれば問題無いという意見もたくさんあります。家は狭いからと言って、必ずしも住みづらいというわけではないという事でしょう。

 

10坪以下の狭小住宅をリフォームする


 

10坪以下の狭小住宅は最近出来た住宅ばかりではありません。富裕層を抜いた一般家庭の中には昔から10坪前後の狭い敷地内にある自宅に住んでいる方もいます。中には戦時中から住み続けている年季の入った住宅もあります。しかしそのような住宅は大抵老朽化しており、住み心地が悪く耐震強度そこまで強くないのでリフォームする必要があります。

 

古い狭小住宅は主に以下のような問題点が考えられます。

古い狭小住宅の問題点・水回りが古い

古い狭小住宅の問題点・階段が急勾配

古い狭小住宅の問題点・断熱性能が低い

 

近代化が進む前に建てられた住宅は現在の生活様式に当てはめると非常に非効率的な設備が使用されています。例えば風呂場やトイレは最新設備の様な洗練された作りでは無いので極端に広いか極端に狭いかのどちらかです。狭小住宅において広すぎる風呂場は貴重なスペースを無駄にしているので致命的な問題点です。

またバリアフリー対策も施されていないので急な階段や段差が多数あり、お年寄りが住むには厳しい点もあります。

そして断熱対策が全く施されていない窓や扉を使用しており、尚且つ経年劣化による隙間風も発生しやすいので断熱性能が極めて低いです。加えて電気・ガスの省エネ化も進んでいないので消費エネルギー量も無駄に増えてしまいます。

狭小住宅に強いハウスメーカーや工務店に相談すれば最新の設備を利用した住み心地の良い狭小住宅へリフォームしてくれます。同じ10坪以下の敷地内でも遥かに住みやすくなるので気になる方は是非相談してみて下さい。

 

まとめ


 

10坪以下の狭い敷地内にある狭小住宅でも快適に過ごすことは可能です。狭いという事は決して悪い事ばかりではなく、コストや利便性を求めると狭小住宅の住宅の方がいいという考え方もあります。特に立地条件に強いこだわりを持っている方は狭小住宅の購入を積極的に検討してみると良いでしょう。

 

クレバリーホーム東京は、お客様の世界で一つだけの暮らしを実現するために、幅広いサービスをご用意しています。

狭小住宅の建築実例も数多くあり、皆様にご満足頂いております。

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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