内装用のタイルの選び方|種類やデメリット、施工実例を紹介
内装をおしゃれに仕上げたいなら、タイルを採用することをおすすめします。
タイルにはさまざまな大きさやカラーがあるため選択肢が広く、自分の好みによって自由に組み合わせ可能です。
また、どんなテイストにも相性が良いので、採用しやすい内装材でしょう。
今回は内装用のタイルの選び方や施工事例を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
- point -
- 内装のタイルを選ぶ際のポイントを解説します。
- タイルの種類や内装に採用するデメリットを理解しましょう。
- 室内の壁や床にタイルを施工した家を紹介します。
− contents −
◼ タイルの種類
◼ 内装のタイル選びに実践すべき5つのコツ
◼ 内装にタイルを採用するデメリットは?
◼ 壁や床にタイルを採用したおしゃれな内装の事例を紹介
◼ まとめ
タイルの種類
内装用のタイルの中にも、さまざまな種類があることをご存じでしょうか。
まずは違いを知って採用場所に適したタイルを選びましょう。
素地質の分類
一般住宅で使われるタイルの素地質は、大きく分けて3つに分類されます。
- 磁器質:石英や長石などを1,250度以上で焼き上げたもの。緻密で硬く、吸水性が弱い。
- せっ器質:粘土や長石などを1.200度前後で焼き上げたもの。硬く、吸水性はやや弱い
- 陶器質:陶土や石灰などを1,000度以上で焼き上げたもの。多孔質で、吸水性が高い。
磁器質とせっ器質は固くて水にも強いため、玄関の床や外壁に採用されることが一般的です。
ただし、内装用として使われることが多いモザイクタイルは陶器質で作られています。
陶器質は内装用タイルで使われる場合がほとんどです。
釉薬の分類
釉薬とはタイルの表面にあるガラス層のことです。
表面に釉薬をかけて焼成した「施釉タイル」と、釉薬をかけずに焼成し素地がそのまま表面になる「無釉タイル」があります。
- 施釉タイル:表面に光沢がある。水や汚れを防ぐためメンテナンスが楽。
- 無釉タイル:素地の質感が活かされる。比較的水や汚れを吸収しやすい。
内装に使われるのは施釉タイルが多いですが、一部無釉タイルもあります。
施工場所の分類
タイルは施工する場所によって、採用できるものとできないものがあります。
デザインが気に入っても内装に使えないケースもあるため注意しましょう。
カタログに内装床・内装壁・外装床・外壁など、施工可能な場所が書いてありますのでチェックしてくださいね。
内装のタイル選びに実践すべき5つのコツ
内装のタイルを選ぶコツを5つ紹介します。
サンプルを見て触って質感を確かめる
タイルの表面はさまざまな質感があります。
- 光沢感がありツルツルとした手触り
- 凹凸がありザラザラとした手触り
- きめ細やかでさらさらとした手触り
しかし、カタログを見ただけでは質感がわかりにくいことが多いです。
質感によって印象が変わりますし、凹凸の深さで影の雰囲気も大きく異なります。
実際の色や照明が当たったときの色も、カタログで見ていたイメージと違うケースは多いです。
必ず住宅会社にサンプルを取ってもらい、実際に見て触って確認しましょう。
広い範囲には大きいタイル、狭い範囲には細かなタイルが映える
▶施工事例:子育て中の共働き夫婦にやさしい工夫がいっぱいの家
施工する場所や範囲によってタイルの大きさを選ぶことが大切です。
狭い範囲や近くで見る場所などは、上の画像のような小さくて細かなタイルをおすすめします。
なぜなら、大きなタイルを採用しても、範囲が狭いと数枚しか貼れず見栄えがイマイチになる可能性があるからです。
また、ほとんどのタイルをカットしなければならず、本来のタイルの形状を活かせないこともあります。
近くで見る場所なら、小さなタイルの細部のこだわりまで伝わりやすいです。
【小さなタイルがおすすめの空間】
- キッチンの壁
- 洗面台の一部
- カウンター上部の壁
- トイレの壁の一部
逆に、広範囲に施工する場合や遠くからタイルを見る場所なら、大きめなタイルの方がかっこよく仕上がります。
