狭小住宅での収納について考える

 

狭小住宅は狭い間取りの中で部屋の構成を考えます。その際に収納スペースを確保することは、快適な生活を送るうえで必要不可欠になります。限られた空間の中でどのように収納スペースを作り出すか?は狭小住宅を購入する上で取り組むべき課題と言えるでしょう。今回はそんな狭小住宅における収納スペースの考え方についてご紹介します。

 


このコラムのPOINT

・狭小住宅で収納スペースを確保することは大変だが、少ないと生活に支障が出るので積極的に取り入れていく必要がある

・ウォークインクローゼットやデッドスペースを利用した収納スペースを積極的に取り入れていくべき

・布団の様な大きな荷物を収納するためにはそれなりの対策が必要


 

 

狭い敷地内でどのように収納するか?

 

収納スペースは一戸建て・集合住宅に限らず、必ず無くてはならない存在です。狭小住宅は間取りが狭いから収納スペースを確保することは大変です。しかし収納スペースが足りないと生活が成り立ちません。そのため狭小住宅の間取りを考える上で収納スペースをどのように取り入れるか?はとても重要な課題です。

 

収納スペースが無いとデメリットだらけ

家の中にある道具の中で日頃から頻繁に使用する物はごくわずかしかありません。ほとんどの物は棚や押入れなどの収納スペースに保管しておくことになります。転居したばかりの時期は物が少ないので問題無いですが、年月が経過するごとに物は一方的に増えていきます。収納スペースが無いとこれらの物の行き場所がなくなってしまい通路や机の上などに置くことになります。

すると家の中が物で溢れかえってしまいます。使用しない道具をそこら中に置いておくと、生活しづらくなるだけでなく見栄えも悪くなってしまいます。そのため道具は適切な場所に保管しなければなりません。

 

物で溢れかえって生活出来なくなる!?

収納スペースが無いと出入りする場所に置きっぱなしになってしまいます。それを繰り返すと部屋の中で歩ける場所が減っていってしまい、最悪の場合物が道を遮って歩けなくなってしまいます。

また物で溢れかえっている部屋というのは見栄えが悪く、整理整頓を怠るとゴミ屋敷の様になってしまいます。せっかく大金を費やしてマイホームを購入したのですから、そのような事態は避けたいものです。

狭小住宅は狭いので普段から出入りする部屋のスペースを確保するだけでも大変です。しかし工夫を凝らせば狭い敷地内でも収納スペースを作り出すことは可能です。狭小住宅だからと言って収納スペースの確保を諦める必要はありません。

 

狭小住宅での収納のアイデアを見つける

 

狭小住宅で生活する上で収納スペースを設けることは非常に重要です。では収納スペースを取り入れるためにはどのような方法があるのでしょうか?

 

キッチンのスペースは優先する

収納スペースのことを考えたら広いスペースが必要なのはキッチンです。キッチンは食材・食器・調理道具・雑貨など保管してある荷物は種類も数も多いです。毎日使用する空間だからこそ物を出し入れする機会も多いので、多いだけでなく使いやすい収納スペースも必要になります。

狭小住宅の場合ダイニングキッチンとリビングを同じ空間に設計することが多いですが、この場合リビングを広くすることに重視しがちです。しかし実はキッチンの方が広い収納スペースを必要としています。

キッチンの上下に棚を出来るだけたくさん設けて、収納スペースをたくさん確保すればリビングで使う道具も収納できるようになります。そうすればリビングは収納スペースを作らずに全てをくつろぎ空間として使うことも出来ます。

 

敢えてウォークインクローゼットを取り入れる

ウォークインクローゼットとは衣類だけでなく大きいサイズの家電や家具も保管できる広々とした収納スペースの事です。人が歩いて入れるほど広いスペースなのでウォークインクローゼットと呼ばれています。

基本的にウォークインクローゼットは間取りの広さに余裕のある住宅に導入されるものです。そのため狭小住宅向けではありません。しかし収納スペースとしては非常に優秀です。ジャケットやコートなどの衣類以外だけでなく布団や掃除機などの大きいサイズの物も収納できるます。

もし複数の収納スペースを作ることが難しいのであれば、フロアのどこかに1か所だけ大きいウォークインクローゼットを設置してそこに家の荷物を集中させるという方法もあります。収納スペースを1か所に集中させることで物を探す手間が省けるというメリットが生まれます。

特に扇風機・ストーブ・こたつなどの一定の季節にしか使用しない道具は邪魔にならないようにウォークインクローゼットに保管するのが最適です。そのため狭小住宅であってもウォークインクローゼットは積極的に取り入れていくべきでしょう。

 

隠れた隙間を見つけ出す

狭小住宅であっても細かい部分にデッドスペースは存在します。それらを見つけて棚や引き出しなどの収納スペースを積極的に作ってみましょう。

主にデッドスペースが生まれやすい場所は階段の下・屋根裏・床下・玄関先・洗面台などがあります。物置程の大きなスペースを確保することは難しいですが、本棚や雑貨を入れる引き出しとしては十分使えます。

 

隠すだけが収納ではない

収納と言えば普段使わない物を棚や物置きの中に隠すというイメージがあります。しかし収納だからと言って目に見えないように保管する必要はありません。むしろ目立たせながら収納するといった方法もあります。

例えばリビングに本棚を置けば本がインテリアになっておしゃれな雰囲気を醸し出してくれます。本棚に置時計や置物を置いても良いでしょう。コツは物を詰め込み過ぎずに綺麗に並べることがポイントです。収納とおしゃれを同時に楽しんでみましょう。

 

布団をどのように収納するか?

 

収納スペースを設計する上で悩まされる問題点が大きな荷物を収納する方法です。特に布団の収納方法は狭小住宅においては悩みどころです。小物ならば間取りの中のちょっとしたスペースに保管出来ます。しかし布団の場合ある程度広い空間が必要です。

 

ウォークインクローゼット

もしウォークインクローゼットを取り入れられるのであれば布団の収納スペースとして非常に有効になるでしょう。ウォークインクローゼットはとても広い収納スペースなので布団も問題無く保管出来ます。特に羽毛布団の様な寒い季節にしか使わない布団ならば、ケースに閉まってクローゼットの奥側に収納すれば邪魔になりません。

 

ロフト・屋根裏収納など

横の空間が確保できないならば上の空間を確保します。ロフト・屋根裏収納などの天井付近のスペースを使う方法は狭小住宅にとって非常に効果的です。

 

なるべく小さくたたむ

どの収納スペースを使用する場合でも布団をなるべく小さくたたんで収納することは基本です。購入時に布団が入れられていたケースを利用することが理想なので、購入時のケースは捨てずに保管しておきましょう。

また冬にしか使わないような厚手の布団ならば、布団圧縮袋を使用してコンパクトにまとめることもお勧めです。

 

まとめ

収納スペースは狭小住宅だけでなく、一般的な一戸建てや集合住宅であっても必要不可欠な存在です。多ければ多いに越したことは無いので、間取りの中のデッドスペースを探したり大きい荷物を保管するスペースを確保するなどして積極的に取り入れてみて下さい。

 

クレバリーホーム東京は、お客様の世界で一つだけの暮らしを実現するために、幅広いサービスをご用意しています。

狭小住宅の建築実例も数多くあり、皆様にご満足頂いております。

 

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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