狭小住宅で、まずこだわるなら階段

今や、大人気の狭小住宅ですが、人気と言えども居住スペースが狭いことには変わりません。

そこで、今ある狭い居住スペースをある工夫をすることで、より広く、

より住みやすい狭小住宅にすることができます。

今回は、どうすればより広く居住スペースを確保できるのかを見ていきましょう。

 

・狭小住宅とは?


ご存知の通り、日本は島国です。

そして、その多くの土地が山に囲まれていて、住むことのできる土地は、

全国土のうちの27.3%しかありません。

そのため、日本の家は狭くなりがちです。

特に、東京や大阪などの都心部のような地価も高く、時には、三角形や、くの字型などの変形地など、

あまり住居としては適さないような土地に家を建てることは少なくありません。

これらのような狭い土地や変形地に建てられる住宅が、狭小住宅です。

狭小住宅は、名前の通り、家の中が狭くなっています。

また、狭く不便というイメージから、あまり好かれるものではありませんでした。

しかし、都心部では、実は狭小住宅は大人気なのです。

狭小住宅は、15坪以下の土地に建てられる住宅です。

そのため、地価の高い都心部では多く見られる住宅です。

たいていの狭小住宅では、庭がなく、敷地のギリギリまで家が建てられていることが多いです。

床面積を少しでも増やすために、地下室を設けたり、

3階建てになっている狭小住宅も少なくありません。

そして、土地が狭くなりがちな日本では、需要も多く、大手住宅メーカーの中には、

9坪程度の敷地に建てられた狭小住宅もあります。

そのため、都心部で家を建てたいという人の選択肢になることも少なくありません。

狭小住宅は、狭い土地に建てることができるので、地価が高い都心部でも比較的安く、

住宅を手に入れることができます。

また、床面積が少ないので、光熱費や維持費を抑えることができます。

土地の面積が小さいことで、毎年の税金も安くなり、固定資産税を抑えることも可能になります。

これらのことからも、地価の高い都心部では、狭小住宅の方が有利になることが多くなってきます。

 

・階段スペースを利用することで広く活用する


どうせ住むなら大きな家に住みたいと思う方も多いでしょう。

しかし、そんな中で、狭小住宅も人気であることも事実です。

一見、狭く不便そうに見える狭小住宅ですが、実はいろいろな工夫をすることで、

より広く、より便利に、住みやすくすることができます。

狭く、不便に見える狭小住宅が人気である理由がここに隠されています。

今回、狭小住宅をより広く、より住みやすくするために見ていく方法は、階段スペースの活用です。

この階段スペースをうまく活用することで、より広く狭小住宅を利用できます。

それでは、一体どのような活用法があるのかを早速見ていきましょう。

 

・階段下にキッチン作業スペースを作る


まず一つとしては、階段の下のスペースにキッチン作業スペースを作ってしまうという方法です。

普段、階段下には、掃除用具などを片付けておく収納スペースに使っている

というご家庭は多いかと思います。

しかし、階段の下のスペースをキッチン作業スペースにしてしまい、

その横にキッチンを作ってしまえば、広めのキッチンを確保することができます。

これにより、階段の下のデッドスペースをうまく有効活用することができます。

 

・階段下のスペースをキッチンにする


こちらは、先ほどと似ていますが、階段の下のスペースをキッチンスペースにするという方法です。

先ほどの方法と比べ、狭いキッチンになってしまいますが、

階段の下のスペースを利用することで、スペースを取ってしまう冷蔵庫なども上手に配置でき、

居心地の良いキッチンスペースを作ることができます。

家族構成やキッチンの使い方によっては、こちらの方法も有効となってきます。

 

・スキップフロアを活用する


1階と2階をつなぐ階段の途中にスキップフロアを設けるという方法です。

例えば、このスキップフロアに子供用の勉強スペース作ると、1階のリビングからの声が届き、

コミュニケーションを取流ことができます。

また、子供の遊びスペースや夫婦の書斎スペースにすることも可能ですね。

リビングまで声が届くので、お互いに声が届き、家族間でのコミュニケーションも生まれます。

また、スキップフロアに透明なガードをつけて、うまく利用することで、

解放感を保ちながら、安全性を確保することができます。

 

・階段脇スペースを活用する


次は、階段部分の壁をスケルトン製の壁にすることで、

階段に注ぐ光を上手に取り入れることで、広々とした印象を与えることができます。

また、階段自体もおしゃれになるので、とても有効的な活用法でもあります。

また、階段脇のちょっとしたスペースを本棚に活用することもできます。

自分の部屋やリビングに本棚を用意すると、華香スペースを取りますし、

その分活動できるスペースが狭くなります。

また、雑然とした印象を与えてしまいがちです。

階段の脇のスペースにうまく本を収納できれば、他に本棚を用意する必要もなく、

スペースの節約にもなります。

 

・階段横収納にする


あえて、階段の横のスペースを見える収納スペースにしてしまうのも一つの方法です。

見える収納スペースというと、意外とごちゃごちゃになってしまうことが多くなってしまいます。

しかし、収納ボックスをすべて統一したり、

靴や工具、細々とした生活用品などをすべてうまく収納ボックスに入れれば、

スタイリッシュな空間を作り上げることができます。

また、階段の横のスペースに収納スペースを確保できることで、こちらもスペースの節約になります。

 

・階段自体を収納スペースにする


他にも、階段のステップ部分自体を収納スペースにしてしまう方法です。

この収納スペースに子供達のおもちゃや細々としたファブリック、

コミック本や雑誌などやかさばると雑然とした印象を与えてしまう雑貨などを片付けることができます。

また、先ほどとは違い、見せるわけではないので、多少汚くても恥ずかしくありません。

こちらもスペースの節約になりますので、有効活用することができます。

 

・採光を取れる階段で廊下を明るくする


こちらは、利用できるスペースを広くする目的ではないですが、

暗くなりがちな廊下を隣接する階段を利用して、明るくするという方法です。

昼間でも、暗くなってしまいがちな廊下は、小さい子供からすると、少し怖い場所でもあります。

なので、階段をうまく使って明るくすることで、子供の精神面のケアにもなります。

また、階段を光が取り入れやすくするために見通しを良くすることで、狭い狭小住宅ですが、

圧迫感を減らすことができます。

 

・まとめ


予算が少ないから狭小住宅にする、受け継いだ土地が狭いから狭小住宅にする、

都心だから狭小住宅にする、など、それぞれのご家庭の状況によって、

狭小住宅を選ぶという方は多いかと思います。

しかし、狭小住宅のメリットは、建築予算が安くなるという点でもあります。

そのため、内装やインテリアにこだわるための費用を多めに取れることもあります。

そして、狭小住宅をより広く、より住みやすくするためには、

まずは階段部分の活用法を自分の家庭の状況や家族構成などから判断して、

自分たちにあった活用法を選んでいきましょう。

自分だけの住むやすい狭小住宅を建てる秘訣にもなります。

クレバリーホームの注文住宅

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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