狭い敷地内の一戸建て。狭小住宅とは?

一戸建て住宅を建てるためにはある程度の敷地面積が必要です。しかし首都圏では広い土地を確保することは簡単ではありません。狭小住宅なら従来の一戸建て住宅には満たない広さの土地でも住宅を建てられるようになります。

 


このコラムのPOINT

・狭小住宅とは約15坪以下の比較的狭い一戸建て住宅

・縦長な住宅で、限られた空間を有効活用している

・広い土地を必要としないので場所を選ばず、建築費・維持費も安くなる


 

 

狭小住宅とは?


 

狭小住宅とは限られた敷地内に建てる一戸建て住宅のことです。日本国内には一般的な大きさの一戸建て住宅を建てるには不十分な広さの土地がたくさんありますが、狭小住宅には工夫を凝らして家族連れの家庭でも問題無く暮らせる住宅を目指す目的があります。

狭小住宅は広い敷地を確保することが難しい場所でも住宅を建てられることや、税金面の費用が安くなるといったメリットがあるので高い人気を誇ります。

 

狭小住宅(きょうしょうじゅうたく)は日本の住宅の類型。狭小な土地に建てられた狭小な住宅のこと。明確な定義はないが、一般に約15坪(50m2)以下の土地に建てられる住宅が狭小住宅と呼ばれる。狭小な土地に建てられた建売住宅につけられた蔑視的な呼称としてミニ戸建てと呼ばれることもある。

参照元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%AD%E5%B0%8F%E4%BD%8F%E5%AE%85

 

縦長な住宅になりやすい

狭小住宅は横の広さにどうしても限界があります。1~2人で暮らす住宅なら多少狭くても問題ありませんが、家族で生活するための住宅ならばある程度の広さと部屋数が必要です。

狭小住宅は限られた広さの中で部屋数を増やすために2階建て・3階建ての住宅になるのが一般的です。場合によっては地下室を設けることもあります。

実際に生活する際に、階段を上り下りする回数が増えることは煩わしく感じるかもしれません。しかし家族で過ごす場所とプライベート空間をフロアごとに分けるといったメリハリのついた住宅にすることも可能なので、やり方次第で住みやすい住宅を実現出来ます。

 

スペースを確保するためのイメージを働かせる

一戸建て住宅の間取りの中でも特に重要になってくるのが収納スペースです。住み始めの頃は荷物の数が少なかったとしても時が経つにつれて物はどんどん溢れて来るので、収納スペースは多くて困ることより少なくて困る方が圧倒的に多い傾向があります。そのため収納スペースは可能な限り多く取り入れるべきです。

しかし狭小住宅は敷地が限られているので押入れや物置などの普通の収納スペースを作ることは難しくなります。そのため間取りの中の工夫を凝らして限られたスペースを余すことなく有効活用しながら収納スペースを作り出す必要があります。

 

10坪前後の間取りで家を建てる


 

一戸建て住宅の平均的な坪数は約35坪と言われています。これは家族連れの世帯が快適に生活するための目安となっています。しかしアイデアを利用すれば10坪前後の間取りでも優れた狭小住宅を建てることは可能です。

 

フロアを増やす

狭小住宅はどうしても広々とした空間を確保することが難しくなってしまいます。そのため生活に必要な部屋を確保するためには上下のフロアを増やすことになります。

家族住まいの狭小住宅は大抵の場合2階建てあるいは3階建てになっています。場合によっては地下も作って合計4フロアに構成されている場合もあります。横の空間に制限がある分、制限の少ない縦の空間を利用することになります。

 

各フロアごとの役割を決める

狭小住宅は間取りが狭いので平屋の様に横一列に部屋を配置することは難しいです。その代わり各フロアごとに役割を決めることが出来ます。

例えば1階は玄関と駐車場で外出するためのフロア、2階はダイニングキッチンやリビングなどの家族みんなでくつろぐための共有スペース、3階は寝室や収納スペースがあるプライベートルームと言ったように役割を決めることでフロアを有効活用します。

 

少しでも広さを作るための工夫

狭小住宅は間取りが狭いので限られた空間をフル活用しなければなりません。そのため少しでも広さを作るための工夫を凝らす必要があります。例えばリビングの中に上階へ上がるためのリビング階段を作って一体化させます。

他にも天井付近の余った空間を利用したロフト・屋根裏収納を設ければ収納スペースを確保できます。逆に床下収納を設けて景観を損なわずに収納スペース追加することも出来ます。

 

狭小住宅のメリット


 

狭小住宅は決して狭苦しい住宅ではなく、立地条件やコストダウンに関するメリットが豊富に含まれています。

 

狭い敷地内に一戸建て住宅を建てられる

土地の広さは住宅の良し悪しを大きく左右します。どうせマイホームを購入するなら土地は広い方がデザインの幅が広がります。しかし面積の広い土地は簡単に手に入りません。

広い土地は土地にかかる費用も建築費用も高くなってしまいます。特に都心部はその傾向が強くなりがちです。建物が密集している住宅街や市街地では狭い土地しか見つからないこともあります。

しかし狭小住宅は狭い土地に建てることを想定した建物です。限られた広さを最大限に活かして家を建てるので、狭い土地でこそその特性を活かすことが出来ます。

 

都心部に家を建てられる

都心部(特に駅前の様な人の出入りが多い場所)は基本的に住宅を建てる条件が難しくなります。

しかし狭小住宅なら都心部でも住宅を建てられる可能性が高くなります。都心部は一戸建て住宅を建てられるほどの土地は無くても、小さな事務所や店舗などが取り壊されてその土地が空き地になってしまう事は多々あります。そのような使い道の限られた土地でも住宅を建てられるのが狭小住宅の強みです。

 

安上りになる

新築住宅を購入する上で一番の悩みどころは費用です。住宅は人生の内で最も高い買い物といっても過言ではありません。そのため費用が高くついてしまうのは仕方ないことですが、出来る限り安く済ませたいものです。

大きな住宅を建てれば当然建築費用も高くなります。これを削減するためにはなるべく小さな住宅を建てなければなりません。しかし小さすぎると生活に必要な設備が揃わなくなってしまいます。そこで狭小住宅を建てることをお勧めします。

狭小住宅なら限られた空間の中でも快適な生活に必要な設備をたくさん導入できます。そのため少しでも初期費用を減らしたい方には狭小住宅がお勧めです。

住宅を購入する際にコストダウンの対象となるのは土地にかかる費用です。土地を購入すると毎年固定資産税と都市計画税を支払う義務が発生します。これらは所有する土地が広ければ広いほど高額になります。逆に言うと土地が狭い狭小住宅は固定資産税と都市計画税が安くなります。特に200平方メートル以下の土地は各段に安くなるので、購入後の金銭的な負担を大きく減らしてくれます。

 

まとめ


 

狭小住宅はフロアの数や空間の隙間を活かすことで家族連れでも快適な生活を過ごせる住宅になります。費用が安くなるというメリットもあるのでコストダウンを考えている方にお勧めです。

 

狭小住宅を建てたい、間取りを考えている、詳しくアドバイスを聞きたい…。お客様の質問、お問い合わせに真摯に対応いたします。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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