【実例紹介】二世帯住宅につまったこだわり
毎日過ごす家は、快適であって欲しいですよね。家には建てた方の希望や理想、こだわりがしっかりと詰まっています。
今回は、二世帯住宅の建築実例をもとに、二世帯住宅に詰まったこだわりをご紹介します。
このコラムのPOINT
・二世帯住宅は、世帯同士が日常で協力しあうことができ、経済面、精神面で余裕や安心を得ることができる暮らし方です。
・どのような間取りであれ、設計力をフルに活かすことで、こだわりたい部分は可能な範囲で実現していくことができます。
・このコラムを読んで頂くことで、二世帯住宅の実例を参考に、これからの家づくりに役立てることができます。
二世帯住宅の魅力
二世帯住宅は、2つの異なる世帯が生活を共にする家です。親子とはいえ、生活リズムも価値観もまったく違う世帯同士が共に暮らすことで、得られる良さはたくさんあります。
日常で協力しあえる
同居することで、家事や育児をお互いに協力できます。また、介護の面でもお互いがサポートし合うことができます。
もし仕事などで、子どもだけで留守番をさせなければならない時にも、親世帯の協力があれば安心できます。常に人がいる空間なので、防犯にもつながります。
経済面での余裕
二世帯住宅にすることで、同じ空間でたくさんの人が過ごすことになります。それにかかる食費や光熱費、居住費を抑えることができます。
精神面での安心
頼れる身内が常にそばにいるという安心感は大きいものです。また、様々な世代の人が触れ合うことで、お互いにとってのいい刺激、成長につながります。
このように、二世帯だからこその安心や余裕が生まれるのが二世帯住宅です。思い通りにいかないことや意見がぶつかることも、もちろん時にはあるかもしれません。しかし、それ以上に得られるものが大きい、というのが二世帯住宅の魅力なのではないでしょうか。
二世帯住宅のこだわり実例①
1階賃貸用店舗・倉庫スペース併用、2階・3階は階層で居住空間が完全に独立した二世帯住宅
新しくも懐かしい欄間(らんま)の魅力
二世帯住宅は、1から新築するパターンや、今ある建物をリノベーションするパターンもあります。こちらのお家は、建物の老朽化に伴い、1階賃貸用店舗・倉庫、2階親世帯、3階子世帯の店舗併二世帯住宅に建て替えをしたものです。
建て替えをすることで、以前の建物の思い出を今一度取り入れ、新たな命を吹き込むことができます。襖などの上部に採光・通風・装飾のための格子や透かし彫りをした板である欄間。これを採光や通風として使うのではなく、2階親世帯リビングのベンチの背もたれとしてリノベーションしています。
新しい暮らしは胸が高まりワクワクするものですが、そんな時にちょっと懐かしい見慣れた愛着のあるものが目に入ると、それだけで安心感を覚えます。欄間を取り入れることで、新しいのに懐かしい。安心感を抱くことができるリビングが実現しました。
LDKの譲れないこだわり
キッチンは、一戸建て住宅に標準的に使用されるものではなく、高級キッチンを採用しています。シンクとコンロが二の字に分かれたセパレートタイプのキッチンは、シャープなシルエットと木目の味のある質感で、ナチュラルモダンな雰囲気に仕上がっています。床材もキッチンが映えるヴィンテージフロアを使用することで高級感のある空間に仕上がりました。
体を作り上げる大切な食事。そんな食事を、こんな素敵なキッチンで作ることができたら、日常が彩られますね。
これからの暮らしを考えた二世帯住宅の工夫
東京での新築計画は2階、3階、4階建ての多層住宅が多く、二世帯を考える場合、階段移動のない1階を親世帯が使用、2階以上を子世帯が使用する事例が多いです。
しかし、立地のいい1階を店舗・倉庫スペースにしているため、親世帯も2階への行き来は必然です。そのため、現在は必要がなかったとしても、将来的に車いすや介護が必要になった時に備えて、車いす用の昇降機を後々にでも付けられるよう、階段スペースを広めに設計しています。
2階・3階に上がるための建物内部の階段は、あえて外部用の階段にすることで土足でも上り下りできるだけでなく建築費用のコストダウンにつながっています。
生活は、ずっと繋がっていくもの。
親世代、子世代の理想をすり合わせながら実現していくことで、二世帯住宅という暮らしはとても快適なものとなります。
二世帯住宅のこだわり実例②
約20坪のお土地に玄関1つ、水回りは2つのコンパクト設計ながらもこだわり満載の二世帯住宅
広々としたリビング
こちらのお家は、約20坪の土地に建つ二世帯住宅です。
それぞれの世帯にキッチンやお風呂などの設備を導入した、部分共有型です。圧迫感を感じることなく、暮らしやすい住まいにするべく細部に渡り腕が振るわれています。
特に設計の技術が光るのが3Fリビングです。リビングを広く開放的的に使いたいという希望を叶えるため、様々な工夫が施されています。
キッチンのコンロ前の空間に設置予定だった、家を支えるための壁を設置しないことで広々とした解放的なリビングが実現しています。家を支えるための壁は、別の部分で補うことで解消しています。
バルコニーとリビングを一体化
こちらの実例では、3階は、リビングとバルコニーが一体化する作りとなっています。そうすることで、バルコニーにはソファーを置いてくつろぎたいという暮らしの中の夢が実現しました。
バルコニーとリビングが一体化し、視界が抜けることで空間を広く認識することができます。リビングを広く開放的に使いたいという願いとともに、奥行きのあるバルコニーで、家族全員が十分くつろげるほどの大きなソファーとともにくつろぎの時間となっています。
また、バルコニーの出入り口に設置した大きな掃き出し窓は、リビングとの一体感を演出するだけでなく、リビングの空間を広く明るく見せることにも一役買っています。
坪庭が見えるこだわりのお風呂
ゆったりと過ごし、1日の疲れを癒す…そんなお風呂時間を毎日取れていたら、身体に疲れも残りにくく、快適に1日を締めくくることが出来るのではないでしょうか。
こちらの実例では、お風呂から坪庭が見えるような造りになっています。
坪庭の見えるお風呂を実現するために、2Fのお風呂場の横に坪庭を作りました。お風呂場を作る時は、通常は外から浴室の中が見えないように小さめの窓を設置したり、すりガラス窓を設置したりする場合が多く見られます。
しかし、こだわりの坪庭がよく見えるようにあえて、すりガラスではないクリアで大きな窓を採用しています。
外からの視線を遮る工夫として、坪庭には背の高い植栽を植え、さらに坪庭の外にはルーバーと呼ばれる格子を設置して中を見えにくくするなどの工夫をしています。プライバシーを守りつつも、坪庭を眺めながら憩いの時間を過ごすことが出来るお風呂が実現しています。
お風呂の色は落ち着いたブラックにすることで、坪庭の竹との相性は抜群に良くなり、高級感のある和モダンな浴室に仕上がっています。お風呂の色味は、汚れが目立ちにくい色、色あせにくい色など選ぶポイントは多々ありますが、身体を癒す心地よい空間にするためにも、色彩心理を参考にしながら、自分自身が落ち着く色を選ぶことがポイントです。
二世帯住宅の実例を参考に
これから二世帯住宅のリフォームを進めていく方も、今後、二世帯住宅を検討している方も、思い描く希望はあるものの、具体的にはイメージがわかない、という方も多いのではないでしょうか。
二世帯住宅で、心地よい暮らしを実現されている方はたくさんいらっしゃいます。ぜひ、実例をもとに参考にしてみてください。
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