さまざまな色が使われた小さなタイルを広範囲に施工すると、目がチカチカするかもしれません。
また、周りのクロスと同系色の小さなタイルを採用した場合、遠くから見たときに存在感が薄れます。
大きめなタイルは存在感があり、広い空間のアクセントになるでしょう。
【大きなタイルがおすすめの空間】
- リビングの壁一面
- テレビ裏の壁
- 玄関の壁一面
- 寝室の壁一面
施工範囲はパース図で確認する
タイルは好みに合わせて施工範囲を選ぶことができます。
壁の端から端まで施工する場合は問題ありませんが、壁の一部に施工するとイメージと異なるかもしれません。
施工イメージを確認するときは、設計士にパース図面を作ってもらいましょう。
完成予想図を見ることで、ベストな位置を確認することができます。
ちなみに、上の画像の場合は施工する高さにこだわったタイルの例です。
タイルに枠をつけて絵のようにしているため、天井に合わせても壁の中心の高さを選んでも違和感が生まれます。
絵画は中心を150cm前後の高さになるように取り付けることが一般的です。
しかし、図面に高さ150cmと書かれていてもイメージが湧かないですよね。
パースを見ることで、違和感がないかチェックできるのです。
このように採用する場所やタイルの見せ方を考えながら位置を決め、パースで施工イメージを確認しましょう。
見た目だけでなく機能性も重視する
▶施工事例:木造吹抜け付きの地下室、1〜3階、屋上の5層住宅
タイルの中には次のような機能性を持ったものがあります。
- 湿度調整
- 防汚
- ニオイ吸着
- 有害物質(ホルムアルデヒド等)吸着
- 抗アレルゲン(花粉・ハウスダスト等)
- 滑りにくい
- ヒヤッとしない
採用する場所によっては、機能性の高いタイルを選んだ方が良いケースもあります。
ただし、タイルは内装の装飾がメインの用途なので、機能性を重視してデザインを諦めることはおすすめしません。
気に入ったデザインが複数個あるなら、機能性がより優れているものを選ぶくらいの感覚でいいでしょう。
タイル同士をつなぐ目地の色も確認を
▶施工事例:お家の中心を繋ぐ鉄骨階段で、光たっぷりの3階建て屋上注文住宅
タイルの施工方法によっては、表面に目地が見えるケースがあります。
目地とはタイル同士をつなぐ役割を持つもので、水などの侵入を防ぐ効果もある重要な存在です。
目地は一般的に白が採用されるケースが多いですが、実はいろいろなカラーの中から選ぶことができます。
例えば、上の画像は白のタイルに黒の目地を採用したキッチンです。
白の目地を選ぶとタイルと同化してぼんやりしますが、黒の目地を選ぶことでタイルの形がハッキリとします。
どのような色が採用できるか住宅会社に確認し、タイルが引き立つような目地の色を選びましょう。
内装にタイルを採用するデメリットは?
内装のタイルを採用するデメリットを紹介します。
壁はクロスと比較して費用がかかる
タイルはクロスと比べて費用が高いです。
住宅会社が標準仕様に指定しているクロスと比較すると、㎡あたり数千~数万円の差がつきます。
もちろん採用するタイルによって金額は異なります。
広い面積にタイルを施工すると、数十万単位の費用追加になることもあるでしょう。
都度見積もりを確認しながら、選ぶタイルや施工範囲を決めてください。
室内の床にタイルを採用すると冷たい
洗面所やキッチンの床にタイルを採用したいという方もいますよね。
水に強くお手入れが簡単なタイルは人気が高いです。
しかし、冬場はタイルがかなり冷えるため後悔したという意見もあります。
マットを敷いたり、暖房器具を使ったりして対策を行ってください。
また、タイルメーカーの中には「冷たくないタイル」を販売しているため、検討してみても良いでしょう。
ひび割れや欠けが生じることがある
タイルは固い素材なので、衝撃によってひび割れや欠けが生じることがあります。
地震などの揺れはもちろん、重いものを落としたときの衝撃で割れるケースも多いです。
水を良く使う場所にタイルを採用し、割れたまま放置しておくと内部に水が浸入する可能性があります。
タイルを丁寧に扱うのはもちろん、定期的にメンテナンスを行いましょう。
固定資産税の評価額が上がることも‥
内装にタイルを採用することで、固定資産税の金額が上がる可能性が高いです。
タイルは他の内装材と比べて高級品なので、評価も高くなります。
ただし、タイルの施工面積がごくわずかなら評価が加点されないこともあります。
外壁のタイルよりは大幅な金額アップにはならないため、そこまで気にしなくても良いデメリットかもしれません。
壁や床にタイルを採用したおしゃれな内装の事例を紹介
壁や床にタイルを採用した内装の事例を紹介します。
【リビング壁】ダウンライトがタイルを照らす上質空間
▶施工事例:外観は美しい白タイルに各部屋使い勝手&カラーにもこだわる3階建て
リビングの壁一面にタイルを施工しました。
照明がタイルに当たって影を楽しめるように、壁際の2灯はユニバーサルダウンライトを採用しています。
ユニバーサルダウンライトは照射角度を変えられるため、タイルの影や輝きを楽しみたいならおすすめの照明です。
【LDK壁・床】3種類のタイルが施工された贅沢空間
窓際の床、テレビ台裏の壁、キッチン前のニッチの3カ所に異なるタイルを採用しました。
床やテレビ台裏に採用した大きめのタイルは、淡いカラーで空間に馴染みます。
対して、ニッチ内のタイルは空間のアクセントになるように、青系のモザイクタイルを採用しました。
施工する場所に合わせて、タイルの色や大きさ選びを工夫した点がポイントです。
関連記事:おしゃれで収納に便利なニッチのある家│リビング・トイレ・玄関の壁を飾ろう
【居室壁】タイルの張り方にこだわった個性的な空間
タイルの張り方にこだわった部屋です。
左右の長さが異なるデザインのシートタイルを選び、形状を活かした張り方をしました。
張り方によって個性が出せる所もタイルの魅力です。
【キッチン壁】高級感あふれる2種類のタイル
白の横長のタイルとグレーのモザイクタイルを組み合わせたキッチンです。
どちらのタイルも光沢感があるため、間接照明の光に反射して輝いています。
高級感のある内装が、タイルによってさらにグレードアップされました。
関連記事:キッチンをおしゃれにコーディネートする10のコツ│事例を基に解説
【ダイニング壁】ゴミ箱を隠す技ありタイル壁
▶施工事例:玄関と連続した和室を設けた広々エントランスが見所な家
ダイニングの横に腰壁を採用し、壁全体にタイルを施工しました。
壁で囲まれた空間には、ゴミ箱が3つ隠されています。
リビング側から見るとゴミ箱は全く見えず、タイルの腰壁が1つのインテリアのように感じられます。
キッチンの壁に採用した可愛らしいタイルの雰囲気にもぴったりです。
【洗面所壁】デザイン性のあるタイルを存分に使った空間
大きさの異なる2種類のタイルを採用した洗面所です。
色は同じですが、洗面台正面のタイルには花柄のデザインが入っています。
使う人を楽しませるような遊び心のある内装に仕上がりました。
【洗面所壁】アクセントのタイルで造作洗面台をおしゃれに
鮮やかなブルーのタイルを採用した、清潔感のある洗面所です。
タイルが施工してあるのは少ない面積ですが、空間のアクセントとして存在感があります。
【玄関壁・床】タイルの柱に見惚れる高級感のある空間
▶施工事例:吹き抜けで開放的なリビングが特徴。将来の二世帯を考えた工夫満載の家
来客用とプライベート用の玄関を隔てる壁全体にタイルを施工した玄関です。
シンプルな内装ですが、タイルがあることでアクセントになり高級感がでました。
玄関にはグレーのタイルは落ち着いた雰囲気のデザインを選び、室内の光沢感のある白の床を引き立てています。
関連記事:一戸建て住宅の玄関ホール│おしゃれにする5つのコツをご紹介!
まとめ
内装のタイルは空間のアクセントになり、高級感のある雰囲気を出すことができます。
選ぶ種類によって仕上がりが大きく異なるため、採用するテイストに合ったデザインのタイルを選びましょう。
また、タイルは施工範囲によっても印象が変わります。
施工場所や高さ、タイルの貼り方にもこだわって、オリジナリティある内装に仕上げてくださいね。
新宿モデルハウスでは、タイルを施工した高級感のある内装を実際にご覧いただけます。
皆様のご来場をお待ちしております。